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コロナは、改革を早めるきっかけだと考えよう

私たちは、コロナと関係なく、改革、改善、進化する

 みなさん、2019年、何が話題になっていたかを、覚えているでしょうか。たかが、2年前なのですが、なかなか思い出せないですよね。2019年から、2021年の間に、「コロナ」という不連続な事象があるので、「Before コロナ」を思い出しにくいと思っている方もいるでしょう。

 参考に、三省堂の「今年の新語」を参照してみましょう。

 大賞は、「〇〇ペイ」です。つまり、PayPayや楽天ペイのような、QRコードとスマートフォンを使った、新しい決済です。

 第9位に、「置き配」が入っています。宅急便や、食事の配送を、人に会うのではなく、玄関などに置いてもらい、非接触で荷物を受け取る方法です。

 みなさん、「あれ」と思うかもしれません。この「〇〇ペイ」も「置き配」も、コロナ後に登場したものと思っている方もいるからです。ところが、これらのサービスは、コロナと無関係に、登場していたのです。

 つまり、私たちは、ビジネスや生活の行動を、コロナと関係なく、改革、改善、進化させていたのです。

コロナ前に戻すでなく、コロナ前に進む

 さて、コロナの報道の取材などで、「早くコロナが終息して、前のように〇〇したい」などのインタビューをよく耳にします。この前は、「以前」という時間を逆戻しにする意味ですね。もちろん、「以前」に戻すべきこともあります。

 しかし、「前方向」つまり、時間を順方向に進めるべきこともあるのではないでしょうか。実は、「〇〇ペイ」や「置き配」は、まさにコロナにより、普及が加速したサービスの例でしょう。今までは、興味がないと思っていた人が、コロナをきっかけに、利用し、普及が進んだのです。つまり、コロナにより、「改革、改善、進化」が、進むこともあるのです。

 コロナという感染症の付き合い方を、私たちが学ぶとともに、コロナにより、私たちのビジネスや生活を、「改革、改善、進化」することも、コロナによる、私たちの学びなのではないでしょうか。

コロナで、働き方改革を、進めよう

 コロナ以前から、「働き方改革」という言葉について、私たちは考えてきました。私は、この言葉を自分なりに考えて、サラリーマン生活と離別して、パラレルワーク、フリーランス、起業と、さまざまな働き方を実験しています。私なりに、「働く」をマネージメントすることの意味を考えました。そして、それよりも重要なことは、「人はなぜ働くのか」ではないかと、考えるようにもなりました。

 一方、現代は会社で働くことも多く、会社での「働き方改革」は、社会的に大きな問題です。コロナで、私たちはさまざまな「働き方」を実験しました。「テレワーク」「リモートワーク」「時差出勤」「ワーケーション」など、さまざま実験しました。これらの実験は、コロナが終息したら、忘れるのではなく、新しい働き方として、メリットがあれば、以前の働き方と久美和わせて取り組むべきことです。私たちは、コロナで働き方の「改革、改善、進化」の実験をして、その普及促進も行っています。

 ひょっとしたら、この「週休3日」も、コロナの今だから、取り組みが加速するものの一つかもしれません。週休3日という言葉も、コロナ前からありましたよね。しかし、コロナの今だから、また意味を問い直し、そして、実験的に取り組む企業が現れたのです。

 このように考えると、コロナは、「改革、改善、進化」を早めるきっかけなのかもしれません。「コロナ以前」を懐かしむだけでなく、「コロナの先(前)」の時代を創造することも、重要なテーマなのでしょう。


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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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