雇用は強くないが、消費は悪くない
労働力調査は、中身を見るとあまりポジティブではありませんね。就業者数は季節調整値で2か月連続で減少してるのに失業率が上がっていないのは、非労働力人口が2か月連続で増えてるからです。更に付け加えれば、非自発的な離職者は2か月連続で増加してます。さすがにこれまで大きく改善してきたこともあり、雇用環境の改善は一服感が出てきたかもしれません。今後の注目は、これまでの雇用環境の改善が物価や賃金に波及するかでしょう。
一方、家計調査の消費支出は、あくまで二人以上世帯の世帯当たりの消費額を見たものであることには注意が必要です。つまり、世帯人員は右肩下がりのトレンドがある一方で世帯数は増えてますから、家計調査の消費支出はマクロの消費に比べて下方トレンドがあります。このため前年比横ばいであれば、10月の実質消費はそれなりに検討したという見方もできるでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24130110R01C17A2MM0000/