イベントの行方:ドイツのオタク文化はオンライン化で国際化
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イベントの行方:ドイツのオタク文化はオンライン化で国際化

Kataho@フランクフルト

ドイツのアニメファンたちのイベントはコロナ禍によりオンライン化しわけですが、オンライン化することでドイツ以外の国にも拡大しつつあるようです。今回は10月に開催されたイベント2つをご紹介し最新動向について考えてみたいと思います。

日本のアニメの海外展開は引き続き好調のようです。先日も東映アニメは海外向けライセンス事業が好調だと発表していました。

ただし、ライセンスが売れたからといって、それが現地のアニメ文化の普及拡大に貢献するかというとそうではなく、実際はその前提条件に過ぎませんん。現地での様々な展開が重要になります。

ドイツでは10月に、アニメフィギュアのイベント『WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!! Europe 01』(以下「ワンホビ欧州」)とアニメファンのイベント「ディギコミ」がオンライン開催されました。

前者は、アニメグッズ大手のグッドスマイルカンパニーなどが日本で実施したフィギュアのイベントです。

ドイツ、ベルリンのフィギュア販売店Figuyaは今回、その欧州版をオンラインで初開催しました。(以下は公式サイトからのスクリーンショット)

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後者は、ドイツ最大級のアニメファンイベント「ドコミ」が手掛けるオンラインイベントです。すでに何度か開催されていますが、今回はアマゾンとのコラボによる開催となりました。

まずは、「ワンホビ欧州」ですが、日本の同名イベントの開催期間に合わせて、ドイツからオンラインイベントが配信されました。筆者が気になったのはそのネーミングです。ドイツなのに「欧州」と銘打っているあたり、ドイツのフィギュアファンだけに向けられたものではなく、広く欧州のファンを意識しているようでした。一方で、プログラム内容を見ると、ドイツのアニメ、マンガ、イベント業界が協力しています。注目したいのは、日本からのイベントレポートです。日本の最新情報を知りたいという需要はあると思いますが、それは言葉の壁や時差、どのサイトをチェックすればいいのかわからない等々、カジュアルなファンには敷居が高い部分もあると思います。そこで、ドイツ側が日本のイベントを取り上げれば、効率的に情報も得られるし、その国の人に合った解説も可能なのではないでしょうか。

日本からの情報発信は必要ですが、現地のファンがうまく「咀嚼」できるような媒体の存在はもっと高く評価されてよいのかもしれません。

そして、「ディギコミ」ですが、今回のアマゾンとのコラボは、アニメイベント業界では筆者の知る限り非常に稀なケースかつ実験的な取り組みだったと思います。

まずは開催結果を見てみましょう。

およそ、のべ視聴者数14万人、実視聴者数8万7000人、最大同時接続数1万4000人だったそうです。

ディギコミはアニメファンイベントをオンライン化にあたり、VTuber分野の企画開発に力を入れています。今回も英語圏の大手エージェント『ホロライブEnglish』のVTuberのキャスティングに成功していたわけですが、ドイツのVTuberメディアが良質なイベントレポを公開していますので(ドイツ語が不自由な方は機械翻訳などを活用して)読んでみてください。

筆者が「ディギコミ」で注目したのは、まずは今回の開催での使用言語を英語に絞った点です。英語にすることで、米国はもとより広く世界のアニメファンにリーチすることができます。

日本からオタク文化が海外に伝播する、といったことを考える時、日本から放射線状に世界各地に直接広がっているような光景を思い描くのではないでしょうか?イベント事情をある程度知っている方なら、各国のハブとなるような大型イベントを介して、さらに国内の中小イベントに広まっていると推測もできます。

今回の「ディギコミ」における英語開催で明らかになったのは、日本のオタク文化がドイツを介して欧米に広まっているという見立ても可能な点です。

もうひとつ気になった点はアマゾンとのコラボです。コラボによりどういった効果を狙ったのか、ずっと考えてました。イベントでは、アニメ映画『シン・エヴェンゲリオン』の同時鑑賞会が開催されていました。これはアマゾンで配信中の同作品を一緒に見ながらコメントをしようという企画です。一緒に見れば、視聴回数が増えます。さらにこの視聴には、アマゾン・プライムの会員である必要がありました。新規会員の獲得効果もあったことでしょう。ここが到達点だと考えると、英語圏に強いVTuberをキャスティングし、英語圏からイベント参加者(視聴者)を集めて、同時鑑賞会に誘導するといった流れだったのかもしれません。

オンラインイベントの難しさはマネタイズにあると言われています。そういった中で「ディギコミ」の取り組みは先進的で実験的だったと言えそうです。

まとめます。

ドイツのオタク文化に関係するオンラインイベントを見てみると、参加者のターゲットは国内だけにとどまらず、むしろ国の枠を超えて、欧州や欧米圏に広がりつつあるようです。そうした中、ドイツの存在感が増しつつあるのではというのが今回の筆者の指摘になります。誰かの参考になれば幸いです。

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タイトル画像:『WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!! Europe 01』の公式サイトからのスクリーンショット

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Kataho@フランクフルト
日独文化交流家(日本ポップカルチャー) ドイツ、フランクフルト在住。日本のポップカルチャーを通じたドイツでの文化交流を支援しています。活動での「気づき」や日々の情報収集で感じたことをドイツからお届けします。 https://twitter.com/sakaikataho