人生を輝かせ人を強くするパーパスの力:人はだれでもパーパスをもっている
こんにちは、Funleashの志水です。前回もスキやコメント、個別のメッセージをありがとうございます。
「自分は何のために存在しているのか?」という問いについて考えたことがありますか?今日は「パーパス」について書いてみたいと思います。
*本稿は「#あなたの個人パーパスは」への寄稿となります。
このところ一気に脚光を浴びている「パーパス」という言葉。欧米ではすでにずいぶん前から存在していた概念です。最近、企業の成功事例が紙面で度々とりあげられているせいか、日本でもパーパス経営にシフトしている企業が増えているようです。
そもそも企業のパーパスとはなんでしょうか。パーパスとは、会社が存在する最終的な目標であり、「なぜ」その企業が社会に存在するかという理由そのものです。この共通のパーパスのために「共に働く一人一人」で構成された集まり(組織体)が企業であるともいえます。
たとえば、グーグルの最初のパーパスは「世界中の情報を整理する」、ネットフリックスのパーパスは「世界中を楽しませる」です。
簡潔で力強いパーパスを持ち(掲げているだけではダメ)社会にポジティブな変化をもたらそうとする企業には優秀な人材が集まります。
ある研究によると、自分のパーパスが会社で実現できていると感じる、あるいは、自分の仕事とパーパスをつなげ社会にとって意味がある仕事をしていると感じる人は、幸福感やエンゲージメントが高いそうです。
彼らは変化に強く、失敗しても学びの機会ととらえて前進し続ける。いいかえれば成長意欲が高い人材です。このような優れた人材を惹きつける力を持つパーパス。世界で成功している企業には必ずパーパスがあります。持たない企業よりも、業績(財務のみならずさまざまな意味で)が良い理由はここにあります。
この記事にも同様のことが取り上げられています。一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏の言葉を引用します。
企業のパーパスはなんとなくわかったけど、個人のパーパス」って何だろう?と思う方もいるかもしれません。
書店に並んでいる本やネットで「パーパスはすべての人が持つ必要はない」「パーパスは経営者やリーダーが持つもの」というような論調をときどき見かけることがあります。また、目の前の仕事に真面目に取り組んでいると、そのうちパーパスが見つかると言う人もいます。はっきりいってこれは誤りです。
人はパーパスとともに生まれてきます。存在意義のない人間などこの世にいないはずです。パーパスとはもともと内面に存在するため、気づいていないだけ、あるいは言語化できていないのです。
人間には本来、自分の人生が意義があるものだと考えたいという欲求があります。パーパスへつながるこの欲求も、日々のやるべきことや仕事に追われる毎日を過ごしていると意識が向かなくなります。
では、どうやったら個人のパーパスを見出すことができるのでしょうか?
パーパスの重要性は論じられていますが、どうやって見つけるのかについての情報はすぐに見当たらないかもしれません。当然ながら、その方法はたくさんあります。今日はその中から簡単にできる方法を紹介したいと思います。
その前に個人のパーパスとはなにかを整理します。私が作成した下の図を見てください。1)強い情熱をもって取り組めること、2)自分のユニーク(個性的)な強み、3)周りの人に感謝してもらえて嬉しいこと。この3つの円が重なる部分が個人のパーパスではないかと私は考えています。
個人のパーパスは人生において大きな決断をするときの軸になります。人生と仕事とその両方を充実させるために、「パーパス」を自分の言葉で書き出してみることをお勧めしています。
とはいえ、慣れていないと図を見ただけですぐに書き出すのは難しいと思います。そんなことやったことないといわれる方、今がその時です。
重要なポイントは、「これまでの人生を振り返って深く心に残っていること」を思いうかべ、自分の言葉で「意味づけ」してみること。
1.自分の人生の主要な出来事を書き出して(仕事と私生活)上の三つの円それぞれに記入する。なぜそう感じるのか理由が大切!
2.これまでの人生で出会った人の中で影響を受けた人たちを思い出します。なぜなのか、どこが印象的だったのか書き出す。感情を詳細に!
3.三つの円の重なりを眺めてみて思い浮かんだキーワードを「重なり」に置いてみる。
毎日5分でよいのでこれを2-3週間かけてやってみてください。その後、三つの円に書き出した言葉を他の人にシェアします。この時、できれば日々仕事で関わる職場の人ではなく、学生時代の友人や社外の仲間など普段接点が少ない人から、新鮮な視点で意見をもらってみてください。言語化のヒントを得られるでしょう。
すぐに自分のパーパスが見つからないかもしれませんが続けてみてください。かくいう私も、自分のパーパスを言語化できるようになったのはほんの10年ほど前。ずっと内面にはありましたが確信がもてなかったのです。
私のパーパスは、「何らかの理由で本来の能力を発揮できていない人のパーパス発見に寄り添い、全力で支援すること」(その理由はこれまでのnoteに書いてきたので割愛しますね)
自分のパーパスを言葉にすると身体の中からエネルギーが沸き起こるのを感じました。今でも失敗して凹むことが毎日のようにありますが、何かを恐れたり、不安を感じることがなくなりました。心が折れることもありません。食事や呼吸と同様に私が生きるための源泉なのだと感じています。
余談ですが、これまでのキャリアでおそらく1000人以上の面接を行ってきました。候補者との時間は、スキルや経験よりも「相手のパーパスを探求する」ことに私は重点を置きます。なぜなら、生きていくエネルギーの源泉であるパーパスをもつ人は、困難なことに直面しても立ち向かうことができるのです。
一般的には「会社のパーパス」に共感する、あるいは会社と個人のパーパスが重なる人材を選ぶことが良いとされます。けれども、最初から重なっている必要はない。私はそう考えています。「会社のパーパス」と重なっている人材だけを選ぼうとすると同じタイプの人ばかり集まって多様性に欠けます。これだけ価値観が多様化しているのですから初めは重なってなくても共感があればよし。大切なのは「自分のパーパス」と「会社のパーパス」を重ねられる人なのかどうかです。(まったく逆ならば組織での活躍は難しそうです)
これからの時代は、自分のパーパスを個人が組織で実現するためにどのような支援を行うかを考えることが企業(人事・上司に)に求められます。
組織全体のベクトルと個人のベクトルが少しずれた場合でも、その「力」をポジティブな方向に導くことが重要です。
「パーパス」は目の前の仕事をこなすだけでは見つかりません。かといって偉業を達成する人だけがパーパスを持っているわけでもありません。
自分のパーパスは何か?それを意識して生きることではじめて手に入るものなのです。四六時中パーパスを考えている人はいないと思いますが自分と向き合わないと見出すのは難しい。また一度見つかったからといって固執する必要はありません。自分自身や環境の変化にあわせてパーパスが変わっていくのは自然なことです。焦らずに探求していけばいいと思います。
パーパスを意識している生きている人は、現状を少しでも良い方向に変えよう、自分のパーパスを実現しようと生きているため、多少の犠牲や努力を厭いません。その意識はだんだん「自分」から、外に向けられるようになり、家族、同僚、顧客、社会とより大きな人たちに対して働きかけるようになります。
自分の人生を輝かせ、困難なことがあっても乗り越えられる。そんな大きな力がパーパスにはあります。また、パーパスに忠実に生きている人の周りには応援者が集まってきます。
私たちが生きる時間は限られています。会社や上司、誰かに任せるのではなく、自らパーパスを探求して、実行してみませんか?
私たちの人生の主役は、自分自身なのですから。
最後に、私の大切な仲間がパーパスについて書いた素晴らしいnoteをご紹介します。心に響くと思います。