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「学校便りもデジタル」をより良いデジタル・トランスフォーメーションにするには (日本を強靭化するDX #6 )

「押印廃止」というデジタル推進キーワードは凄い!

 河野太郎行政改革・規制改革相が、2020年9月25日に「押印廃止」について発言したことは、多くの場所でのデジタル化の取り組みを加速させている。デジタル化を進めようという言葉以上に、「押印廃止」という言葉の方が、とてもわかりやすかったということだろう。

そして、この言葉は、学校教育にも、1か月で波及し、多くの親御さんに関係のあるところとなった。

 なんだ、日本もデジタル化できる力あるのではと安心した瞬間でもある。

学校の先生は、電子メールと紙の書類をうまく使い分けられるのか?

 ところで、上記の記事に

すでに学校がメール配信システムを使っている場合、「お便り」なども子どもに紙で配布せず、メールを通じて直接保護者に届けるよう促した。

とある。これは、正しい学校への指導だろうか?これは、単なるデジタル化であり、デジタル・トランスフォーメーション(DX)ではない。デジタル・トランスフォーメーション(DX)では、デジタルも活用して、最適なサービスを提供することであり、単純なデジタル化とは次元が異なる。

 以下に、私がいつも講演会で使う、電子のダイレクト・メールと紙のダイレクト・メールの違いを掲載しよう。

紙-デジタル


 電子メールには、確かに便利で早い。一方、紙の書類は、丁寧に読むなどのメリットがある。
 学校の家庭への連絡にも、種類があるだろう。親への単なる連絡。そして、親に熟読して、返事をもらうもの。その違いによって、本来は電子化して伝えるもの。旧来通りの紙を使って連絡するもの。この整理を、デジタル・メディアが使える今、きちんと行うのがデジタル・トランスフォーメーション(DX)である。
 紙の書類をなくすことは、デジタル・トランスフォーメーションではない。もっと、柔軟にさまざまな媒体、フォーマットを使うと、学校と家庭のコミュニケーションのデジタル・トランスフォーメーション(DX)ができるはずだ。

運動会の花火を思い出そう

 デジタル・トランスフォーメーション(DX)は、実は過去にも沢山のヒントがある。私の小学校時代の経験もその一つだ。それは、運動会の開催案内である。運動会は、外で行う活動で、天気に左右される。そして、私が小学生だった頃は、運動会はちょっとした町のイベントであった。この運動会の開催案内、私の小学校では、開催する時には「音だけがなる花火」があがった。「音」を聞いて、母親は弁当を作り始め、準備をしたのである。
 このように、柔軟にコミュニケーション手段を活用することを、昔から学校では行っていたのだ。
 デジタル・トランスフォーメーションでは、デジタル・コミュニケーションも含めて、多様なコミュニケーション方法から、最適なものを選べばよいのである。デジタルに置き換えることが、最適ではないはずだ。
 学校によっては、通知表をデジタル化した学校もあるようだ。それも良いだろうが、そうしたなら紙の通知表以上に、データを詳しく入れるべきだろう。その一方、その子供が学んだ証を別途部地理的に用意して欲しい。私は、このコロナ禍になり、さまざま自分の荷物を整理していてい、小学校の通知表や、中学校の学生手帳を発見して、思い出に浸ることができた。
 このようなことも、コミュニケーション・ツールな重要な役割だということも考えながら、日本の学校らしいデジタル・トランスフォーメーション(DX)を行って欲しい。それは、日本の教育の質の維持にもなり、将来の経済の成長に繋がるはずだ。

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