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転職前提の新卒採用で進む「脱・配属ガチャ」 ガチャは良いのか悪いのか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

今の時代、新卒社員は入社まもなく転職サイトに登録する人が増えているそうです。日本型雇用システムが終焉を迎えジョブ型雇用に移行する中で、中長期のキャリアを若いうちから考えるという観点で見れば非常によい動きだと思います。

従来は入社式の際に配属の辞令が交付されてはじめて、どの部署で働くのかを知ります。希望をとる会社は多いですが、もちろん全員が第一希望となるわけではありません。中には思っていた配属先と大きく異なることで、早期に転職してしまうミスマッチが起こっていました。

「学生のうちに転職という選択肢を考えるのは当然です」。今春卒業予定で、大手商社への就職が内定している女子学生(22)は話す。内定を得た直後に転職サイトに登録。次に働きたい職場を探し始めた。

大手航空会社など6社の内定を得た。内定先は今のベストと満足している。両親は「入社3年は頑張って」と助言する。でも「3年は我慢なんて古い。自分がもっと活躍できる会社が見つかれば転職するつもり」。内定先は自ら思い描くキャリアを実現するための第一歩という位置付けだ。

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昨今では人材不足が深刻化しており、どの会社も新卒採用により一層力を入れています。会社としても相応のコストがかかるわけですので、一度入社した方には末永く働いてほしいと願っています。ところが、ミスマッチを理由に早期退職が相次ぐとなれば、対策をとることになります。

学生にとって、配属は「ガチャ」のようなもの。要は運次第ということでしょうか。自分の人生を一時のガチャに委ねたくない、と配属ガチャを懸念する人が多くいるのも納得です。まだまだ数は多くないものの、事前の説明会やコース別・職種別採用を導入することで、少しでもミスマッチを減らそうと奮闘する企業の姿もあります。

希望の職種や勤務地で働けなかったら――。長期的なキャリア形成やライフプランを考えて就職活動に挑む人が増え、「配属ガチャ」を懸念する学生も少なくない。人手不足で学生優位の売り手市場が強まるなか、企業も新たな採用や人事制度を打ち出し、長く働きやすい環境を整える動きが広がってきた。全国に店舗を持つ小売りや外食にも浸透し始めている。

「入社後はどんな成長ができますか」「選択したコースで強みを磨きながら、事業をまたいで活躍できます」。3月上旬、キリンホールディングス(HD)は学生向けの採用説明会を開いた。営業やマーケティングなど事務系のコースに特化した内容で、参加した学生たちからは様々な質問が出た。

キリンHDは2024年卒の新卒採用からコース別採用を広げた。従来から技術系では実施していたが、事務・営業系では24年卒で初めてコース別採用を導入した。法務や財務、SCM(需給・物流)など多様なコースをそろえた。

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一方で、業務知識が十分にない、もしくは自分がどのような部署で活躍できそうなのかがわからない学生にとっては、必ずしも良いこととは言えないでしょう。学生のころからプログラミングをしていたり、いわゆる外から見て活動が目立つ部署(PRやマーケティング等)はコース選択をしやすいですが、人事や経理などの部署の面白さはなかなか伝わらないものです。

私も新卒のときには入社式で辞令が発表されるタイプの企業でしたが、実際に配属された部署は全く予期もしていなかったどころか、それまで存在すら知らない部でした。他の同期が数名単位で配属されていたのに、私の場合は仲間もいないひとりぼっち。辞令を聞いたときに最初は意味がわからず思わず半笑いになってしまったことを覚えています。

しかし、実際に配属されて業務を進めていくうちに、あーなるほど!人事の方は本当によく私を理解してくれて、一番適切な場所に配属してくれたのだなと思いました。このときの経験は今でも私の糧になっていますし、人員の適材適所について深く考えるきっかけとなりました。「自分のことは自分が一番わからない」というのはある意味真を突いています。

学生側のニーズに応えようと「配属ガチャ」対策を模索する企業は広がっている。今回は複数の企業に取材を打診したが、そのうち数社には取材を断られた。「制度が完成していない」「今後変更する可能性がある」、「様子を見たい」といった理由が目立った。働き方への考え方が多様化する中で、全ての社員の希望をかなえるのは難しく、企業側も試行錯誤している様子がうかがえた。

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今後も企業と学生との試行錯誤は続いていくと思いますが、配属ガチャという言葉が聞かれなくなる日は近いのかもしれません。

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タイトル画像提供:ELUTAS / PIXTA(ピクスタ)

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