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医療領域でのコミュニケーションの可能性

これが「医療3.0」という表現が正しいのかどうかわかりませんが、患者と医師の関係性をおおざっぱに段階として捉えたときに、第三段階くらいなのかな、と思いました。

医療1.0:患者は俎板の上の鯉状態。
医療2.0:患者中心。
医療3.0:病理中心。

この「病理と患者を分けてとらえる」という考え方は、ブリーフセラピー(短期療法)に触れる中で学んだことです。ブリーフセラピーは、課題行動を起こしている人を患者としてとらえ、その人に介入していくのではなく、課題行動そのものを解決するために、その行動が発生する環境そのものに介入していく、という臨床心理の手法です。大変興味深い内容なのですが、この説明だけでかなり長くなるので、また別の機会にします。

ポイントは、患者という個人を病理と同一視し、そこに対して介入者として医療従事者が向き合うという、上記2.0の構造ではなく、患者と病理を切り離し、医療従事者と患者の別の関係性をうみだせそうだというところです。
3.0では、解決すべき病理が中心にあり、介入するチームの一員として、患者がいます。患者は、体感として病理を理解している介入チームのひとりなのです。

こうした考え方が、医療領域の中で当たり前なのか、医療従事者にどう受け止められるのかわかりませんが、患者の立場である僕としては、居心地の良さそうなものを感じます。

この実現のためには、自分の状況をきちんと理解することが大切です。データの見える化、解釈のサポート、解剖の理解の支援など。知識の流通、理解の支援など、医療以外の様々なテクノロジーが価値を提供できる場面がたくさんあると思います。

医療領域は参入障壁が高いと言われています。事実として、高い壁は確かにあります。しかし、コミュニケーションの現場としては、医療機器としてではなく、雑品として流通可能な市場があります。

そうした可能性を、先端テクノロジーを持つ身軽なベンチャーこそ、開拓していける動きを生み出せたらと思います。

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