デジタルトランスフォーメーションをWeb3フレームワークで考えよう
デジタルトランスフォーメーションを、「トランスフォーメーション・ファースト」で取り組む
多くの企業で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが盛んです。企業の成長のためには、デジタルトランスフォーメーションが必要だからです。
ところで、このデジタルトランスフォーメーションは、「デジタル」と「トランスフォーメーション」の2つの単語から出来上がっていますが、みなさんは、どちらの単語に強く焦点を当てているでしょうか。つまり、「デジタル」と「トランスフォーメーション」のどちらを重要と考えるかです。
デジタルが重要と考えれば、「デジタルを活用した、ビジネス、業務のトランスフォーメーション」という理解になるでしょう。トランスフォーメーションが重要と考えれば、「行うべきビジネス、業務のトランスフォーメーションに、デジタルを活用する」となるでしょう。何か、言葉遊びのように聞こえますが、すこし前に流行ったフレーズを使えば、「デジタル・ファーストか」、「トランスフォーメーション・ファーストか」という違いになるのでしょう。
私のお勧めは、「トランスフォーメーション・ファースト」であり、「行うべきビジネス、業務のトランスフォーメーションに、デジタルを活用する」という考えを、デジタルトランスフォーメーションの定義としてりようすることです。
多くの企業では、デジタル力が低いために、「デジタル力強化」から取り掛かっているようですが、重要なのは、その企業の将来の姿を創造すること。そして、その将来の仕事・業務を想像することではないでしょうか?
トランスフォーメーションのヒントは、Web3にある
実は、トランスフォーメーションを考える時に、良い参考事例があります。それは、「Web1.0→Web2.0→Web3」の流れです。
Web3は、Webサイト、Webサービスの言葉であり、ビジネス・業務まで広くないと感じている人もいると思います。しかし、この流れを理解すると、実は、デジタルトランスフォーメーションのためのトランスフォーメーションのヒントが出てくるのです。
上記に示したのは、私が作成したWeb3フレームワークです。Web1.0、Web2.0、Web3の代表的な特徴を整理しました。そして、青い行の部分に、考えたい業務を書き込み、そこに必要な要素を入れていくのです。
ここでは、スマートフォンアプリによるタクシー予約(GOのようなもの)の実例を整理しました。
タクシーの配車アプリは、最初はタクシーをスマートフォンから呼び出せる単純なものでした。これでも、地名がわからない場所でも、正確にスマートフォンの位置情報により、タクシーを呼び出せるようになり、かなり利便性が高くなりました。次に、タクシーアプリに、事前にクレジットカードの情報などを登録することで、予約時、または乗車時に、事前に決済が行えるようになり、さらに便利になりました。
そして、今では例えば、「GO」は、複数のタクシー会社で共同で使われているために、以前のようにAというタクシーが配車できない時に、お客様が自分で異なるB社に再度連絡などという面倒な仕事から解放されたのです。
自社の業務をWeb3フレームワークで書き出してみよう
上記のタクシー予約サービスは、すでにWeb3の領域まで到達しています。しかし、多くの事業やサービスは、まだまだWeb3の領域に到達していません。
例えば、ラジオのインターネット配信サービスは、
Web1.0時代
シンプルなラジオ配信
Web2.0時代
聞き逃し配信
エリアフリー昨日
と進化していますが、おそらく今後Web3の概念を取り込んだサービスになるのではないでしょうか?そのために、Web3の特徴である、
ラジオ音声以外も配信するのか
配信だけでなく、自分のデバイスに一時的に保管を許可するのか
ラジオ局という垣根を下げるのか
などの検討アイディアが、「Web3フレームワーク」から考えられるのではないでしょうか?
このように、デジタルトランスフォーメーションを考える時に、Web3フレームワークを使うと良い考えが出るかもしれません。ぜひ、取り組んでみては如何ですか?