年明け以降の米国債市場は売り材料に敏感です。世界の中央銀行が金融緩和の出口に差しかかるなか、長期金利には上昇圧力がかかりやすくなります。
おまけに、年末に決まったトランプ減税による米財政赤字の拡大は、債券市場の重圧となります。減税と歳出増に伴い財政赤字は広がるが、米政治の舞台では警戒感は乏しいといいます。
財政赤字の削減疲れが出ているうえに、中間選挙を控えた歳出増の圧力も働きやすい。共和党が好む国防費の増額に、民主党の協力を得るためにそれ以外の歳出も増やす羽目になります。
米国は完全雇用の下にあり、財政の大盤振る舞いを続けながら、金融の蛇口を緩めたままでは、将来のインフレ圧力を高めてしまいます。ハト派とされるニューヨーク連銀のダドリー総裁まで、そんな警告をしだした。米国債利回りの上昇は、経済の過熱やインフレの芽を債券市場が監視する「債券自警団」が活動を始めたことを物語っています。