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現地メディアの需要とは:ドイツ・マンガメディア編

ドイツでアニメ漫画情報を伝えるメディア「Japaniac」は日本のマンガ家との独占誌上インタビューを行っています。5月には「名探偵コナン」の作者として有名なマンガ家、青山剛昌さんへのインタビューが掲載されました。

筆者は今年初めからこの「Japaniac」の独占誌上インタビュー企画に協力してきました。今回はそこから見えてきた日本国外のアニメ・マンガファンに向けたメディアのあり方について考えてみます。

協力内容は具体的には翻訳です。ドイツの編集部の質問をドイツ語から日本語に、日本から戻ってきた日本語の回答をドイツ語に訳します。10人近い日本のマンガ家のインタビューを担当しました。

このような独占誌上インタビュー企画を取り上げるのは、そこに日本のアニメ・マンガ企業やその情報配信のヒントがあるのではと思ったからです。

ドイツ語圏ではアニメやマンガ、ゲームの情報を扱うニュースサイトは主要なものだけでも10サイト程度あります。ただ、内容はどれも似通っています。同じニュース・ソースを扱う都合、仕方のないことですが、そこから見えてくるのは、各サイトはユニークさを出すのに苦労しているのではないかということです。

最も多く使用されているニュース・ソースは、ドイツの翻訳出版社(パブリッシャー)の発表です。つまり自国の市場に向けたもので、読者の関心が最も高いというわけです。

ただ、このカテゴリーのニュースは各サイト横並びなのです。

一方で日本の企業は現地で広報活動を行っているのでしょうか。基本的にはライセンス契約を行った現地のパブリッシャーに委ねることになります。

従来であれば、今回のようなインタビュー企画も現地パブリッシャーが販売促進の一環として日本側と協力して行ってきました。

それがなぜ今、情報サイトが企画するようになったのか。

それは情報サイトの数が増え、横並びを脱するために新たな企画に取り組んでいると考えることができます。

日本企業と現地パブリッシャーという従来的な協力関係から、現地メディアと日本企業という新たな構図が生まれつつあるようです。

インタビュー企画はドイツから日本への提案でした。日本と協力したいという需要はありますから、今度は逆に日本から現地のファンに向けて何かを仕掛けてみるのも悪くないかもしれません。


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