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大人の学びは自分起点だから楽しい!

こんにちは、Funleash&みんなのCHRO志水です。
今日は、最近よく耳にする「学び直し」「大人の学び」ということについて書いてみたいと思います。

学び直しの必要性がここ数年あちこちで議論されるようになりました。先日の日経の記事でも学び直しと労働生産性の相関関係について紹介されていました。諸外国と比較したときに日本の生産性が著しく低い理由は社会人の学び直しの意欲が低いからだと指摘されています。

ここで登場するリスキリングという言葉も話題になっています。 

リスキリングとは「新しい職業に就くためにまたは今の職業で求められるスキルの大幅な変化に適応するために必要なスキルを獲得すること」を指します。

記事にも引用されていますが、世界経済フォーラムが2020年1月にデジタルスキルを提供するために「リススキリング革命 (Reskilling Revolution)」というプラットフォームを立ち上げました。技術による仕事の自動化、加えて外部環境の劇的な変化により大量の失業が発生するのではないかという懸念から、米国や中国などでも国家的な対応が進められているようです。

学び直しは必要。でも危機感だけだと続かない・・

このように最近あちこちで学び直しの必要性が声高に叫ばれています。
・外部環境の変化が激しくこれまでの仕事がなくなるから新しいスキルや知識を身につけないと生き残れない。 
・日本では個人の学び直しの参加率が低いから生産性やGDPが伸びず、このままだと国も企業も個人も成長がとまってしまう。

というような危機感をあおる論調がわりと多いですね。統計データや調査会社のレポートのエビデンスを引用して学び直しの必要性が説かれています。その通りだと思います。
経営・人事という仕事を長年やってきて個人の学び直しが重要であり、ラーニングカルチャーを組織に醸成することが不可欠であることも身をもって感じます。一方で、もやもやするのも事実です。危機感をあおって学ばせる手法って本当に効果があるのか疑問に思うのです。 

これどこかで経験したような気がしません?
そうです、学校の受験勉強です。

「今のうちにしっかり勉強しないと良い大学に入れない」
「良い大学をでないと良い会社に入れないよ」
「良い会社で昇進したら高い報酬が得られる」

昔からから何となく言われ続けたあの感じにどことなく似ている気がするんですよね。 
それでいて受験勉強って社会に出て役立つ機会がほとんどないと思いませんか?「周囲からの期待」や「危機感にあおられて」やっていたからではないでしょうか。やらされ感がありますよね。勉強の効果や学びの楽しみがあったのかなあと思い返します。

この手の学びは「学校で教室に座り、先生の話を必死に聞いてノートにとる」という学生時代の苦痛を彷彿させるんですよね。つまりStudy(勉強)なんです。私たち大人に必要なのはStudyではなく(時には必要なことは否めませんが)主体的なLearning
(学び)なのではないでしょうか。主体的な学びだからモチベーションがあがるし、やる気も継続します。もちろん、効果にも大きな差が出ることがわかっています。

主体的な学びとは自分起点。周囲から言われたり、会社から指示されるのではなく、自ら動く。
学ぶ場所も多様です。大学院やセミナーだけに限らず、旅行や本、出会った人などからも学べます。今の時代はネットにたくさんの素材が無料で溢れてます。

このように書くと「わかっているけど忙しくて時間がないんだよ!」と反論されそうです。時間がないというのは思い込みです。誰でも何かしら関心のある領域ってありますよね?趣味には時間を割いていますよね。そこから始めればよいと思います。在宅勤務によって移動時間も手に入りました。そこで生まれた時間を使ってもいいと思います。

まずは、すき間時間を見つけて学びにあててみませんか?

自分仕様の学び方を見つけよう

学びたいことがわからないという意見もあります。私は社会人になってからずっと学び続けています。大学院にも二年ほど通いました。学生の時よりも真剣に。今も日々学んでいますし、これからも学び続けたいと思います。

学び続けるコツを教えてくださいとよく聞かれるので少しでもヒントになればと思いシェアします。

紆余曲折ありましたが・・私の学びのステップは「好きなことにのめりこむ」をやり続けて、学び方を覚えて日々の習慣になってきたところで「自分にとって必要なこと」「自分ならではの価値を提供するために身につけたいこと」へシフトしました。
大学院にいったのも知識そのものを身につけるよりも、視野を広めることや学び方を学ぶことが目的。そして、『あらゆる人が自分の可能性を見つけ解き放つ社会にしたい』という自分の目標に近づくことが大きな理由です。

ステップ1. 「楽しい」「わくわくする」という自分の感覚を大切にする。自分の好きにこだわってみる

ステップ2.自分のやりたいことを実現するために必要な武器を身につける

以前Noteにも書いたのですが、キャリア初期のころには「自分には何もない」という危機感からビジネススクールにいったり、セミナーに参加したりしていました。それなりにスキルや知識は身に付きましたし、多少の自信にはつながりましたが心から楽しんでいたわけではありません。

30代前半だったと思います。休暇で友人とイギリスへ旅行に行ったときのこと。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館ウィリアム・モリスの作品と出会いました、彼が作った建築物、家具、壁紙、陶器などに感激して、モリスを研究したいと思い会社を辞めました。モリスを研究するために1年間コッツウォルズ地方のチェルトナムという街に住みました。あの一年は人生の中で最も贅沢な時間でした。

その後、日常の英会話を理解したくて年間に100本以上の映画を見たり、大好きな歴史上の人物を調べて日本中を旅したり、関心のあるテーマで研究会を立ち上げたり・・のめりこんだ学びはありすぎるので割愛しますが、要は自分の心が動かされたもの、ピンときたもの焦点をあて重点的に学びした。

あれこれ浅く学ぶものも良いですし、組まれたカリキュラムの終了に取り組むのも良いでしょう。
でも学びたいことや学ぶべきこと、置かれている環境が人によって異なる社会人。好きなことをディープに深掘りするのは最高に楽しいものです。

自分の好きなことから始めるのが学びへの最初の一歩を踏み出すコツなのかなと思います。学び方がなんとなくわかってきて習慣になってきたら、自分に必要なスキルや知識に移行すれば良いと思います。

最初からフルマラソンを目指すと途中で頓挫してしまいます。自分のペースで心地よい景色を楽しみながら徐々に距離を伸ばしてゆく。いつの間にか無理だと思っていたのに長距離を走ることができるようになります。

自分の実現したい夢や目標のために

「自分のやりたいことを実現するために必要な武器を身につける」ということを考えていたら、「これだ!」というひらめきがありました。
かなり話がとびますが、先日知り合いからこれは必見だよと勧められた映画を紹介します。

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「Believe(未来への大逆転。原題は性別に関する事柄)」という映画を見ていたときのこと。
これは、27年間もの間、米国の連邦最高裁判事を務めたルース・ギンズバーグの伝記的な映画。

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルースは「すべてに疑問を持て」という母の言葉を胸に努力してハーバード法科大学に入学します。夫の協力もあり、主席で卒業します。にもかかわらず、女性であることを理由に雇ってくれる法律事務所がどこにもなかった。やむなく大学教授になって男女平等の講義に力を入れますが、弁護士への夢を捨てきれません。
そんな時、ある訴訟記録を目にして「これは歴史を変える裁判になる」と信じた彼女は自ら弁護をかって奔走する・・そんなストーリーです。

ハーバード大学すら女性トイレがなかったという1950年代。たくさんの壁にぶち当たり、何度も心が折れそうになりながらも、勝ち目のない勝負に挑みます。その実現に向けて徹底的に過去の判例を調べあげて、念入りに準備します。何かを変えたい、自分の信じることをやり遂げたい。これこそ、意義のある学びだと思います。

自分が信じること、やりたいこと、変えたいと心から想うこと。それを実現したいという情熱こそが学びの源泉になります。それがあれば人は寝食を惜しんで学ぶのだと思いました。そのエネルギーは強烈です。誰しも似たような経験があるのではないでしょうか。

余談ですが、あるビジネススクールの広告で、他人に負けない、他者より優位に立てます!みたいなフレーズがあり興醒めしました。カッコ悪いし(笑)大人の学びとして邪道だと個人的には思います。

自分にはやりたいことがないと思われれる方。
まだ見つかってないだけです。まずは自分が好きなことを定義してワクワクを発見しましょう。学びの最初の一歩はそこからだと信じています。

最後に、学びを継続する秘訣。共に学びを楽しみ、共有したり、気づきを与えてくれる仲間を見つけること。途中でギブアップしない大切な要素です。

StudyからLearningへ。人生を彩る学びを見つけましょう。

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