オンラインのチームワークをより良くする「リモート3密」とは
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
みなさんはオンラインミーティングに慣れてきましたか? 私はもともと日本以外の同僚と仕事をしていたこともあり慣れているほうではありました。しかし、これまで顔を合わせていた同僚ともすべてオンラインベースで、かつ合うことがなく長期間に渡ってきていることで少なからず影響が出てきているようにも見えます。
特に、他愛のない雑談が生み出していたものの価値に改めて気づくことが多くなりました。良い意味で「物理的に会っていて、軽く話している」だけで人は「分かりあった気」になっていたのだ、というのは大きな発見でした。これにより会わなくなってしまうと「最近みんなが何をしているのかわからなくて不安」という心理状況が生まれます。そもそものワークフローや公開されている情報量が変化していないにも関わらず、です。非常に興味深い現象だなと思います。
雑談を仕組み化して業務に積極的に生かしていく会社も出てきました。スェーデン語でコーヒーブレイクを意味する「フィーカ」という、社内の公式雑談タイムです。
雑談だけでなく、ブレインストーミングができないという声も聞きます。特に、新規の企画や中期経営計画策定のための合宿など、時間と場所を共にしてお互いのアイデアを積み上げる機会が失われたという指摘です。会社によっては伝統的な仕組みをもっていたりします。有名なのは京セラが行っている「稲森流コンパ」でしょう。100畳の大広間で繰り広げられる「飲み会(コンパ)」。稲盛経営の深部とも言える仕組みかもしれません。
飲み会は飲み会でも、大真面目な飲み会。多少羽目を外すことはあっても、上司や会社の陰口をたたく憂さ晴らしの場ではない。経営者と従業員、上司と部下、同僚同士が互いに胸襟を開き、仕事の悩みや働き方、生き方を本音で語り合う。酒を通して一人ひとりが人間的に成長し、組織を強固な一枚岩にするのが「稲盛流コンパ」だ。
ホンダにも「ワイガヤ」という合宿の伝統があります。京セラ同様、創業者が中心になって構築した仕組みです。やはり大前提としては「3密」状態であること。これをオンライン化する試みがあったようです。
そんな中で、いち早く動いたのがホンダだった。課題やテーマを共有しながら自由に話し合うことで物事の本質を探し出すワイガヤ。その本家本元がホンダで、3日3晩の合宿で1つのテーマについて徹底的に議論するという文化を、同社創業者の本田宗一郎氏が中心になって構築した。
ワイガヤの大前提は、膝を突き合わせて意見をぶつけ合うこと。まさに、密集・密接・密閉の「3密」状態になる。たとえホンダの根幹をなす企業文化だとしても、コロナ禍では続けるのは難しい。
試行錯誤の末、新しいワイガヤの体験価値をつくりだすことに成功。「参加者の心の壁が対面よりも低く、安心して意見を出せるというオンラインの良さを感じられた」「場所の制約がなく集まりやすく、声の大きい人の意見だけに引っ張られないなど多くあった」(同記事より引用)といったオンラインならではのメリットも出たとのことです。
企業に対してチームビルディングプログラムを提供し、「自走型人材・自走型組織」の開発に取り組んでいる楽天大学の仲山進也さん。彼も「準備なしではリモートワークはうまくいかない」と指摘しています。
研修を始めるときに「チームビルディングをリモートでやるのは僕も初めてなので、うまくいかないものだと思ってください。みんなで“手探り感”を楽しみながら、何か気づいたことがあればどんどんアクションしてくださいね」と共有していたことも相まって、“わちゃわちゃ感”からの“一体感”が生まれました。期せずして、リモート研修自体がチームビルディングのアクティビティになったんです。
この体験からヒントを得て、オンラインのチームビルディングプログラムをつくることができました。この体験談で何が言いたいかというと、リアルでやっていたものをオンラインに置き換えるというのは、そんなに簡単なことではないということです。準備なしでやって、すぐにうまくいくようなものではないので、工夫が必要なんです。
ではどのような工夫が必要なのでしょうか。仲山さんは「お題が変わったことを認識することが大事」と言います。顔を合わせながら信頼を得る方向とは?というお題から、顔を合わせなくても信頼を得るには?というお題に変化したということです。そのためには「リモート3密」をつくり信頼関係を構築することが有用です。
※ https://ix-careercompass.jp/article/4874/ より引用
今後も工夫を重ねながら、より良い仕事ができるようにしていきたいと思います。ぜひみなさんの工夫もコメント、投稿してくださいね!
---------
みなさまからいただく「スキ」がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます!
タイトル画像提供: K.Nakano / PIXTA(ピクスタ)