1ドル125円台、止まらない円安とスタグフレーションの中、資産を守るには
円安が止まらず、一時期1ドル125円台に。各国が金融引き締めに動いている中で、日本では金融緩和が続いており、利上げの余地がないために、円安が続いています。また、欧米諸国やアジアの多くの国がコロナ正常化を進めているのに対して日本では入国制限が続いています。
円は対米ドルだけではなく、主要通貨の中で非常に下落率が大きく、トルコリラやタイ・バーツ並の下落となっています。
円の預金のままでは、将来の購買力は目減りしていくばかりです。実際に私は7年間シンガポールに住んでおり、収入を円でもシンガポールドルでも受けており、米ドル中心に資産運用をしています。日本に住んでいる人も米ドルやシンガポールドルなど強い通貨に替えて、株やREITなどでリスクを取って運用をしていくことが考えられます。
また、輸入物価の急騰からの悪いインフレと不況のスタグフレーションが進んでいます。
日本では輸入コストが上がる(コストプッシュインフレ)という悪い形でのインフレになっています。米国やシンガポールではディマンドプルで需要と成長があるインフレなので状況はかなり違います。
日銀によると、2021年12月の企業物価指数は前年同月比で8.5%上昇し、円ベースの輸入物価指数は11月、12月とも40%以上の伸び率になっています。
これの数字は、ウクライナ危機以前の統計のために、インフレおよび円安が更に進んだ現状はよりひどい状態になりそうです。
このような状況の中、米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を市場の予測通り、0.25%を1回として今回を含めて22年中に7回の利上げの想定を示しました。
これに対して、日銀は国債を無制限に一定期間買い続ける「連続指し値オペ」の実施を通知し、日米の金利差拡大から円売り・ドル買いの動きが加速しています。
投資家はウクライナ情勢など非常にナーバスになっており、しばらくはボラティリティが高い相場が続きそうです。
ボラティリティが高い相場でおすすめな手法がドルコスト平均法で投資信託の積立をすることです。毎月決まった日に機械的に買付をしてくれるために、下落相場でも安い時に購入をしてくれるからです。まずは、世界株式インデックスなどがおすすめです。
長期投資を心得て、しばらくは資産残高の時価額がマイナスになることも出てくるかもしれません。しかし、20年など長期で正しい投資をすれば高い確率で経済成長の分だけのリターンを得ることができます。