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岡村さんの炎上に感じるモヤモヤをパワポで解決してみた。

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべきではないか。

という記事を発端に、「女性蔑視だ」「職業差別だ」と大炎上したナインティナイン岡村さんによるラジオでの発言。今や出演するNHKの番組降板を求める署名運動にまで発展している。

一方で「岡村さんを糾弾する人は風俗嬢になることを見下している。それこそ逆に職業差別だ。」という意見もある。

僕は浪人時代、ナインティナインのオールナイトニッポンを毎週楽しみに聴いていた。結局1枚も読まれなかったが、ネタハガキも送っていた。

正直に言うと、僕も糾弾している人たちに対して違和感がある。

だがそれを「自分が番組のファンだったから擁護したいだけかもしれない」とも感じてしまう。だから今日は、そんな自分の違和感の正体をパワポで解明してみた。

■思考フレームが問題なのか?

まずは事実確認から。

冒頭の記事にも詳細が書いてあるが、岡村さんはリスナーに対して「今はガマンしましょう。コロナ明けには楽しいことがあるかもしれない。」という主旨で発言した。

発言内容をパワポにするとこんな感じ。

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これが職業差別、もしくは逆に職業差別なのか、という論点をわかりやすくするため、一旦フレームにしてみる。

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普段は職業Aの人が、コロナの影響で一時的に職業Bをやることを楽しみに待つ。

これが岡村さんが批判されたフレームだ。

「風俗嬢とか関係なくて、この思考が問題だ」という声は多い。例えばこのツイートは300RTもの共感を集めている。

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では実際にこの思考フレーム自体が問題だとして、他の職業でも当てはまるのか検証してみた。

■ポジティブに捉えることが問題なのか?

先ほどのフレームを、コロナ禍で起きている別の職業で捉え直してみる。わかりやすいのは飲食店のテイクアウト化だろう。

「あの有名飲食店までもが、テイクアウトをはじめた」という話題は、「あのかわいい女性までもが、風俗をはじめた」と同じ構造だが、貴重な明るいニュースとして連日メディアで取り上げられている。

構造としては全く同じなので、先ほどのツイートの理屈からすると、これを「楽しみ」と表現するのも問題ということになる。

フレームに当てはめてみた。

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・・・・・、問題だろうか?

これも問題だとする人はいわゆる「不謹慎厨」で、暗い状況をポジティブに捉えようとする姿勢自体が気に入らないのだろう。

被害者は被害者らしくしていろ、など言ってしまうのと同じ類の発言だと思う。

それが1つの考え方だとしても、有名レストランのテイクアウト化については、それこそ公のメディアで散々取り上げられているので、差別じゃないとしたらそちらの署名運動も立ち上げてもらわないと、やはり納得できない。

■本人の意思が問題なのか?

先ほどの意見に対して、

「いやいや、レストランと惣菜屋は同じジャンルだし、一般OLが風俗嬢になるのとは違くない?

という反論も考えられるので、一般OLと異業種で考え直してみよう。

これもまた、コロナ禍で起きている実例だ。

私の友人で裁縫が得意な女性がいる。彼女は普段、派遣で事務スタッフをやっていたが、コロナの影響で収入が減った。そこで前々から興味があったアパレル業へのチャレンジとして、手作りマスクの販売をはじめた。

すると、そのデザインが話題となり今や100人待ちの人気商品に。多くの人が彼女のマスクが届くのを楽しみに待っている。

この状況をフレームに当てはめてみる。

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・・・・・、問題だろうか?

「普段は事務職の女性がこれを機に始めたら人気商品になったマスクがある。それを楽しみにしている人がいる。」

この状況は不謹慎で問題だろうか?

これに対して、

「いやいや、マスク屋さんは本人の意思でやっているから問題じゃない。風俗は・・・」

と言う反論が来るだろう。

その瞬間、僕は


ダウト!!!



と叫びたい。
その理由を説明する。

■かわいそう、のレッテルを貼りつけるのが問題

先ほどの反論、おそらく最後まで書くと、

「いやいや、マスク屋さんは本人の意思でやっているから問題じゃない。風俗嬢はやりたくてやっている職業じゃないだろう」

となる。

ここには「風俗嬢=泣く泣くやっているかわいそうな職業」という固定観念が存在する。

この固定観念を持つ人が、岡村さんの発言を聴いて浮かべたのはこの構造だろう。

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確かに岡村さんは「風俗嬢にかわいい女性が一時的に増える状況」を楽しみと表現したが、

「風俗嬢=泣く泣くやっているかわいそうな職業」

と言う固定観念がある人には、これが「(かわいそうな職業である)風俗嬢に(泣く泣くなるしかなかった)かわいい女性が一時的に増える状況」を「楽しみ」と表現した、と(  )を足して認識して嫌悪感を抱く。そして持ち前の「正義感」で岡村さんを袋叩きにする。

つまり、
岡村さんの発言に嫌悪感を抱く人とは、「風俗嬢=泣く泣くやっているかわいそうな職業」という固定観念がある人ということになる。

例えば、岡村さんの言う通り風俗嬢は増えるとする。

しかしその中にはマスク販売と同じように前々から興味があった女性もいるだろうし、これを機に天職だと感じる女性もいるかもしれない。また、コロナ禍の前から前向きに風俗をやっている人だってもちろんいる。

しかしそんな可能性を微塵も考えずに、全員に「かわいそうな被害者」のレッテルを貼りつけるのは岡村さんと同じく想像力のない発言だ。

さらに署名活動までして、世の中に広げようとするのは岡村さん以上に軽率ではないだろうか。

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■「怖い」と感じる正義感が問題

風俗業は休業補償や生活保障の対象に含まれるのか?

これもまたコロナ禍で議論となったが、政府も風俗業を補償の対象とした。当然だ。職業によって差別されることは許されない。

しかし岡村さんを糾弾する人たちの脳内には、未だに職業差別が残っている。

有名レストランが総菜屋になるのは問題ない。
OLがマスク屋さんになるのは問題ない。

でも、OLが風俗嬢になるのはかわいそう。

なぜなら、風俗嬢なんて普通の職業じゃないから。

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少なからずこの認識がないと岡村さん批判にはならない。

罪を憎んで人を憎まず、という言葉があるが、今回の一件を自分の固定観念というフィルターを通して怒り、発言否定だけでなく他番組にまで及ぶ人格否定に走る人が、僕は怖い。

同様に、発言の詳細を把握した上で

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべきではないか。

と焚きつけるタイトルに堂々とつけられる正義感もまた、怖くて仕方がない。

怖いのはコロナだけにしたいものだ。

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小島 雄一郎(リレーションシップアナーキー)

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モヤモヤしたらパワーポイント。本業は若者研究や採用コンサル。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた」。プライベートは人間関係に名前をつけないリレーションシップアナーキーやポリアモリーを実践中。日経COMEMOのキーオピニオンリーダーをやっていますが、クビになる可能性もあります。