ムスリム観光が深めるタイバーシティへの理解
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
GW初日となった今日、空港や電車の混雑がはじまっているようです。都内の繁華街に出ると、来日客と見られる人々を多く目にします。本格的なインバウンドの回復もはじまってきているようです。コロナ前は中国系の方々を一番多く見かけましたが、最近はインド系やタイ系、マレーシア系など東南アジアから来られる方々のほうが多いように感じます。実際、2013年に東南アジア諸国からの観光ビザ発給要件が緩和され、マレーシアとインドネシアの訪日客に占める割合は、22年に計5.1%と1.7倍に急伸したとのことです。
インドネシアと言えば東南アジア最大の人口、世界でも4位となる約2億7000万人を要する国。そして、国民の9割がイスラム教徒(ムスリム)です。布(ヒジャブ)で髪を隠している女性を見たこともあるかと思います。日本でのイスラム教徒は700人に1人と言われ、なかなか実際に触れ合う機会がないかもしれません。しかし、世界的に見ればキリスト教徒にせまる勢いで増えており、約20億人いると言われています。インバウンドを考える際には無視できない、大きなボリュームとなってきています。
ムスリムと言えば「ハラル」対応の食事が有名かもしれません。豚肉やアルコールを禁忌するなど、独自の習慣をもっています。身近にいないと想像がしづらい面がありますが、近年では礼拝など食事以外でもできる範囲で配慮する「ムスリムフレンドリー」の考えが徐々に浸透してきています。
イスラム教だけでなく、インドに教徒の多いヒンドゥー教やジャイナ教では菜食主義を推奨しており、国民の約4割がベジタリアンです。ただ、インドの場合は結構グラデーションがあり、ピュアなベジタリアンは少ないです。乳製品はOKというラクト・ベジタリアンが多い印象ですし、魚もOKという方も少なくないです。
私は海外からの出張者を迎えることが多い機会が多いのですが、毎回必ず食事については確認を怠りません。手元には近くでベジタリアンでも楽しめるお店リストも用意しています。多種多様な文化に触れることで、本当の意味でのダイバーシティ&インクルージョンを意識するきっかけにもなっています。
実際のところ、私自身がベジタリアンでもムスリムでもないため、知識としては理解していても腹落ちしているかというと微妙なところです。しかし、違うものを素直に理解し、その人のためにとって最善なことはなにかを考えることはできます。最近は「理解できないから嫌い」ともとれる言説に触れることも多く心を痛めていますが、違いをそのまま受け止めることは今後の日本社会にとってより重要なことだと考えています。
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タイトル画像提供:metamorworks / PIXTA(ピクスタ)
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