あてのない旅への抗えない魅力
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
最近、日経COMEMOのブランドリニューアルと共に体制も強化されたらしく、ソーシャル発信や独自企画が充実してきました。今回はその中の投稿募集「#どんな国内旅行したいですか」というテーマに乗って書くことにしました。
わたしが若い頃は、どうしようもなく「放浪」の旅に憧れていました。写真好きでアウトドア好きということもあり、マウンテンバイクを輪行して林道を走りながら写真をとり、キャンプで夜を明かす。そのようなプチ放浪みたいなことを繰り返しながら、いつかはアジアやアラスカを一人で旅したいと思っていました。
開高健の『オーパ!』や野田知佑の『カヌー犬・ガク』などの紀行文の影響を受けてはアラスカ・ユーコン川を憧憬し、沢木耕太郎の『深夜特急』でアジア放浪を夢見る、まぁ今考えるとありきたりな感じです。
これらは大学在学中にやろうと思っていたのですが、当時参画していたベンチャー企業の仕事が忙しく、新卒入社の前日まで引き継ぎに追われてしまったので卒業旅行も行けずで、かなり最近まで後悔の念を引きずっていました。
成就しなかった思いというのはなんというのでしょうか。亡霊のように己の背後にまとわりつくものでして、今でもやはりどこかで「あてのない旅に出たい」という衝動がこびりついているように感じます。とはいえ今は家族のいる身。旅行となれば「家庭内ツアコン」として様々な要求の中から最大公約数をさぐる。そんなプランに落ち着く毎年でありました。
今年は自由に海外旅行もできない中で、唯一検討できるのは国内旅行です。GoToキャンペーンもはじまった影響で、人気の高いエリアはすでに予約でいっぱいとも聞いています。だったらもう、気ままに自由な旅を満喫するのはどうでしょうか。
たとえば、JALがやっている「どこかにマイル」という仕組みはとてもおもしろいです。通常の特典航空券の半分のマイルで、4つの候補の中の「どこか」に行ける航空券が手に入るというものです。まるでミステリーツアーのようですが、日常を離れた非日常を体験するという旅本来のワクワク感があります。
東京オリンピック・パラリンピックの際には、このシステムを応用して訪日客を都市部から地方に送客する予定でした。インバウンド効果を地方にも波及させるとともに、開催期間中の宿泊施設不足の解消やまだ見ぬ日本の魅力に触れてもらうことでリピート需要を喚起する役割が期待されています。
この考え方を応用すれば、通常のものより割引率を多めにした「どこかにGoToキャンペーン」が実現できそうです。どこかにマイルの仕組みはJALと野村総合研究所(NRI)が共同開発したもので、NRIの保有する特許を元にするアルゴリズムが生かされているとのことです。
詳細が公開されていないので想像するしかないですが、ダイナミックプライシングに利用されているような「リアルタイム空席情報xコスト」などを分析して全体としての運行率を最大化しつつ、顧客のニーズにも応える最適解を導き出すような仕組みになっているのではないでしょうか。
国内旅行が見直される今だからこそ、まだ知らない日本に出会うための「あてのない旅」に行ってみたいなと思います。みなさんは #どんな国内旅行したいですか ? ぜひ、日経COMEMOに投稿してみてくださいね。
---------
みなさまからいただく「スキ」がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます!
タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)