アメリカ人はなぜお金持ちなのか? 米国の金融資産が過去の約540兆円と過去最大に
「アメリカ人はなぜお金持ちなのか?」-シンガポールで子供をアメリカ系のインターに入れているので、彼らとは金銭感覚が違うなぁと感じることが多々あります。
小学校低学年の子供が中古の良書を購入できるフェアなどの際でも、30ドルを渡したら、「私以外は50ドル以上持ってきていて、100ドル持ってきている子もいたよ」とか驚かされることがよくあるのです。8歳くらいの子供に対して1万円を持たせるなど日本ではあまり考えられないのではないでしょうか。
また、米国などに飲食店を展開しているチェーン店の経営者に聞くと、うどんなどが30-40ドルでも全然お客さんがたくさん入っていると言います。この強い消費の背景には株高や高金利などがありそうです。
米国では株式や債券など金融資産の生み出す所得が2024年4〜6月期に年率換算で過去最高の3.7兆ドル(約540兆円)となりました。
そもそも日本と米国では金融資産に占める内訳の株式の比率が大きく違います。米国では39.2%が株式なのに対して、日本では12%です。株高の恩恵も受けて米国では資産増、配当や利息収入が増えて、消費も底堅い状態が続いていると推測されます。
アメリカのインフレ率は平均して3%程度で安定的に推移
ハワイに行って、サンドイッチでも4000円もしたという声をよく聞きます。これはこの30年で日本とアメリカの物価上昇率の差の蓄積からだと推測されます。日本はバブル崩壊後デフレに苦しんできましたが、アメリカのインフレ率は80年台の初頭を除いては3%前後で安定的に推移してきました。
私は2000年にアメリカの西海岸にホームステイをしたことがありますが、その時はアメリカ人がお金持ちだとは全く感じなくて、むしろ日本人の方がお金持ちだと感じていました。当時、学生でしたが、外食をしたり、旅行をしたり、買い物をしたり好き勝手な生活ができたし、何かが高いとも感じませんでした。また、ホストファミリーも生活のために受け入れをしており、シーツに小さなシミをつけたから100ドルなど細かな請求を学生の私に対してしてきたので、シビアだと感じました。為替レートも1米ドル100円前後だったのもあったのかもしれません。
当時、レストランで2000円程度のランチも、20年以上経過した今は4000円程度といった感じになったのも、数字を計算すれば納得がいきます。これからは日本でも緩やかなインフレに入っていければ世界のインフレ率に追随することができると推測されます。そのためにもインフレを甘くみず、インフレ率に負けない運用は各個人が考えていかなければならないと考えます。