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大量の猫好きと広がる猫ビジネス。

昨年は、2(にゃん)が6つになるスパー猫の日があった。その日のコンビニのレシートにはなんと2222円の文字が! 改めて、猫好きで猫とは切っても切れない関係なんだと勝手に思ったものだ。猫レーダーが付いているのか、街に溢れる猫グッツにもどうしても足が止まってしまう。街中でこちらを見ている猫の視線にもなぜか気づいてしまう。肉球のぷにぷに、もふもふの毛並み。少し病気なくらいな状態だと思う。

そんな猫好きだというのに、不覚にも「夜は猫と一緒」という漫画を知らなかったのだ。恥ずかしながら、知ったのはアニメのシーズン2の配信が始まった3月だ。すぐさま原作の単行本を手に入れ、睡眠時間を削って4巻を完読。いまは今月末に出る5巻が待ち遠しい状況だ。アニメは「疲れた日、寝る前に見て癒やされるアニメ」と言われるだけあって、ふと全てを忘れて優しい気持ちにしてくれる。

コロナ禍で猫の飼い始める人はかなり増えたらしい。身体的なコミュニケーションへの強い欲求を『スキンハンガー』というらしいが、それを猫に求めているという説もある。確かに、自分自身ももふもふの触り心地のクッションなどが売っているとついつい触ってしまう。猫なら格別だ。やはりコロナ以前から撫でる欲求があったと思う。もう人と猫とは切り離せない関係になっているのだと感じる。

猫がたくさん飼われるようなるのと時を同じくして、猫ビジネスがどんどん拡大している。なかなかの勢いだ。これはビジネスとはいえないかもしれないが、身元確認用チップの埋め込み義務化には驚いた。既存の猫には努力義務だが、新規に飼う猫には義務が課されているという。専用の注射器で首の後ろに埋め込むというが、人へのチップ埋め込みも始まってはいるものの、なかなかの違和感を覚える。背景や理由については頭では分かっているが、どうしても痛そうな気がしてしまう。

人に最近普及し始めたサービスの猫版もすでに登場している。例えば、PetVoice。首輪型の健康管理端末で、体温や活動量といったデータを取得できる。人は指や手首にリングをはめてスマホでデータを管理するアレと同じだ。まずは病院は獣医師と組んで病気の早期発見に使うようだが、デザインや大きさを工夫すれば家庭用でも十分に普及していくのではないだろうか。

世界に目を向けると、オンライン診療のスタートアップまで登場している。それも何社もあり、中には診察や処方箋の発行にとどまらず、ペット保険と組み合わせたサービスや適切なリアルの受信先を見つけて予約が取れるサービスも提供しているらしい。小売大手のウォルマートと提携して顧客開拓も進めている会社もあり、一部の富裕層向けのサービスではなく、大衆向けのサービスとしての道を歩み始めているように感じる。

ドイツや中国ではペット向けバイオ医薬品なるものが開発されているようだ。ドイツの製薬大手は、すでに馬の軟骨損傷および腱・靱帯損傷を治療する薬のEU内での販売承認を受けているという。中国のスタートアップは、様々な病気、特にペットの高齢化で発症する様々な病気の治療薬の開発を進めている。ペットも家族と捉えて、「ヒト幹細胞製剤と同様の高い基準で、薬効に対する厳格な試験と改良を進めている」とCEOは話している。とはいえ、チップの埋め込みと同様、少し不安を感じてしまう。

最後は人ならぬペットの終活の話だ。秋田で終活フェアが行われたらしい。東北でペット関連事業を手掛ける8事業者が集まったという。健康食品やエステ、墓石や仏具、写真館など様々だ。家族の一員であるペット。一緒に暮らしている時から、より良い最後を迎えるために、できることを精一杯していく。そんなニーズを様々な分野の事業者が一緒になって満たしていく。こんなところでも得意技の掛け算で新たな価値が生み出されていくような気がする。

猫は一大マーケットだ。そして、大企業だけでなく、スタートアップも、もちろん街の事業者も、そして個人も創意工夫で色々なビジネスを始められそうだ。猫好きから始まった新たなビジネスが日本の至る所で生まれたら、癒しと儲けがセットになり、街が元気になっていくのではないだろうか。ぜひ、みなさんも面白いビジネスを考えてみて欲しいと思う。


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