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インタビューで大事にしていること

インタビューで大事にしていることは、インタビュー相手を「好きになる」ということ。

先日、ジャーナリストのThomas Hobbsさんのツイートで、とても共鳴するものを見た。


「誰かがインタビューの中で本当にクールなことを言ったとき、それが思慮深い質問によって引き起こされたことを覚えておいてほしい。

私たち(ジャーナリスト)は日頃から、質問とそれらへの回答によって新たなオーディエンスを獲得することを通して、人々のストーリーや芸術を表現しているが、それは普段あまり気付かれないのではないでしょうか。素晴らしい質問をすることは、確実にアートの一種だ。」

とても幸運なことに、自分は執筆キャリアの出始めから「好きな人」をインタビューする機会に恵まれてきた。しかし「好き」という気持ちが強い時こそ、「自分がしたい質問」と「ファンとしての自分が知りたいこと」と「ファンが読みたい内容」と「ファン以外の人にも関心をもたれ、広く読まれる内容」と、それぞれのバランスをうまく調整しながら質問案を練り、30分や1時間といった限られた時間内でインタビュー相手と打ち解け、質問に答えてもらう以上に対等な議論ができるように信頼関係を築き、そしてインタビュー後には「読まれる」インタビュー、そして「読み継がれる」インタビュー記事を書き、編集し、届けなければならない。「人間vs人間」の仕事であり、一瞬の期間を一瞬の時間で切り取り、文字にする。これは確かに、「アート」の一種に違いない。

今まで自分がインタビューしてきたのはDos Monos, Conan Gray, 88risingのCEO, BIGYUKI, The Japanese House, SIRUP, エブエブの監督, そしてXG等と、自分が本当にリスペクトしている人にしか取材しないことをモットーにしています。本人の「良さ」と「今」を記録に残して、愛を込めて伝えたい。

改めて考えると、自分のインタビューのスタンスとしては、既存のファンの存在を肯定しながら、知らない人にも信念や価値観を伝えたい。 そのためにはインタビュー相手の人間性をなるべく深くまで理解して、自分の「ファン」の気持ちを大切にしつつ、お互い対等な立場で対話を通して言葉を伝え合う。それを自分のインタビューでは最も大切にしています。

特に、最近では自分がインタビューされる側になることの方が多く、どのような質問をされたら嬉しいか、どのように発言すれば記事にまとめやすくなるのか、客観的な立場で理解できるようになったことで、より一層質問方法やインタビュー中の空気づくりへの研究が深まった。

人間は誰しも、汚い部分も綺麗な部分も、嫌われるべき部分も愛されるべき部分もある。それら全てを読み解き、理解し、受け入れた上で、それを「愛」に変えていく。そのプロセスは「人間を好きになる」のと同義であり、その人間の複雑さこそが世の中を面白くする。


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