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トレーサビリティがなぜ重要かを考える~①そのチョコはどこから?

機能性関与成分GABA配合とか乳酸菌を腸に届けるとか。機能を付加したチョコレートも出て。というか、夏でも手に溶けにくいチョコレートがあるし、オフィスの机の引き出しにも“ストレスと戦うチョコ”が入っていたりする。チョコレートは嫌い、という人ならいざ知らず、多くの人はバレンタインデーの盛り上がりを待たずともチョコレートは年中売られているし、買っているというのが実際でしょう。

でも、食べる前に、その身近なチョコレート。一体どこから来たのか、ちょっとだけ考えてみたいと思います。

少し前になりますが、2017年に、人権問題の活動をしている団体がチョコレートメーカーのサステナブルな取り組みについて調査しました。それによると、原料となるカカオ豆のサプライチェーンに対する年次監査がなされているのかどうか、農園レベルまでトレースできるかどうか、サステナビリティにかかる認証を取った調達の割合などが項目としてあげられています。

どれも大事な指標ですが、最後のサステナビリティにかかる認証を取った調達割合だけで見ると、リンツは57%、ハーシーは50%に対し、ネスレは30%、モンデリーズは21%です(モンデリーズって聞きなれないかもですが、超お馴染みオレオを作ってます!)と幅があります。相対的にサステナブルな調達の割合が高い二社、リンツとハーシーは、売上に占めるチョコレートの割合が100%であるために、より注意を払っているのかもしれませんが、それが功を奏して売り上げも好調。ネスレやモンデリーズとは相反する動きをしているのです。

「エシカル消費」とは倫理的消費ともいわれ、消費者が自らの倫理観に基づいて商品・サービスを選択することを表す言葉です。大好きなチョコレートでも、それが子供の労働力の搾取の上に成り立つ商品であったら、どうでしょう。そうかどうかわからない商品と、原材料レベルから工程過程がはっきりしている商品のどちらを手に取りますか。

欧米ではこうした観点まで含めた消費行動が主流になりつつあります。美味しいとか、包装やパッケージが楽しいとか、値段が手ごろ、とか、我々が商品を手に取る理由はたくさんあります。今度から意識してトレーサビリティを加えてみるつもりです。(続)

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