タイパを求め失敗を恐れる消費者 ネット文化がリアルに波及
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
最近なんとなく思っていたことが記事になっていたので紹介したいと思います。それは「本のタイトル、長くなってない?」というものです。
なんとなく感覚的に思っていましたが、実際にデータでもこの傾向が見られるとのこと。かつてはビジネス書であれば著名な経営者の本がベストセラーの常連でしたし、文芸書でも賞を受賞したものなどが主流でした。
最近ではSNSの浸透もあり読者の好みが細分化。編集者もネットの小説投稿サイトやブログなどから新人を発掘して書籍化することも多くなり、知名度のない著者の作品をどう手に取ってもらえるかに腐心することになりました。また、流通も書店がメインだったころは棚に並べて表紙とタイトルにより世界観を訴求できましたが、スマホで読むことが多くなった現在においてはタイトル名と見出しが読むかどうかを決める判断材料となります。
読み手の感情、共感を呼ぶもの。個人の生き方に関わるものが多くなったのも近年の傾向だそうです(例:『君たちはどう生きるか』)。最近手に取ったものでおもしろかったのが、以下の本です。これも「好きを言語化する技術」だけではピンと来なかったと思いますが、続くリードの部分で好奇心と共感が生まれました。
同様の傾向はリアルな商品にも波及しているように感じます。例えば、コンビニにあるパンやスイーツ類です。
やみつきになる!スパイス香るカレーパン(セブンイレブン)
発酵バターが決め手!ふんわりメロンパン(ローソン)
等々、以前であればただのカレーパン、メロンパンだったものが、どういうものなのかをパッと見で理解してもらうために非常に説明的になっています。この流れの究極系とも言えるのが、ドン・キホーテのPB商品でしょう。
情報過多の時代となり、自分に合うものがどれかわからない。商品購入で失敗したくない。という思いが、人々を検索に誘います。SNSでは「#」(ハッシュタグ)が多く利用され、特定のジャンルでの情報を見つけやすくする効果を生んでいます。
ネット文化が生み出した文化は、リアルの世界にも影響を与えています。気づけば世界はハッシュタグに覆われているのかもしれませんね。
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タイトル画像提供:チキタカ(tiquitaca) / PIXTA(ピクスタ)