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店舗外の体験を支援し、成功させるための店舗

携帯ショップへの期待と実情

docomo、au、ソフトバンクなどの携帯ショップに、我々が期待しているものは何でしょうか。

携帯電話が壊れたりネットがつながらなくなったなど、トラブルを抱えてどうしようもない時に、近所で気軽に訪問できる店舗があれば、それはとても心強い存在になります。

ひるがえって、店舗側は何を目的に運営されているでしょうか。明確にサポート拠点として位置づけているのか、それともクロスセル・アップセルなどの販売の場として捉えているのか。もし後者だとすると、ユーザと店舗の思惑に大きなすれ違いが発生してしまいます。

店舗がそもそもサポートに重きを置いておらず、まともに対面での支援が受けられないのであれば、我々は営業をしてもらいたいわけではないので、ネットや電話だけでやり取りが完結できて、押し売りをされない格安SIMの通信業者の方が、優れた存在になります。

また、これまで行ってきた店舗での販売行為が不適切であった側面も考慮に入れる必要があります。

新しい携帯電話が欲しくて店舗へ買いに行くと、不要不急な付帯サービスを、半ば押し売りのような形で説明された経験がある方も多いはずです。

自分が欲しいタイミングで欲しいサービスをおすすめしてくれるのなら嬉しいのですが、新しい携帯電話を即座に使ってみたい状況やトラブル対応直後に営業をされるのでは、良い体験にはなりえません。

ユーザにとって店舗が存在する価値は、対面で寄り添いながら適切な対応をしてくれることにあります。しかし、人手不足もある中で、事業の採算性を担保しながら、これまで店舗が担ってきた販売行為を維持しつつ、さらなるサポートを実現する難易度は高いはずです。

適切なチャネル分担を目指す

スマートフォンアプリなどデジタルサービスの提供が定常化できると、ユーザとの常時接続が可能になります。そうするとユーザの反応を見ながら、押し売りではなく、適切なタイミングに適切なサービスをおすすめできるようになります。

つまり、デジタルチャネルを高度化していくことで、より人に頼らない営業の効果・効率を向上していくことが可能になります。

これからの店舗運営は、ユーザから求められていて対面で行う価値が高いことへフォーカスをし、販売はデジタルへとシフトしていくべきです。

例えば、どの機種を買うべきかの相談に親身になって応えたり、新しい機器に不慣れな方へアプリをインストールをして使い方を伝えるなど、人がやる価値が高いことが店舗で実現すべきことです。

お店の未来は、お店の外で提供する総合的な価値を高めるために、人でないと担えない役割を担っていくことにあると考えます。

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遠藤 直紀(ビービット 代表)
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