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一気通貫に定性分析と定量分析を行った結果を約8000字で完全解説します

過去に困り事があったとしても、それが解決されてしまうと、その困り事があったこと自体の記憶を上書きして忘れてしまうことがあるという。
「不便や不安にはさまざまなヒントが隠されている。現状に至ったプロセスを解きほぐすように質問をしていくと、新しいものが見えてくることもある。生きてきた歴史が長いので、その時々の社会の変化によって気持ちも変わり続けている」(梅津氏)
ハルメクの特集企画や商品開発の原動力として、なくてはならない存在となった生きかた上手研究所。さまざまなヒット企画やヒット商品を生み出し、定性調査に関する社内の興味はますます高まってきているという。

「分析上手」と呼ばれるために

ビジネスの世界において「データ分析」は必須科目となりました。少なくとも、全く無縁なビジネスパーソンはいないはず。

一方で、誰しもが「分析上手」とは言えません。「知ってる」「だから?」と言われた(言った)経験は、私含めて大半の人にあるでしょう。

ちなみに「知ってる」「だから?」と言った経験そのものが、分析者と上手くコミュニケーションできていない証左だと私は思いますよ…?

どうすれば「気付かなかった」「そうだったのか!」と言わしめる分析結果を提出できるでしょうか。

様々なアプローチが考えられるますが、1つに「定量で完結しない」ことが挙げられます。特にデジタルマーケティングは、様々な定量分析プラットフォーム(例えばGAとかADEBiSとか)が揃っていますから「数字だけで十分だ」と感じてしまいがちです。

ただし、数字は「なぜ?」を教えてくれません。熟練者かエスパーでもない限り、数字は数字にしか見えません。東北のある地域でお歳暮に季節外れのスイカが贈られていることをデータで把握できても、なぜスイカなのかは分かりません。そもそも、それは数字の役割ではありません。

「なぜ?」を突き止めるのは言葉であり、定性調査・分析です。具体的には現地調査や行動観察、デプスインタビューが思い浮かびます。そうした質問や傾聴から分析を行い、お歳暮に季節外れのスイカを送るのは「旬では無い時期に偶然獲れた美味しいスイカを贈るほど貴方を大切にしています、という意味がある」と発見できます。

すなわち、課題を解決する鋭い仮説を発見し、仮説を検証して課題を解決に導く。前者は定性分析、後者は定量分析の役割だと考えます。その意味においては、分析上手になるためには「仮説発見の時間をきちんと担保する」ことが重要でしょうか。

ちなみに、冒頭紹介したハルメクに転職された梅津さんが刊行された「心理マーケティングの基本」では、数値化できる情報を収集するのが「定量」で、数値化できない類の情報を収集するのが「定性」と表現しています。

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文中「図1-9 定性調査と定量調査の特徴」から引用

そりゃ、そうです。数字だけから課題を解決する仮説を発見し、構築するのは難しい。したがって課題を解決するための「データ分析」には、定性分析も定量分析も欠かせません。(マーケティングだけに限らず様々なビジネス全般に言える話かも)

一方で、両方で専門的な知識が求められるために、定量分析のスペシャリスト、定性分析のスペシャリストはそれぞれいても、双方の造詣が深い専門家は数えるほどしかいない…ような気がしています。それが結果的に「データ分析の分断」を生んでいる、と私は考えています。

でも、定性分析と定量分析、その両方を実施する「データ分析」ってどんなことができるの? と大勢の方が悩まれていると聞きました。当たり前ですが、見たことが無いものは想像もできません。

そこで! 以前にセルフ型アンケートツール「freeasy」さんと共同で行った定性・定量分析の結果を、note上でも公開したいと思います。これだけが正解とは限りませんが「そういうパターンもあるのか!」という気付きになれば幸いです。

最後に、第2回定性・定量分析ウェビナーのお知らせを掲載しています。


定性調査は「消費者」に目を向ける

定性分析は、消費者に言葉を投げ掛け、あるいは声に耳を傾けた結果を対象に分析します。したがって、どんな言葉を投げ掛けるか、どんな声に着目するかが極めて重要です。

大半の場合、私たちメーカーは提供している商品・サービスの評価を聞こうとします。いや、間違ってはいないのですが(そのために調査・分析にコストをかけますし)、対象が「人であること」を忘れてはいけません。

人間は「困り事があったこと自体の記憶を上書きして忘れてしまう」ような都合の良い頭脳の持ち主です。思いつきで行動し、脊髄反射で物を買う。そんな対象に「なぜ、それを買ったのですか?」と評価を求めても、本音には辿り着けません。

人間は、自分の見えている範囲を言語化できます。見えていない範囲は見えていないので言語化できません。それなのに「どうしてですか?」「なぜですか?」と聞くから、相手はやむなく「◎◎ですかねぇ」と言語化するのです。答えられないものは、無理に言葉にしなくても良いのに。

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したがって、私の考える定性分析は、商品・サービスの評価に焦点を当てる前に、商品・サービスを評価している"人"に焦点を当てます。"人"が分からなければ、商品・サービスに対して「なぜそのような評価を下したのか」が分からないからです。

具体的な例を紹介します。

自主調査の一環として「タクシーを使わない人は、何があればタクシーを使ってくれるか?」について、マーケティングリサーチ「KAIZODE」で調査・分析をしたことがあります。

いろんな理由が出てきました。車内がタバコ臭くて嫌な思いをした、運転が荒くてとても怖かった、近場を告げたら舌打ちされて無視された…さまざまなリアルな具体例を発見できました。

これらの事実を帰納法として抽象化すると、大半の人が「タクシーに乗って嫌な経験をした」とまとめるでしょう。

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では、「タクシーに乗って嫌な経験をした」から、タクシーを使わないのでしょうか。そうなんだけど、そうじゃない感じがしますよね。それはタクシーに対する評価であって、そこに利用者の顔が見えません。単に事象を「まとめた」だけです。まだ、「なぜ?」を深堀りできていない気がする。

ましてや、それが課題(何があればタクシーを使ってくれるか?)を解決する仮説だったとして、何をどのように改善すれば良いのでしょうか。「嫌な想いをさせないようにしましょう」とでも言えば良いのでしょうか。

改めてKAIZODEで調査をしていると、たったN1ですが「あるタクシーの運転手は、私が女性だと分かった途端に態度を変えた」「女性だと分かると、露骨に見下す運転手がいる」と発言している人を見つけました。

私も、実家の大阪に帰ると、タクシー運転手の愛想の悪さ(「運んでやっている」感)に驚くことがあります。サービス業ではなく輸送業だと思っている運転手がまだまだいるのです。

だとすると、アブダクション的に考えれば「人も物も一緒だと言わんばかりにサービスを提供しない運転手は嫌」という消費者がいたとして(仮説)、自分の仕事はサービス業ではなく輸送業だと思っている運転手に遭遇すると(前提)、絶対に嫌な経験に遭う(結論)だろうなと想像できます

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つまり、あくまで仮説ですが「人も物も一緒だとサービスを提供しない運転手は嫌」だからタクシーを使わないのです。この心理は「タクシーに乗って嫌な経験をした」よりも人に焦点が当たっていると考えますが、いかがでしょうか。後者は経験ですが、前者は心理を表しています。

おそらく、定性分析で1番苦戦するのが「人も物も…」という仮説を生み出すことでしょう。この前提と結論から、なぜそんな仮説を思い浮かべられるの?という方もいらっしゃれば、下らない仮説だ!という方もいらっしゃるでしょう。ここばかりは経験の積み重ねです。私も、まだまだ言語化にいたりません。なぜそんな…という方は、私にお仕事をください。笑

もちろん、ビジネスの現場で100%これしか無いという唯一無二な正解なんて無いでしょうから、あくまで理由の1つに過ぎません。定性分析では10個〜20個は仮説を生み出すと良いと考えます。

というわけで、KAIZODEを使って実際に実施した定性分析を紹介します。


実際にやってみる(定性分析編①)

分析の対象は、私が最近愛用しているニベアとしました。加齢のせいか、首筋とコメカミの肌荒れが酷いので、保湿と乾燥防止を目的に、いわゆる青缶やボディソープを使っています。特に青缶は、プチプラながら抜群の保湿力で「愛用」していると言っても過言ではありません。

では、他の消費者には、どのような愛好理由があるのでしょうか…? どのような価値観で、消費者から支持されているのでしょうか…? その発見を「課題」としましょう。

そこで、マーケティングリサーチ「KAIZODE」で定性調査・分析を行いました。22年5月1日〜31日の間に「ニベア クリーム」「NIVEA クリーム」で検索したところ、539件の投稿を発見しました。

私が定性調査を行う場合、次のようなフローで「気付き」を炙り出します。(ちなみに、これはソーシャルリスニングに限りません)

①テキストを読み込み、面白い表現を太文字にしたり、手元のメモに書き残したりして、「消費者が何に価値・不満・未充足を感じているか」を明らかにする。
②「価値・不満・未充足」のグルーピングを試みる。似たような投稿同士をまとめて、帰納法を用いて抽象化を行う。
③前提を見つけ出し、アブダクションを用いて仮説を発見する。

先ほどのタクシーの事例もそうでしたが、具体例→事実の抽出→抽象化(帰納法)→仮説の発見(アブダクション)を行ったり来たりします。

「ニベア」の場合ですが、テキストを読み込むと、不満らしい不満は殆ど現れず、機能的価値、情緒的価値、社会的価値に言及した投稿ばかりに出会いました。すなわち「愛好理由」ばかりで、これはこれで想定外でした。多くの消費者が「ニベア」を愛しているんだと伝わってきました。

例えば、「最終的にニベアしか勝たん」「ニベアの青缶に落ち着いた」と言及していた消費者がいました。なるほど、気持ちはめっちゃ分かります。これらを帰納法として抽象化すると「最終的にはニベアにたどり着く」とまとめられると考えます。

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プチプラもデパコスも、いろんな保湿クリームを試したけど、なんだかんだ最終的にはニベアになる。そんな存在なのではないでしょうか。

しかし、これでは「商品・サービスに対する評価の抽象化」に過ぎません。より「人間」に着目した仮説に仕上げたいものです。

似たような投稿を探していると、「手荒れ治療のために色んなハンドクリームをプレゼントするけれど、結局ニベアに帰ってくる」と発言している消費者を発見しました。

なるほど、ニベアが宿り木のような「よりどころ」になっている消費者もいるようです。だとすると、「やっぱり最後はニベア」という価値観を持つ消費者からすると、何を試したとしても最終的にはニベアに辿り着いてしまうのではないでしょうか。

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こんな感じで、消費者のベースとなるであろう「価値観」の仮説を作っていきます。


無意識層は普遍的(定性分析編②)

精神科医・心理学者のユングは「集合的無意識」を提唱し、「個人のコンプレックスより更に深い無意識の領域に、個人を越えた、集団や民族、人類の心に普遍的に存在すると考えられる先天的な元型(アーキタイプ)」があると言及しました。

つまり、人類もいろいろいるけど、個人的体験談(見えている範囲)の下側にある人それぞれの無意識(見えていない範囲)の更にその下に、人類が共通して持っている生来的な無意識があると主張しています。以下6つです。

①グレート・マザー(無意識内にある母性。子を慈しんで育む肯定的な母性と、子供を束縛し飲み込んで破滅させてしまう否定的な母性が混在)
②オールド・ワイズ・マン(老賢人:無意識内にある父性。悟りを開き、理性的で、あらゆる知識を持ち、永遠の生命を持った仙人のような存在)
③アニマ(Anima:男性が無意識の中に持っている女性的要素)
④アニムス(Animus:女性が無意識内に持っている男性的要素)
⑤シャドウ(Shadow:隠された自分。表面にでない自分の長所と、受け入れたくないコンプレックスが混在)
⑥ペルソナ(Persona:表向きの自分。社会的役割や両親の期待に応えるために、自らが作り上げた仮面をかぶった人格要素)

このアーキタイプを歴史上もっとも上手く活用した職業が2種類あります。1つ目は「占い師」、2つ目は「マーケター」です。

良いか悪いかは別にして、著名な占い師が言っていることはユングの「集合的無意識」をベースに、誰にでも当てはまることを強弱付けて言っているに過ぎないと私は考えます。

それはマーケティングも同様です。優れたプロダクト、プロモーションはユングの6種類あるアーキタイプの何れかが根底にあると私は考えます。

定性調査、とくに消費者のインサイトを分析するにあたって、根底の知識として求められるのは「集合的無意識」である6種類のアーキタイプです。ちなみに、デコムでもっともインサイト分析が得意だったOさんは、同時に占いも得意でした。

言い方を変えると、人間の無意識を投影した心理状態をフレームワークで表現することは可能です。Oさんは、以下のように考えていたそうな。縦軸が「心の温度」、横軸が「心の状態」を意味します。

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このフレームワークに準拠して、「やっぱりニベア」を配置するとしたら「平静」「開放」になるでしょう。

定性分析は、ミクロを積み上げて全体を俯瞰しようとする試みです。しかしミクロはどれだけ積み上げてもマクロにはなりません。絶対に何かが欠落するのです。したがって、こうした「全体を俯瞰したフレームワーク」を用意し、当てはめることで発生する欠落を未然に防ぎます。

つまり、仮説を作るにも四象限埋めなければならない、ということです。どーしても作れない場合は仕方がありませんが。

「ニベア」定性分析編①で紹介したような手法を用いて、愛好理由となる価値観の仮説を12個作ってみました。「ニベア」というブランドが、様々な理由で愛され、かつ包含している(何かに偏っていない)と分かります。

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繰り返しますが、これは手元のデータをミクロに確認し積み上げたにすぎません。マクロ的では無い点に留意してください。とは言え、4象限それぞれ良い感じに作れました。

ただし、ここまでは「仮説構築」に過ぎません。良悪も優劣も付けていません。それは数字ですることだからです。冒頭説明したように、課題を解決する鋭い仮説を発見し、仮説を検証して課題を解決に導く。前者は定性分析、後者は定量分析の役割です。

これまで定性分析を通じて仮説を構築してきました。ここから先は定量分析を通じて仮説を検証していきます。


良悪・優劣をつける(定量分析編)

定量調査はセルフ型アンケートツール「freeasy」を使って行いました。私も使っているのですが、自分で調査票が作れる人であれば、最短1日で結果が得られ、かつ最小コストしか要しないので、実査工数を大幅に(肌感では約80%ほど)短縮できます。

今回の定量分析ににおいて、調査設計にはリサーチャーの菅原大介さんに万全のサポートをいただきました。

調査は6月16日、全国に住む15歳以上49歳以下の男女を対象に行い、スクリーニング調査を通じてニベア購入経験がある597名に対して本調査を実施、回答を得ました。(年代・性別を均等割付しています)

まず、ニベアをいつ頃から使用しているかを把握します。「あなたはニベアの商品をいつ頃から使用していますか。下記の中から最も近いと思うものを一つお選びください。※この質問は、自身での購入経験や購入品目は問わず、全体としての使用体験をお答えください。」と聞いたところ、以下のような結果となりました。

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10年超消費者が15%弱、5年超消費者が25%弱。かなりのロイヤリティを持った消費者に支えられているのだと分かります。一方で、597名の中には直近使い始めた消費者も多数含まれていました。

では、そうした消費者に対して12個の仮説を投げかけてみましょう。

「「やっぱりニベア」最終的な居場所」という表現が「ニベアのイメージにどの程度あてはまるか、あなたの感覚に近いものをそれぞれ一つずつお選びください。」と聞いたところ、以下のような結果となりました。

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「かなりあてはまる」が12%、「ややあてはまる」が40%とTOP2で52%でした。「どちらともいえない」が33%、「あまりあてはまらない」が8%、「全くあてはまらない」が7%とBOTTOM2で15%でした。

では、先ほどの12個の仮説も同じように聞いてみます。TOP2は以下のような結果となりました。

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もっとも「あてはまる」が多かったのが「ユニセックスに愛される普遍的存在」で59%でした。逆に、もっとも少なかったのが「"自己肯定感"爆上げルーティン」で26%でした。その差は2倍以上もあります。

さて、この結果を先ほどの4象限のフレームワークに反映してみると、なかなか面白い結果となりました。

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「開放」「平静/平常」のTOP2値が高く、反対に位置する「律」「高揚/変化」のTOP2値が低かったのです。A〜DまでTOP2平均値がそれぞれ51%、46%、32%、40%と、如実に傾向が違いました。

このことから、ニベアって「開放」「平静/平常」な価値観が相対的に見て支持されているとは言えそう…と分かります。

ノルム値を60%と考えたら、Aも完全な支持とは言い切れないですが…!

数字を入れることで、方眼的だった仮説に重み付けが加わり、何が重要で、何が重要では無いかが分かるようになりました。


定性→定量に踏み込んだ分析に慣れる

今回は、愛好者が多いニベアをテーマに「どのような価値観が消費者から支持されているか?」という課題に対して、定性分析を通じて仮説を発見し、定量分析を通じて仮説を検証しました。

けっこう時間がかかっているように見えるかもしれませんが、KAIZODEとfreeasyを使えば1週間程度で可能です。それを「長っ!」と感じるか、「短っ!」と感じるかは人それぞれかもしれませんが、私は「短っ!」派です。

定性分析を通じて発見した仮説は、定量的に評価されることで良悪・優劣が明確になります。定量分析を行うべき仮説は、定性的に分析されることで洗練した価値・不満・未充足が明瞭になります。

ビジネスにおける課題を解決するためには、定性と定量は切り離せない関係にあると考えます。一方で「面倒だ」「両方に精通していない」「時間がかかる」「定性分析の内容に納得できない」等の様々な理由で、主に定量が重視されているのが昨今の状況かと考えます。

しかし、このnoteを読んで頂いて「あ、こんな感じで良いんだ」「これでも十分に分かりたいことが分かる」と掴めると私は思っています。

もちろん、定性調査・分析にも様々な手法があります。面倒だし、時間がかかる内容はあります。しかし、それを言ってしまえば森岡青本(確率思考の戦略論)のように、面倒だし時間のかかる手法は定量調査・分析にもあります。それは手法に依存する話で、定性調査自体の話ではありません。

定性分析は誤解されています。

商品・サービスの評価に終始した分析は、あんまり面白くありません。商品・サービスを使う(利用する)人の分析こそが面白い。こちらこそが定性分析の真の顔です。

定性分析は、調査・インタビューの技術に精通するのはもちろん、行動経済学、心理学に精通しなければなりません。その先には「仏教」が待ち構えています。先日、私の尊敬するマーケターが般若心経を読んでいると知って、「やっぱり」「ですよねぇ」と感じました。


最後に宣伝①

今回のnoteはFreeasyさんとKAIZODEで行った「SNSやオンライン調査で確かなアイデアを生み出す定性定量の仮説思考」の一部を、文字起こししたものです。

第2回が8月23日12時〜で開催されます。短縮無し・ノーカットバージョンをリアルタイムにご覧なりたい方は是非お申し込みください。


最後に宣伝②

今回の定性分析・定量分析で利用したKAIZODEとfreeasyの資料請求フォームのリンクを掲載します。


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松本健太郎
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