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女性役員の外注から社内育成へのストーリーを如何に構築するか?

増える社外取締役の女性比率

日本企業の女性活躍推進の課題というと、従業員数は増えたものの、組織内の重要なポジションに就く女性の割合が低いことだ。多くの女性従業員にとって、社内でのポジションを上げ、自己実現の場として適切な環境整備ができている企業は少ない。

そのような中、諸外国にも引けを取らないのが社外取締役の女性比率だ。日本経済新聞の記事によると33.2%となり、約3人に1人は女性となっている。取締役への女性の就任は、特に上場企業にとっては重要なイシューだ。経営にダイバーシティの観点を入れることは、社会的責任を果たすうえでも重要であり、投資家からも厳しくみられるところだ。
一方で、記事でも指摘されているように、社外取締役として適切な素養を持った女性は絶対数がまだ多くはなく、同じ人に依頼が集中しやすいという問題がある。

社内から役員へと至るルートを如何に作るか

現状では、即効性のある方法として経営の意思決定の女性の意見を入れるために社外取締役に頼るというのは仕方がないところはあるだろう。従業員から役員に成長させるには人材育成の時間がかかる。加えて、これまで男性ばかりだったルートを整備し、女性の育成を後押しするのは簡単ではない。

とはいえ、女性の社外取締役で急場をしのぐ状態は長くは続けられないだろう。加えて、今後も社外取締役として女性に依頼するケースは増え続けると思われる。多様性への配慮だけではなく、多様な働き方とビジネスのグローバル化が進む中で、経営の意思決定に男性以外の視点を入れることが求められる企業は増えるためだ。

そうなると、現在、社外取締役として女性に依頼をしている企業は、次のステップとして社内から女性の管理職を増やし、取締役までの人材育成のルートを整備することが求められる。
そこで重要な存在となるのが、社内でのスポンサーシップだ。見込みのある女性社員を引き上げ、スポンサーとして後ろ盾となる経営層の存在は大きなものとなる。なぜスポンサーの存在が重要かというと、もともと男性が重要なポジションを占める組織は、多数派である男性が働きやすいように最適化されている。そのため、マイノリティの属性を持つ人が社内でキャリアを築こうとすると、マジョリティである男性と比べると難易度も高く、より多くの労力を求められたり、無自覚な偏見による被害にあったりもする。
このような組織内のマイノリティが構造的に抱えることとなるハンディキャップを埋めるために、マイナスをゼロにする組織的な支援が必要になる。そのなかで重要な役割を果たすのが、経営層が後ろ盾となるスポンサーシップだ。

社外取締役として女性の比率が増えていることは、これまで女性活躍において課題の多い日本企業にとっては良いことだ。この流れを後押しして、女性役員が自然と出てくるように人材育成のストーリー構築が進むことが期待される。

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