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【模倣は独創の母】模倣の経営学から考える「良いマネ」について

GWは読書の時間もゆっくりとっている。

もう一度自分の原点に立ち戻ろうと思い、「模倣の経営学」を集中読書中です。

トヨタもセブン‐イレブンもスターバックスも、優れた企業を「真似て、超える」ことで成功した。古今東西、新たなイノベーションは徹底した模倣からこそ生まれている。お手本とする他社の本質を見抜き、自社で生かせる“儲かる仕組み”を抽出する創造的な模倣の方法を、多くの偉大な会社の事例から鮮やかに紹介する。

マーケティングトレースの原点となる本です。

トレース=なぞる、模写するという意味なので、広くは模倣です。

優れたマーケティング戦略を模倣して、たくさんストックして、引き出しを増やすことを目的としています。

模倣の経営学を読んで、改めて内容をまとめましたので、みなさんが戦略や事業アイデアを考える際のヒントにして頂けたら嬉しいです。

模倣の事例について

偉大な企業は、模倣から生まれているケースが多い。

本の中で紹介されている企業を抜粋します。

・トヨタ
アメリカのスーパーマーケットから模倣

・セブンイレブン
米サウスランドのノウハウを模倣

・ドトール
フランスの立ち飲みスタイルカフェ、ドイツの挽きたてコーヒーからの模倣

・スターバックス
イタリアのエスプレッソカフェからの模倣

・ヤマト運輸
吉野家、UPS、ジャルパックからの模倣

イノベーションと言われるビジネスモデルも、全てが0からの完全オリジナルで生まれたわけではなく、模倣から生まれているのです。

良い模倣とは何か?

もちろん、全てマネすればイノベーションが生まれるわけではありません。何でもかんでも真似れば良いのかというと、当然それは違います。

本書の中で紹介されている「良い模倣」を自分なりの言葉で整理すると下記3つを抑えるべしと解釈しています。

先ほどにツイートしたのでそのまま引用。

良い模倣をするためには、仕組みや原理を理解することが大前提として重要なわけです。

表面的な模倣からイノベーションは当然生まれない。

模倣する前に確認したい「目的」

模倣を仕事の中で活かすためにやりたいこと。

模倣する前には、下記の問いを自分自身に投げかけるようにしたい。

「目的は何で、誰の、何を模倣するのか?」


・模倣する目的がイノベーションを生むことなのか?
・現状の改善をしたいのか?

など、模倣する目的によって模倣する対象が異なってくる。

模倣の対象を間違えてしまうと、どれだけ盗んでも自分自身の進化には活用できないから要注意。

では、どうやって対象を選ぶのか?

模倣する対象と複眼思考について

大きく分けるとこの2つが模倣の

①模範教師のモデル
②反面教師のモデル

模範となる対象と、反面教師となる対象の2つを用意して、複眼的に模倣することが推奨されています。
※本書の中では「複眼モデリング」という表現がされています。

4象限マトリックスで模倣とする対象を選ぶヒントを整理すると下記の通りとなります。

社外・社内の軸を加えて、どこから何を学ぶかを目的に合わせて選択が重要とのこと。

※これはマーケティングトレースの選定企業を選ぶ上でのヒントにもなりそうなので活用させていただきます!

模倣することの意味について

最後の模倣の意味を再整理します。

模倣の意味は、オリジナリティを生み出す効果と、思考のショートカットとなる効果の2つだと解釈しています。

①模倣の繰り返しがオリジナリティに繋がる

②模倣は思考のショートカットに繋がる

ドトールの創業者である鳥羽氏の言葉

「優れた人物、優れたものがあったら、恥じることなく大いに見倣って勉強すべき」
「徹底してその人に見倣い、研究し、模倣する。その過程で個人の能力は相当高まるだろう。そして、その高まった能力によって個人のオリジナリティというものが生み出されることになると思う」

既にある成功モデルは積極的に使うこと。

成功モデルは猿真似ではなく、モデリング=原理原則や仕組みからマネすること。

模倣の経営学のポイントを要約

✔︎模倣は創造の母である

✔︎模倣のためには仕組み理解、本質理解が欠かせない
※そのためのフレームワークは本書の中で紹介されています

✔︎だれから模倣するかは選択するべし

✔︎成功事例と失敗事例の両方から複眼思考で模倣するべし

✔︎主観を入れずに模倣することが重要(守破離の守の考え方)

マーケティングの世界でも模倣は大事

例えば、マーケティングの世界ではWACULの垣内さんが成功の法則はツイートしてくれていて、あれこれ考えるよりも、このやり方を真似る!

最速で勝ちパターンにあてはめ、本当にやるべきことをやる
このように、大量のサイトデータからサイトの種類によって「勝ちパターン」が決まっているということが明らかになっている中で、今後の企業のデジタルマーケティングはどのようにあるべきなのか。
垣内さんは「最速で勝ちパターンにあてはめ、本当にやるべきことをやる」ことだと言う。

才流の栗原さんもこの話をされていました。


模倣の価値を再認識し、仕事の中に取り入れていく上で、模倣の経営学は本当にオススメの1冊です。

実践プログラム版もあります。

マーケティングトレースの繰り返しは、良い模倣から市場創造をするためのトレーニングであると再認識。

本書で学んだことは、方法論の進化に繋げていきたい。


福本さんの弟子学に関するnoteは、「人から真似る(学ぶ)」視点を、ここまでか!!というレベルで言語化されていてオススメです。


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