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管理部門と創造性:リモートワークを事例に

今日は、管理部門が発揮したい創意工夫について、書きます。

管理部門、例えば経理・人事・総務のような仕事は、創意工夫と縁遠い印象があるかもしれません。ルールと期日だけで仕事をしてるかのようなイメージではないでしょうか。私は3社の管理部門で十数年働いてきまして、実は、めちゃめちゃ創意工夫のしがいのある仕事だと考えています。目下のリモートワークの課題を例に、説明しますね。

多くの企業が緊急事態宣言を機にリモートワークを「子育てや介護など事情がある人のためのオプション」から「原則全員」に切り替えました。制度の刷新や回線などの整備など大急ぎで対応した企業や、今回初めて役員がリモートワークを経験したという会社も少なくないようです。

さて、大企業 54社の若手有志が集まる「ONE JAPAN」 が、2020年4月に新型コロナウイルス発生に関する意識調査を実施しました。大企業54社で働く若手1406人が回答しています。

新型コロナウイルス発生が個人に及ぼした影響、最も回答が多かったのは「在宅勤務・テレワーク・リモートワークの実施」でした。そして、リモートワークの制度利用している人のうち、約8割が
・Wi-Fi、PC、サーバーなどの環境
・コミュニケーションの負担
・職場の一体感
などに課題を感じていると回答しています。それにもかかわらず、実に96%の回答者が「今後、リモートワーク精度がより定着し一般化されることをのぞむ」と答えています。

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新型コロナウイルスの影響が広がる以前は、リモートワークは労務管理、情報管理、組織運営などの面で「導入には課題がある」とされてきました。今回は緊急事態であるという理由で、社内の様々な制度と齟齬があることは分かった上で、そうした課題はいったん棚上げした格好になっています。しかし、緊急事態宣言の延長が取り沙汰され、若手社員から強い希望が示されているいま、リモートワークは、もはや短期間だけの緊急避難措置ではない、と考えるべきでしょう。

人事や総務など管理部門が、既存制度との齟齬を解消する、抜本的な変革を牽引するチャンスです。

チャンスをどうモノにするか、私が過去に心がけてきた考え方を3つ、示しますね。

1.方法は、状況と目的で決まる。

一つめの原則は、哲学者/心理学者である西條剛央さんの「方法の原理」です。正確な定義は「方法とは『特定の状況において使われる、目的を達成するための手段』」ですね。
管理部門の仕事での「方法」は、社内にしく仕組みやルールです。現状の仕組みは、過去の特定の状況とその時設定された目的に応じて制定されました。状況や目的が変化したなら、変えなくてはいけません。例えば人事制度は「社員を公正に遇する」目的で設計されていて、今もそれは変わりません。しかし「状況」が大きく変わりました。だから「方法」は当然、変える必要があります。

管理部門の仕事は社内向けだと考えがちですが、そうではありません。社会規範と会社の接面を司どるものです。社会規範の動きと社内の動き、双方にアンテナを立てて、状況の変化に応じて「方法」をどんどん刷新する、創造性が発揮できる仕事です。

2. 動きが先、ルールはあと

新しい取り組みにあたっては、まず、社内で部署や期間を区切って実験をしたり、少数でもうまくいっている事例を見つけます。そこでうまくいったことを再現し全体に広げる方法の一つとして、ルールを作るのです。例えば先に紹介した ONE JAPAN の意識調査では、リモートワークだと職場の一体感が感じにくいという課題が指摘されました。「リモートワークによって起きた変化」について、1406人中475名が「困ったときに気軽に相談しにくくなった」と回答しています。ところが同じ設問に対し、135名が「管理職(上司)や同僚とのコミュニケーションの量が増えた」と答えているんですね。この135名が具体的に行っていることを調べ、仕組みとして整えて全社に広げる。これが「動きが先、ルールはあと」のイメージです。

管理部門はルールという形で仕組みを作ることが成果だと考えがちですが、そうではありません。人や組織は複雑で、たいてい、ルールを設計する人の想像を超えてきます。「それはムリ」という既成概念を外して、事実を謙虚に観察し、目的に沿う「方法」を発見して仕組み化する、創造性が発揮できる仕事です。

3. ルールで人を動かせるという前提を捨てる

「社員がルールを守らない」という嘆きを管理部門の人からきくことが少なからずあります。私は、これは「お客さまがプロダクトを買わない」と文句を言っているのと同じくらい、おかしな話だと考えています。
お客さまが買わないのには何らか理由があります。それを探りあてて解消するのが販売側の仕事です。同様に、社員がルールを守らなかったり文句を言うのは何らか理由があります。例えば、リモートワークをしている中、押印だけのために出社するのは面倒だ。上司に作業を逐一報告するなんて意味を見出せない。そうした声に対し、社員が不真面目だと嘆いてませんか。ルールだから仕方ないという対応に終始してないでしょうか。社員からの声の根本理由を探らないのは、仕事として不十分で、管理部門として不真面目だと思います。

管理部門はルールを守らせる権力があり社員は従うべきと考えがちですが、そうではありません。権限に依存すると思考停止になります。管理部門の仕事は、社員の状況や心理への理解を深め、望ましい行動を行いたくなるような工夫をする、創造性が発揮できる仕事です。

そうは言っても、具体例がないとイメージできないですよね。こちらの記事など、参考にしてみてください。(私も出ています)


管理部門の仕事には、創造性があります。なぜなら、人の心を扱うから。

今日は、以上です。ごきげんよう。

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真(まこと)てふ 貴きものを心にて 永き世ゆかむ 人と和みて エール株式会社取締役 https://www.facebook.com/makiko.shinoda

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コメント (2)
勉強になりました。
2の考え方素敵ですね。多数派に寄らず、成功例に寄る。インクルーシブだと思います。
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