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「家に帰るまでが遠足」とまだ思ってる?旅も"片道"化していく世界

今回は人々の移動形態の変化について、JR往復乗車券の廃止の記事を代表的な事例として紹介しつつ、自動車も含め深堀りしていきます。

-要約-
JRグループが往復乗車券の廃止を発表しました。これは、移動形態が片道へとシフトしつつあることを示唆しています。スマートフォンの普及やルート検索技術の進歩、ノマドワーカー(拠点を移動しながら仕事をする人)の増加といった社会変化も影響を与えています。本質的には、すべての移動は片道移動の集合体であり、自動車も片道で移動する事で他の交通手段と組合わせて使う事ができます。



「家に帰るまでが遠足」と昔から言われて育ってきました。自宅から旅行に出発して、自宅に戻ってくる。往路復路の往復が当たり前の世界。
ですが、すでに世の中は往復ではなく"片道"化が進んでいた?

鉄道の往復乗車券利用の低下は何を意味するのか

JR各社が紙の往復割引の終了を発表しました。

朝日新聞によると、直近では紙の乗車券全体に占める往復乗車券は16%と、思ってたより低くないですか? 割引もありますし、もう少し計画的に購入する人がいると思っていました。
計画的に往復乗車券を買わない理由は何でしょうか?

技術と社会の変化による影響

我々の予想では往復で買わず、片道化していく理由は2つ
①スマホ・ルート検索などの技術の普及
②ノマドワーカー(拠点を移動しながら仕事をする人)に見られる社会変化

①スマホ・ルート検索などの技術の普及
 スマホ普及:スマホの普及により、いつでもどこでも検索が可能になりました。
 ルート/乗り換え検索:ルート検索の精度や利便性が向上し、遅延や渋滞情報も反映されるようになったため、現時点で最適なルートや乗り換えがすぐに分かるようになりました。

②ノマドワーカー(拠点を移動しながら仕事をする人)に見られる社会変化
 コロナ禍をきっかけにリモート会議が一般化し、人々の働き方やライフスタイルが急速に変化しました。2拠点居住や多拠点居住、ノマドワーカーが増加し、これまでのように「同じ住居からどこかへ行き、また戻る」というスタイルが、仕事でも旅でも崩れつつあります。

そもそも移動、旅とはどのような意味か

移動とは

ある場所から他の場所へ移ること。

出典:小学館デジタル大辞泉

旅とは

住んでいる所離れて、よその土地訪ねること。旅行。「かわいい子には—をさせよ」
自宅離れて臨時他所にいること。

出典:小学館デジタル大辞泉

つまり、旅は一時的に離れて戻ってくるニュアンスがあるが、移動は単純な場所の変化です。旅にはいくつかの移動が内包されています。
例:旅程「自宅→(移動1)→A地点→(移動2)→B地点(宿泊)→(移動3)→C地点→(移動4)→自宅」

移動1,4は自宅からの出発区間と最後の帰着区間なので、場合によっては往復となりますが、移動2,3はそもそも往復になり得ません。そのため、良く考えると「往復」という概念が適用できるケースがそんなに多くない事が分かります。

公共交通機関で全て移動していれば話はここまでですが、弊社はレンタカー/カーシェアの業界で仕事をしていますので、自動車での移動のケースも考えてみます。

自動車で往復移動/片道移動するケース

自家用車は、常に同じ車に乗って移動するため、片道移動ができません(結局、車を取りに戻らなければならないためです)。一方で、タクシーやレンタカー、カーシェアを利用すれば片道移動が可能です。タクシーで地点間を片道移動できるのは当然のことですが、レンタカーやカーシェアの場合、オプションとして可能なものの、片道移動を実際に利用している人は約1割と言われています。

私たちは、日本に60万台あるレンタカーやカーシェアを片道移動に対応させる「カタレン」を運営しています。公共交通機関では行きづらい地点間の移動を、カタレンを利用することでよりスムーズで簡単に行えるようにしていきます。カタレンなら片道移動が可能であり、特定の区間をカタレンで移動し、他の交通手段と組み合わせることもできます。

例2:カタレンを組み込んだ旅程「自宅→(移動1鉄道)→A地点→(移動2カタレン)→B地点(宿泊)→(移動3バス)→C地点→(移動4タクシー)→自宅」

ルート検索で往復する事は稀なので、
片道行き:自宅→(移動1鉄道)→A地点→(移動2カタレン)→B地点(宿泊)
片道帰り:B地点(宿泊)→(移動3バス)→C地点→(移動4タクシー)→自宅

と検索し、片道毎の旅を計画していきます。
このようにタクシーだけでなく、レンタカー/カーシェアもカタレンにすることで、自然とルート検索に載せて、世の中の旅の片道化トレンドに対応できます。

我々カタレンは引き続き、片道毎の移動に特化して、進めていきます。

次回以降、カタレンにすることで、稼働率があがり、車両数を減らせて、省資源・省エネルギーに繋がる話をします。ご期待ください。

未来のカタレンチームメンバーへ

カタレンはシェアリングだけでは解決できない、シェアリングの負の部分・社会課題を解決しつつ、我々ユーザーとしても便利になるサービスを目指しています。
新しい体験を作る上で重要になるのが、日々仮説検証を繰り返して、より良いサービスを作り込むメンバーの皆さんです。
ご興味頂けましたら、我々がどんな世界を目指しているのか、私が何者なのか、是非こちらの記事もお読みください。


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