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歴史と文化が解決する(かもしれない)オンラインでのコミュニケーションの課題

私の仕事の一つはイベントを創ること、です。手段の一つではありますが、達成したいゴールに向けて、どのようなイベントを実施すべきか毎日悩みます。

コロナ禍になってからは、”オンライン”という今までとは違うフィールドでの企画が必要になりました。ツールも機材も、ネットワークも様々進化をしていて、この半年で私たちを(特にイベント運営をしている人々の)取り巻く環境・状況は劇的に変わりました。

オンラインになって良かったことの一つとして挙げられるのは、場所というボーダーがなくなったこと。at Will Workでも、Plug and Playでも今までは会場という場所に来る必要があり、関東圏にいない方にとっては移動が一つのハードルになっていました。関東圏にいる方ですら、例えば19:00にイベントが開始となると会社や自宅を18:00くらいには出る準備をしたり、と前後30分以上の時間を確保する必要がありました。

今は参加ボタン一つでどこからでも参加が可能です。今日も理事を務めるマーケターキャリア協会のイベントがありましたが、会社から家に向けて歩きながら参加(視聴)していました。イベントをやっているとワークアウトしながら参加している方も見かけたことがあります。at Will Workでは2月のカンファレンスで「オンラインだったからやっと参加できました」と言っていただき、いかに”場所”は一つの制約になっていたのだと思い知らされました。

他にもオンラインならではの演出など、できるよう時なったことも様々。一方でまだ超えられていない事もたくさんあります。その一つの”現場感”について先日も書きました。

いわゆる”ネットワーキング ”と呼ばれる参加者同士の交流が、オンラインではまだ満足のいく仕掛けができていません。もちろん、オンラインだからネットワーキング については諦める(=別の繋がる仕掛けを創る)という考え方もあります。今日もどうすべきなのか、やっぱり無くしてみた方がいいのか・・・と悶々と考えていたときに目に入ってきたのがこの記事です。

600人・・・?という数値とオンラインという見出しで読んでみてびっくり。ホンダが伝統として実施してるざっくばらんに議論するワイガヤをオンラインで、しかも600人で実施した、という記事でした。

仕掛け自体は至ってシンプル。Zoomのブレイクアウト機能を使ったという事なのですが、それに、びっくりしました。記事では現場の苦労についても書かれていますが、そこはオンラインイベントを実施する人たち全員が通る道。人数としては全社会議を実施しているところも同様の人数だったりします。しかしこれは議論をする、というもの。

ワイガヤの手法自体は、対面とオンラインで変えていない。新入社員にとっては初めてのワイガヤを実施できたのは、「数年前からワイガヤを行動科学に基づいて再構築し、体系化されたプログラムにしていた」(仲山氏)という準備があってこそだという。

という担当の方のコメントがありましたが、仕組みもそうなのですが、それを支える歴史の積み重ねと文化が、オンラインという場所を変えても実現できた要因なのではと考えています。

オンラインでのイベント、となるとツールが様々あるが故に”活用する”という名の下にツール自体に頼ってしまうという事もあります。でもこの事例が教えてくれたのは、もっと根本のものの再定義と再認識。なぜネットワーキング をするのか、という目的だけではなく場所×人の”コミュニティ”がどのようになっているかが大事だ、という事です。

私たちはどんなことを実現したいか、というゴールから考えることを主にしていますが、ちょっと行き詰まっている今、また違った角度から、そして根本のところをもう一度考え直すべき、と少しはっとした瞬間でした。

・・・・・・まだまだ悩む日々は続きそうです。

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