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企業のESG施策は投資家獲得に、本当に繋がるのか?〜先行研究から考察する〜

 ESG経営に励む上場企業が増加しています。しかし、肝心なのは自社のESG経営が企業価値向上に繋がるかどうかです。本業と全く関係のない事業でESG施策をしても企業価値の毀損にしかなりません。実際、そうしたことを報告する先行研究も存在します。そんな懸念を吹き飛ばすには、自社でESG経営と企業価値の関係性をデータ検証により定量的に報告することが必要です。下記の記事では、こうした取り組みが広がっている子が伺えます。もはや、自社データで因果推定を行うのは、ビジネス上の必須スキルなのかもしれません。今回は、多くの上場企業が励んでいるESG経営が、本当に投資家獲得に繋がるのかについて先行研究を紹介していきます。

ESG経営と企業価値の関連性

 まず確認しておきたいのは、ESG経営と企業価値の関係性です。これは、下記の研究では概ねプラスの関係性があることが報告されています。だからこそ、企業の新しい投資家獲得にも繋がると考えられます。では、実際はどうなのでしょうか?

それについて検証したのが、こちらの研究です、この検証を見てると、ESG経営の評価軸になる、ESGスコアをとにかく上げたからといって、それが機関投資家の獲得に必ずしもプラスになる傾向はないと報告しています。一方で、ESGスコアが低いと、機関投資家の獲得にマイナスの影響が出ると報告しています。つまり、ESG経営を頑張ることは、投資家獲得においては必ず繋がる施策というよりも、「して当たり前」という評価になりつつあるのかもしれません。こういう状況だと、ESG経営をしない企業は良くない形で目立つことになります。2023年は、ESG経営可視化への更なる進化が各企業に求められそうです。


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崔真淑(さいますみ)

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