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「自分の価値」に迷ったフリーランスが読むべき記事。

これから起業しようとしている人に、これだけは言っておきたい。

「何をどこでいくらで売るか」を考える前に、まずその仕事で「誰をどう幸せにしたいのか」を先に考えるべきだよと。

ビジネスの目的は「売ること」じゃない。それを買ってくれる人の人生に"良い未来”を届けること。それを目的にするからこそ、世の中の人にとって必要な存在であり 必要な価値そのものになるのだ。

フリーランスは、仕事で「誰を幸せにしたいのか」を先に考えるべきだ。


「売れるフリーランス」にあって、「売れないフリーランス」にないもの。

フリーランスとは 文字通りどこにも属さずにフリーで仕事をして収入を得ているビジネスパーソンのことだ。
会社員とは違い、会社から仕事が回ってくるわけではなく 労働時間や働く場所の制限もない。もちろん会社から給与をもらえることもない代わりに就業時間の縛りも通勤の満員電車もない。まさに「フリー」の環境で自分のビジネスを展開していく人のこと。それをフリーランスという。

フリーランスは「自由」である代わりに 安定感は人それぞれだ。保証がない分稼げる金額が大きくなる人もいるが、逆に保証がない分稼ぎも不安定になる人もいる。

その違いは何なのか。私はこの3年余り、数多くのフリーランスと積極的に接し話をしてきて、最近になってひとつの傾向に気が付いた。

それは「価値があるかないか」そしてそれを「ビジネスとして打ち出しているかどうか」によってフリーランスの収入の多さが比例傾向にあるということだ。
つまり、価値があるフリーランスは稼げている。価値が少ない(または低い)フリーランスは、他社(競合企業)や他者(競合フリーランス)に埋もれて受注をとれないというように、その両者の差はとてつもなく大きいと言える事実そのものだ。

今、受注をしっかり取ってビジネスが安定しているフリーランスは「自分の価値」に気付いているだろうか。今 思うように稼げず、ビジネス自体が苦しい状況になっているフリーランスは「自分の価値」を正しく見出し、世の中に伝えているだろうか。

企業と比べて事業経費をふんだんに使えないフリーランスビジネスにとって「自分の価値」を明確に理解し、言葉にし、意図的にそれを活用していくことは重要で不可欠なフリーランスビジネス戦略だ。

今日はその「自分の価値」という部分にフォーカスして書いていこうと思う。



「あなたの価値」とは何か。

私が言う「価値」とは「必要とされている数」だ。まさに数(かず)の論理。それを欲しいと思っている、またはそれが必要だと思うであろう人の数だ。

そしてフリーランスの「あなたの価値」とは、あなた自身やあなたの提供するサービス・商品を「必要だ」と思う人の数ということになる。いくら優秀な人であっても、過去に素晴らしい実績を残した人であっても、画期的な商品やサービスを開発する能力があっても、結局のところ「それをお金を支払ってでも手に入れたい」と思う人がいなければそれは結果的に「価値がない」と言わざるを得ない。

「商い」とは昔から等価交換だ。自分ができない何かをしてくれた代わりに、自分ができることをお返しする。そこにお金を介しても根本は同じ。自分にとって必要のないものを誰も欲しいとは思わないし、必要のないものを誰かにお願いしようとも思わない。

つまり「価値」とは、誰かにとってお金を支払ってでも手に入れたい未来なのだ。例えば 英会話を教える講師であるなら、優れた教え方や教材に生徒はお金を支払っているのではない。何ヶ月か先の「英語を話せるようになった自分」という未来にこそ「価値」を感じて対価を支払うのだ。

フリーランスにとって、顧客が感じる「価値」があるかどうかはとても重要だ。その「価値」の大きさによって、そのビジネスが成功するかどうかがかかっている。

同じことを何度でも問うが、「あなたのビジネスには価値があるか?」
もしそこが不安であるなら今からでも遅くはない。まずは自分の「価値づくり」に着手しようじゃないか。

あなたのビジネスは誰を幸せにできるのか。

私が自分のビジネスを組み立てるときに、私は「このビジネスで誰をどのように幸せにできるのか」ということをまず考えるようにしている。

そういう私も何年か前までは「さあ、このビジネスをどう売っていくか」というスタンスで事業をスタートアップさせていたのだが、どうもしっくりきていなくて、そのフラストレーションの要因を何年も考えていた。

そこであるときに気が付いた。
目的が売ることになっているからいけないんだ」と。


もちろんビジネスだから「売る」というプランは重要だし、どこにどう売っていくかという戦略も実行力も大事だ。「売る」という行為も「売り切る」という心構えも大切に思っていいだろう。

しかしどう考えてもビジネスの「目的」は「売ること」ではない。目的を売ることにしてしまうと「売れれば全てよし」となって売る側の自己増殖が始まってしまう。「売ること」は売る側(私たち)の行動だ。しかし商いには等価交換の精神が必要なんだ。売ることだけを考えたビジネスではなく、自分の価値にお金を支払っていただくというスタンスこそが重要なのだと気付いたんだ。

そこで私は「この事業は誰をどのように幸せにできるのか」という思考をまず最初に考えるようになった。老若男女誰をも幸せにできるのならそれでもいいが、具体的に「どんな悩みを持っている人」なのか、「どんなことに不便を感じている人か」「どんな未来を怖がっている人なのか」「どんな幸せ感を願っている人なのか」「どんな素敵な未来を必要としている人なのか」などという視点から自分のサービス・商品を組み立てていくようになった。

お金というものがなかった時代、高いところの電球を変えることができない高齢女性に変わって電球を変えてくれた若者に、その女性は自分で編んだ手袋をお礼に渡した。女性も男性も「ありがとう」と互いに言い、そして互いの「価値」に感謝した。

ビジネスの本質とは、商いの本質とはそこからきている。
インターネットの時代になった現代でも考え方は同じだ。あなたのビジネスが誰を幸せにできるのか。誰の困りごとを解決できるのか。
そう考え始めたビジネスには「ありがとう」「あなたがいてくれてよかった」という気持ちが溢れ、それそのものがあなた自身の価値になっていくのだと私は思う。



ビジネスにも「いただきます」の精神を。

日本人は昔から食事をする前に手を合わせて「いただきます」と言う。ほとんどの方はご存知だと思うが、これは単に「食事をいただく」ということだけではなく、食す命に手を合わせて命の尊さと感謝をお祈りするという儀式的な意味がある。

私はビジネスにも「いただきます」という精神が必要だと思う。

お金は顧客から 取れるだけ取る のではなく必要なだけ「いただく」。顧客にとっても貴重なお金を自身のビジネスに使っていただくわけだから、その決断の尊さと責任を感じながら感謝する気持ちが必要だ。

その精神があれば「いただく」ことが 目的にはならない。逆にそれがないと「取れるだけ取る」ことが目的になってしまう。そうなると「利益の目的は利益」となり、それはもうビジネスではなくなる。

商いというのは価値の等価交換だ。顧客がお金という価値を支払う代わりに、あなたも顧客に「価値」を提供して、お互いが「ありがとう」と思えるようにビジネスをつくりあげる必要があるのだ。


なぜ自分は買ったのかを棚卸ししてみる。

あなたはネットから何かサービスを購入したことがあるだろうか。
モノ(物販)ではなくコト(サービス)だ。例えば、ココナラでアイコンを作ってもらったとか、ストアカで何かを受講したとか、どこかのウェビナーに申し込んだとか。

無い方は想像して欲しい。申し込んだことがある方はその時の自分の感情を思い出してほしい。

それに申し込んで「何を期待したのか」。そこにフリーランスビジネスの大きなヒントがある。無料だったからとか安かったからとか、そういう理由を聞いているのではない。「何を期待したのか」というその時の感情を思い出してほしい。

そこにフリーランスビジネスのヒントがあるのだ。

人は誰かに何かを依頼することによって、自分のちょっと先の未来をイメージする。それを学んだら自分にいい未来が来そうな気がするから申し込むのだ。

まさにその「いい未来が来そうな予感」があなたの価値だ。価値とは、顧客があなたを介して想像する「自分自身の未来像」だ。自分の未来がイメージできるからこそ、あなたのサービスに価値を感じる。

私はいつも「自分が何かに申し込む」時の感情を棚卸しするようにしている。そうすることで買い手の感情に近いところで思考が整理され、それが「売ること中心の思考」から脱却できる方法だと知っているからだ。


改めて 世の中のフリーランスに問いたい。
「あなたの価値は何ですか」と。




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