『鬼滅の刃』は世界中でヒットするのか=ドイツ編
ドイツのアニメ販売会社Peppermint Animeは、アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を来年2021年2月に映画館で上映すると発表しました。(下記リンクはドイツ語のニュースサイトによる関連記事、11月11日付け)
日本国内ではアニメやマンガで大ヒット中の『鬼滅の刃』はドイツでもヒットしているのか、情報を整理してみたいと思います。
日本での同作のヒットはマンガの売上や映画の興行記録更新、各種コラボ商品の展開など近年まれに見るブームへと成長しており、日経新聞などの記事を読んでもその様子が伺えます。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66791520Q0A131C2BE0P00
では海外はどうでしょう。例えば、米国では人気の高さが報じられています。
米国で大ヒットと聞くと、世界中で成功しているかのように思ってしまうのではないでしょうか?
ドイツでは『鬼滅の刃』はマンガ版は出版社「Manga Cult」から発売されており(1冊10ユーロ)、アニメ版は配信会社「Wakanim」やアマゾンで見ることができます。注意したいのはアニメ版は「16歳以上」の年齢制限の対象となっていることです。
実際ドイツでも筆者が取材したアニメファンイベントでは『鬼滅の刃』のコスプレをしたファンがたくさん見られ、コスプレのトレンドであることは確認できました。(下記の拙稿参考)
では、『鬼滅の刃』のマンガ版はドイツで売れているのでしょうか。アマゾンのカテゴリー別毎時ランキングをのぞいてみると(11月30日現在)、
カテゴリー「アクション、マーシャル・アーツ・マンガ」では、2位(1巻)、5位(2巻)、9位(5巻)、10位(3巻)にランクインしており存在感を表していますが、
上位カテゴリーの「マンガ」、さらにその上位カテゴリーとなる「コミックス&マンガ」では1冊もTOP10には登場していませんでした。
ドイツの大手書店チェーン「Thalia」のオンライン販売サイトで、書店員による紹介コメント(マンガ版1巻について)を見かけました。およそ、複雑なストーリーをシンプルな絵で魅せる大ヒット作だと紹介しています。
一方で、ドイツのマンガ・マンガニュースサイトで、日本のマンガ売上ランキングでの大ヒットが報じられると、コメント欄に『鬼滅の刃』は過大評価されているといった冷静な見方によるコメントが寄せられています。(関連記事)
冒頭に紹介したように、ドイツでは劇場版の上映が2月に計画されています。映画がドイツでも大ヒットするかどうかは、2月以降に明らかになりそうです。
といっても、大前提となるのは映画館が営業していることです。ドイツでは新型コロナウィルスの感染予防対策により現在、映画館は営業できません。ドイツでの劇場版『鬼滅の刃』のヒットはコロナ次第と言わざるを得ないのが現状のようです。
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タイトル画像:劇場版『鬼滅の刃』のドイツでの劇場公開を報じるニュース記事からのスクリーンショット(記事リンク)
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