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65歳未満ワクチン中和抗体1%の状況に「すれ違い感染」のデルタ株蔓延し五輪閉会式時の感染大爆発、そして再度の医療逼迫

東京都3177人/日コロナ感染者数過去最多⇒「知ってた」


4回目の代わり映えしない緊急事態宣言に自粛効果が無く人流が減ってないこと、ワクチン供給が停滞し65歳未満のワクチン普及が進んでいないこと等から想定されていた事だが、東京都のコロナ感染者数が昨日7/27に過去最多となった。

それに対して都内の感染最多「高齢者の割合低い」 福祉保健局長が異例の説明記者会見

吉村局長は、重症化しやすい高齢者の感染が減っていることなどを挙げ、「第3波のピークとは感染状況の質が違う。医療に与える圧迫は違うと考えている」「医療提供体制がにっちもさっちもいかなくなって、死者がばたばた出ることは現状ないと思っている。いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない

但し、下記にふれるように現場では、次のリスク世代(40-50代)による逼迫が始まっている。

小池知事は「数字が増えているが、今は陽性者数だけの問題ではない。ある意味、これまでとは違う。ワクチンがあるかないかの違いはしっかり伝えていただきたいという趣旨だと思う」

感染拡大の数だけ見ないでくれ、ワクチン接種によって高齢者の重症化防止などの、自分達の成果も報道してくれということなのだろう。

首相は例によって「各自治体と連携しながら」「強い警戒感をもって感染防止」「不要不急の外出は避けて」という抽象的なメッセージの会見に終わった。

「安全安心のオリンピック…」等、「そうした心配はない」抽象的な言葉と自分の願望と思い込みしかない。

「感染者のうち65歳以上の高齢者の割合というのは2パーセント台」というワクチン接種により高齢者は守ったという自画自賛はもう良いとして、では次に65歳未満の現役世代はどうなのか?どうしてくれるのか?どうすれば良いのか?

冷静にデータを用いた議論がなく、「今週また1人30-50代の基礎疾患ない人が亡くなりましたよ...ふっ」というような脅し報道しかない。

そして本日7/28、東京都3177人、神奈川1051人の過去最多の感染者が確認された。

本当の事をマクロに理解するために自分でネットから情報を取って冷静に分析しないといけない。以下、データからみる個人的な見解を紹介したい。

ワクチン調達は、実はアジア各国と比較すると健闘

日本は実はワクチン普及はアジアでは悪くない。人口比で2回接種が完了したワクチン普及率は先行した欧米に比べ、世界でもアメリカ(7位)フランス(8位)、ポーランド(9位)トルコ(10位)コロンビア(11位)についで世界12位、アジアでは現在トップ、だ。

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(英国政府7/27公開データ)

日本だけでなく、中国を除いたアジア各国は初動のパンデミックを抑え込む事に成功した結果、必然的に治験協力も遅れワクチン獲得には出遅れた。ITを使った防疫に成功した韓国・台湾等は、日本以上にワクチン獲得に出遅れている。

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日本より出遅れた韓国は、政権の威信をかけて6月にアメリカに必死に外交努力していた。

当初は、破竹の勢いに見えた欧米のワクチン接種は、副作用への不安から接種を敬遠する動きも広がり、集団防疫の目安に達成しないまま頭打ち。欧州ではこの6-7月で在庫が7割増えたという。

在庫が余ってるなら回してくれたら良さそうなものだが、集団免疫達成前に経済規制解除してしまい、秋冬デルタ株による再感染のリスクが高まる中、さらなる3回目のブースター接種用として手放せない。

再度のパンデミックを恐れる欧米が在庫を滞留させ、開発途上国やアジアとのワクチン供給の格差が広がりつつある。

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新型コロナワクチン国内のこれまで通りの官僚的な治験承認手続きから接種開始は欧米より2-3ヶ月は遅れた。これが2ヶ月早くデルタの前に普及していたらオリンピックにも間に合っていた可能性はある。でも安定供給が崩れ、新しいワクチンが届かず自治体や民間接種も受付停止と今となってはその数ヶ月の差は同じことかも知れない。

高齢者は見事に守りきった菅政権〜「おじいちゃん、おばあちゃん、コロナで死ななくてよかったね」〜

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欧米が、わがままな忌避行為でワクチンがだぶついているなか、日本のおじいちゃんおばあちゃんは、全国で暑い中、予約システムも電話もつながらない中、役場に行列し3密まで作りながら頑張った。ワクチン忌避等の動きもなく奪い合うように接種に殺到した結果、菅総理が会見で自慢したように、例えば東京都の65歳以上の感染者は2%にまで減った。

ワクチンの供給にあたっては、その優先順位をどうつけるか様々なシミュレーションを専門家と厚労省はしたらしい。

例えば、インドネシアは若者優先接種の方針を取った。

多くの市民はこの戦略に好意的だとし「若い人たちが最初にワクチンを接種すれば、安全に高齢者を訪問できる」(中略)「インドネシアは、先進国に比べて生産年齢人口がはるかに多い。この年齢層の健康を維持しなければ、後に国にとってはるかに大きな問題を引き起こすことになるので、若年層を優先させる政府は正しい」

例えば、仕事や学校等で動き回る若者を優先させると感染は防げるが、死亡者は増える。高齢者を優先させるとその逆だ。

日本はもちろん先進国の定石、高齢者優先を取る。

また、人々が密集し感染拡大リスクの高い都市部に優先配分するという考え方もある。特に、オリンピックを控えた東京等だ。吉村知事は、「消火器のホースは火元に向けるべき」を持論を展開したが、選挙を控えた民主主義国家では全国一律平等に配分するしかなかった。

そして、高齢者に目処がたった中で、突然ワクチンの供給が止まった。。。

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一日140万ペースまで行った接種体制は、60万ペースにまで落ち込んでいる。新規は20万ペースだ。(泣)

すれ違い感染のデルタ株の怖さが伝わっていない

周囲の友人に聞いても、デルタ株の本当の怖さが伝わっていない。
最近、感染には気をつけているはずの中高年芸能人に感染者が増えつつある。

私の身近にも感染者が再び発生している。 そしてほとんどが、感染経路が全く不明という。

インド在住の友人に聞くと、デルタ株は15秒一緒にいただけで感染するという。

オーストラリアの下記記事によると、ゲノム解析と感染経路を監視カメラの映像解析等徹底して行った結果、10cmから50cm程度、すれ違っただけで感染したとしている。

「この2人は、通りすがる状況で、10cmから恐らく50~60cm程の距離範囲にいたようだ」(ニューサウスウェールズ州ブラッド・ハザード保健大臣)
「これまで我々が経験してきたものとは異なり、知らない者同士がすれ違った程度で感染しているとみられ、これまで換気が感染リスクを軽減することはわかっていたが、これほど感染力がある変異種には、十分でないのかもしれない。これまで効果あったマスクもうまく機能していないようだ」(ビクトリア州政府のコロナ対策医療チーム)

これが事実だとすると、東京の通勤電車、渋谷のスクランブル交差点、会社のエレベーター・会議室等、酒類提供の飲食店以外も一気にホットスポットとなる。

少なくとも、飛沫に含まれるウイルス量が圧倒的に多く1.8倍の感染力、30-40代の若年層も重症化する入院リスクが2倍と言われている。変異株などの生易しいものではなく、さらに新型ウイルスと言っても良いという専門家もいる。

マスクは多少効果があるかも知れないが、3密を避ける程度に気をつけていただけでは感染を防ぐことができない。

デルタ株の陽性率は、7/5〜7/11の段階で30%を越え一気に広がっている。これまでのインド等の海外の経験でいうと8月中には、デルタに80%置き換わると専門家は予測している。

8月にはすれ違っただけで感染する陽性者が市中にたくさんいる、という今と全く違った状況が生まれるということだ。

65歳未満は1%しかワクチンによる中和抗体ができていない(?!)東京都民

65歳以上の高齢者は良いとして、では我々65歳未満のワクチン接種はどの程度進んでいるのか、

それが次に知りたくなるが、このデータが腹立たしいほどに公開されていない。

内閣官房のIT室が公開しているものも、接種が進んだ良い数字を自慢したい65歳以上の区分けのみ、65歳未満の状況はデータはあるはずなのに、載せていない。

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このデータを元に各社のデータサイトも作られているので、NHKも日経もどこも肝心の「65歳未満のワクチン接種の進捗状況」という一番知りたいデータは政府の意向に忖度してか意図的に隠されている?

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少なくとも1回終わった人は全国民の36%や、65歳以上は84.6%、総人口の1/4は接種を終えた、等、良い数字と前向きな表現ばかりだ。それはそれで良かったね、だが、仕事で「不要不急でなくとも仕事で外出しないといけない」我々65歳以下の現役世代は大丈夫なのか?!のデータがわからない。

やむなく自分で計算する。年代別はどこにも見つけられないなか、何故かNHKの特設サイトの一部に402,755人という数字をみつけることができた。(先程の内閣官房のサイトを元に作成としているが、内閣官房の元サイトにいっても該当データは探せず、東京都のサイトにいってもどうネット検索しても、この数字はみつけられず出所のダブルチェックはできなかった。)

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この数字から、東京都の65歳未満の人口を統計局から調べて、エクセルで手計算したものが下記になる。

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東京都民全人口1396万人から65歳以上311万人を除き、さらに約60万人と推定される医療従事者を除くと1024万人が65歳未満現役一般人の対象人数となる。

この試算によると、東京都において65歳未満で2回の接種が終わった割合はわずか3.9%。さらにグラフから中和抗体が完成するとされる2週間前に完了した人数をみると約10万人。とすると、2021/7/28本日の時点で、高齢者のようなワクチンによる80%の感染防止効果、90%の重症化防止効果を得ている65歳未満の現役世代の医療従事者を除く一般都民は100人に1人しかいないことになる。

もちろん、市中感染拡大リスクを考える時は先行接種の医療従事者を考慮する必要があるので、2回目接種を終えた54万人が2週間以上経過していて中和抗体が完成してるとして64万人、東京都で100人に6人しか中和抗体済み(Fully vaccinated )とはなっていない。

このワクチン普及の状態で、デルタ株が30%から80%近く入れ替わる(有識者の試算推定)8月に突入していくのだ。

また始まった医療逼迫〜今度は40-50代重症患者〜

冒頭引用したように福祉保健局長は「医療に与える圧迫は違う」といったが、高齢者の代わりとなった30-50代の感染者での医療逼迫が都内の病院で既に起き始めている。

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倉原先生のグラフを見ても医療機関の目線からも第5波が訪れていることは間違いない

”現在、関東や沖縄において、病床が逼迫する懸念が現実味を帯びつつあります。実際、7月26日に東京都内の医療機関に対して新型コロナの病床をさらに確保するよう要請が出されました。これをクリアするため、救急医療を縮小し予定手術を延期する案も提示されています。”(倉原優先生)

選挙を目前にした政府与党が、投票率の高い高齢者優先のワクチンと人気取りのオリンピック開催を優先させるなか、人流が減らない8月に「すれ違い」感染のデルタ株が蔓延する

過去7日間平均の感染者数は指数関数的に増えている。PCR検査の陽性率も急速に高まり、先週15%程が7/27は35.2%に急増している。(東京北医療センター新型コロナ外来)

厚労省の「ワクチン接種状況と新規感染者数等の動向について分析」(添付:www.mhlw.go.jp)も、ワクチン接種により、高齢者福祉施設等のクラスターは押さえられている等、高齢者の感染と重症化は押さえられているものの、入院患者の半数近くは40-50代(緑)だ。

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オリンピック後何が起きるか、自分で自分の身は守るしかない

下記corona.go.jp添付は、6/13に政府に報告された民間有識者によるシミュレーション「緊急事態宣言、ワクチン展開、オリンピック、デルタ変異株などにもとづく6~9月東京における流行プロジェクション」だ。78頁もあるSIRモデル等での有識者の検討の力作だ。興味のある人は自分でも読んで目を通してほしい。

一部紹介するとどのシミュレーションも、デルタ株の影響が大きく、緊急事態宣言下でも感染は拡大ステージ4は軽く超えるすると試算している。

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但し、この時点(6/13)ではワクチン接種は順調に進むとしている。

実際、6/13試算では<参考>としていたもしワクチンがなかったらに近い状態にに今後なっていくのではないか。(しかもここではデルタ影響なし前提)

先程の試算のように99%の現役都民が中和抗体なくデルタ株80%の海に突入するとすると、下記の点線のような感染爆発がオリンピック閉会式の頃には起きる可能性がある。

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日本経済を支える首都圏の現役世代が、数ヶ月のワクチン接種の遅れで、昭和おじさん上司に言われて暑い中出社し、通勤電車でデルタ株感染し、重症化し、万一亡くなるなど、哀れすぎる。

政府の対策も迷走し、自治体と医療機関の病床の確保も見込めないなか、8月の感染爆発に向けて、特に重症化リスクが次に高い40-50代現役世代は、ワクチン接種が終わるまで、特にこの数ヶ月自分で自分の「命を守る」行動を取らなくてはいけない。

PS

政府会見、メディアの報道等を鵜呑みにせず、自分で自分の身を守る為に必要な情報処理と知的生産の方法について下記で紹介しています。

ご参考まで。






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