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高騰する金の価値

金の値段が上がり過ぎてて、制作の手が思わず止まってしまった、、、

金箔には色々種類がありますが(一般的には銀の含有率で変わる)、僕が使用している金箔は、1枚三寸六分(109×109mm)の大きさで、金:95.79% 銀:3.54% 銅:0.67%、の割合で製造された金箔を使用しています。
その金箔は確か10年前まで200円程度だったのが、2022年4月には300円に!!(その10年前はもっと安かったけどもね、、、)

そして、最近新たに購入したら、1枚310円になっていた、、、涙

因みに、文化財などで使用する金箔は、金:98.91% 銀:0.50% 銅:0.59%の割合で圧倒的な薄さでユネスコ無形文化遺産にも登録されている物が使われています

金が上がった原因は様々ありますが、やはり、ロシアによるウクライナ侵攻がきっけみたいですね。
本当、様々な事に影響が出てますよね。。。

僕の作品の方向性的に、金箔は他の素材と変わりが利かず、なくてはならないので使い続けるしかないのですが、、、それにしても300円オーバーは痛い、、もう少しで豚丼の値段に追いつくし、下手したらランチ食べれますよね。。
一枚使うたびに「ランチ1回、ランチ2回、3回、、4回、、、」て思わず数えてしますようになってしまった、、
僕が金箔を使用して制作する時、作品によりますが、基本的には数百枚は余裕で使います。それを本当ランチの回数に数えたら、、、、
いや〜、貧乏臭くてすみません。
画材の値段が上がったからと言って、作品の値段を上げる理由にはならずでして、もしそれが理由になるなら、高い素材を使った作品=価値ある作品となってしまうわけで。そんな馬鹿な話はないですよね。

金箔を使用した自作品/木様マン


漆と木

僕自身の作品スタイルが絵画と立体を手がける為に他の作家と比べて、多くの種類の素材と触れ合うことがあるのですが、折角なので、その中でもいくつかの素材を取り上げて値の変動を見てみようと思います。

先ず漆。
日本産の漆もやっぱり余裕で値段が上がってますね。

中国産漆も約4年前に価格改定があり、また最近更に値上がりしているみたいです。
中国の人件費と原材料の高騰、また円安の影響や、ロシアウクライナ侵攻による、国際情勢の悪化による原油等の高騰を受けての値上げみたいです。

漆はウルシ科の木があって、それに直接切り傷を入れて、そこから採取する液体なのですが、天然の塗料や接着剤として活用されてきました。
日本ではその起源は縄文時代の漆器まで遡り、現在までその用途に大きな変化がない形で残っています。

僕はその漆の独特な美しさに魅せられちゃってるのと、数千年という時を経ても尚、その形を大きく変えずに現代に続いている所に大きな魅力と、そこにある種の日本人にとっての普遍性が隠れているのでは?というロマンを感じてるのがあって使用しています。僕の作品を語る上で、重要な素材になっています。

漆を使用した自作品/彼岸獅子図-阿-

木はどうでしょう。
上がっとる!
まあ、それはそうか、、、
2021年にアメリカで発生した、低金利やCOVID-19による在宅勤務の広がりなどによって木材需要が増加して、価格が急騰。その名も「ウッドショック」があったんだた。


木材を使用した自作品/かつてそれは白兎様だった

作品制作で必要な画材は、ノールックで買ってる為に、あまり今まで価格のことは気にせず購入していたのですが、さすがに金箔の価格高騰はちょっとダメージを受けちゃいましたね。
この30年間、日本人の年収が上がっていないことが話題ですが、普段、経済の動向に無頓着な自分でも流石に考えちゃいますね。

あと、僕なんかよりよっぽど大変なのは、その素材を扱っている画材屋さんとかだよなと。
そもそも、漆や木や、その他の画材も自然由来の物が多く、自然に対する畏怖が増すばかりですが、自分は粛々と作品を作っていくしかなく、自分の活躍を通して、その素材に少しでも光が当たればと願うばかりです。

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