北京の新空港「大興」はなぜステキなの?ザハさんのデザインになった経緯も紹介
北京の新しい空港「北京大興国際空港」(ペキンだいこうこくさいくうこう)が9月25日から正式OPENされました。
新聞やテレビの報道ですでにご覧になったかもしれませんが、世界最大の単体ターミナル、建設が今までで一番速い空港、イギリスのガーディアン紙に「現代世界の7大奇跡」と評価されたことなどが話題になってます。
建設期間4年、投資額800億元、天安門広場63個分、年間1億人の運送能力、地下に新幹線と直結する便利さ、ハイテクを駆使した素早い搭乗...
などなど新空港に関していろんな話ができそう。今日はデザインについて話しましょう。
■広い空港って聞くと良いイメージ全くしないのですが...
とても広いと言われると、アカウントから搭乗口までとても時間かかる気がしませんか?
特に今までの北京の空港「首都国際空港」の場合、一番遠い搭乗口だと、手続きが済んでターミナル間移動モノレール乗ってとかで、出発棟に着いてから20分あっても足りないですね。
でも新空港の場合一番遠い搭乗口までは600メートルで、歩いても8分で大丈夫だそうです。
↑左側は首都国際空港T3、右側は大興空港の全体図
↑室内全体は白いイメージで、天井に12800枚のガラスを使って、昼間は電気による照明がいらないです
↑全体的に8個のC型の柱で大きい空港の屋根を支えてます
↑C型といっても天井の一番広い所は直径23メートルで、下の一番細い所はわずか3メートルです。
■広い、カッコ良いだけではなく実用的だ
見た目が超素敵なのですが、それよりも便利さが重要です。空港っていくら広くても結局ボトルネックになる場所が混雑渋滞して広い意味が全くなかったりします。特に中国では...
でも新しい空港はいろいろ考えられて設計されてるとのこと。まず到着と出発とも2つの階で同時に行うことが可能なので手続きのスペースを有効活用することができるとのこと。素晴らしい!
そして地下には電車の駅があるのですが、市内の「草桥」って駅まで直行の空港ラインで19分でいける、また新幹線の駅も直結してます。
北京経由で新幹線で地方に行くのがとても便利。今までみたいに新幹線駅に行くためだけに電車乗って頑張る必要が無いって革命です(まぁ上海はすでにそうなのですがね...)
新空港は北京の南に作られたのですがこれもいろいろ思惑が。おそらく北京の南側をもっと発展させたいって意図もあるでしょうし、南の方に飛ぶ飛行機だと新空港から出発する場合北京市内を経由しないから利点があり時間の節約にもなると言われています。この辺り詳しくは今後書こうかな。
■このデザインで完成した経緯
今のデザインが採用され建築された経緯ってご存知でしょうか。世界の有名なデザイン事務所から設計案を募集し、さらにそれが改良されたのです。
募集が始まる前に、新空港に関するいつくかのニーズが公開されました。
保留一个完整的空侧区域,以提高航空器的地面运行效率;
规划两个陆侧区域,满足远期终端容量需求;
采取“主楼+卫星厅”的模式,便于分期发展
↑航空機の地上効率を良くしろ、長期的なターミナル容量を高めろ、「本館+サテライト」型にして、開発を促進せよ と
そして、2011年に政府側が募集で初回審査に合格した下記の7つのデザイン案を公開しました。せっかくなので全部写真を拝借して載せておきます。
フォスター事務所(首都空港T3のデザインを担当)
北京市建設設計研究院と中国民航空港建設グループ連合
上海市華東建築設計研究院とシンガポールCPGコンサルティング会社連合
アメリカHOK建築事務所とオランダNACO空港コンサルティング会社連合
フランスパリ空港工程会社(ADPi)
イギリスZaha Hadid Architectsなどの五社連合
イギリスロージャス建築事務所とArupグループ連合
↑フォスター案
↑北京市建設設計研究院 案
↑上海市華東建築設計研究院 案
↑アメリカHOK建築事務所 案
↑ADPi、パリ空港工程会社 案
↑イギリスZaha Hadid Architects 案
↑イギリスロージャス建築事務所 案
当初はスター型のデザインはあまりにも中国の色が強すぎで中国人から見てもちょっと微妙ってみんな言ってました。でも考え方がとても評価された。
そして議論の結果「全部満足できない部分があるよ、それぞれのデザイン事務所が自由意志で話し合って改善案を出してくれ」ってことに。
↑改善案の外側
↑改善案の内側
2014年1月、実現にあたって「ADPiのデザイン案をベースにして、それぞれの優秀な所を採用し、ADPiとHadid事務所が改善に取り組んでもらう」ことが発表されました。
そして最終的に今の大興空港になりました。
すごくザハのデザインの感じがしますね、素晴らしい!
■そしてそして
国慶節の連休中、新空港も観光名所の1つになりたくさんの観光客が訪れた。乗客と観光客の比率はまさかの1対23だったそうです。。
北京の新しい空港にぜひ行ってみてくださいね。みなさんご存知の通りこれは超有名建築家「故ザハ・ハディド」が設計に関わった。後世に誇る空港として今後中国、北京の顔となるでしょう。
それだけに東京の新国立競技場が大人の事情だとかで彼女の最期の作品とならなかったことがとても悔しい。。
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(参考资料)