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恋愛強者3割の法則。彼氏・彼女がいない方が多数派【コラム07】


「残業を命じれば断るし、週休二日制は断固守ろうとする。だから、仕事は金曜の夕方までにわれわれ上司が手を貸して片づけさせるしかないんです」

「社費留学で海外にやると、帰国したとたん会社をやめてしまうんで、期間を短くしたり、帰国後にノルマを課したりしています」

ふたつとも若い社員に対する上司たちの愚痴です。これを読んで「あるある」とお思いの上司の方もおられるでしょう。「だから近頃の若いモンは…」とか「だからゆとり世代は…」とかのセリフが口に出てしまう人もいるのではないでしょうか?

実はこれ、今から30年前、1986年の新聞の掲載記事です。当時の新入社員は「新人類世代」と呼ばれていました。当然、今は50代を超えています。つまり、現在上司となっている人たちが新入社員だった頃、当時の上司たちに言われていた内容が冒頭の言葉だったんです。

今も昔もなんにも変らないんです。

さらにさかのぼって、今から300年前、江戸時代中期の書物で、「武士道と云うは、死ぬ事と見つけたり」で有名な「葉隠」にも、以下のような記述があります。

「昨今の若者(武士)は、すべてにわたって消極的で、思い切ったことをしない」


「最近の男は、口先の達者さだけで物事を処理し、骨の折れそうなことは避けて通るようになってしまった」

江戸時代でさえも、変わらない。

いつの時代であろうと、若者というものはこういうもの。そして、いつの時代であろうと、おじさんはこういう愚痴を言うものなんです。つまり、時代や世代によって「新しい若者」なんてものは存在しないし、はっきり言えば世代論なんてものは無意味です。

「いやいや、そんなことはない。たとえば昨今の未婚化の現象にしたって、男の草食化だとか絶食化だとか言われているじゃないか! 我々が若い頃は、もっとがむしゃらに女性に対してアプローチしたものだ。決して我々の時と今の若者は同じじゃない! 」

© PHOTO BY 荒川和久


そう思いますか?

ではこちらを見てください。

厚労省の出生動向調査から、1982年~2015年までおよそ30年間に渡る男性の「彼女いる率」推移グラフです。

© 荒川和久

30年間一度たりとも30%を超えたことなどありません。いつの時代も7割の男には彼女なんかいませんでした。つまり、彼女ができて恋愛を謳歌できる「恋愛強者」はいつも3割という法則があるのです。冷静に考えてみてください。モテる男なんて大体そんな比率だったでしょう?

今50代でふんぞり返っている上司も、エビデンス出さなくていいことを理由に「俺が若いころはな…」と言いたい気持ちはわかりますが、嘘はやめましょう。

「いやいや、それはおかしい。厚労省のデータでは30年前は6-7割の男に交際相手がいたという報道を見たぞ」

そうですね。新聞などではそういう報道がされたかもしれません。でも、ちゃんとローデータをご覧になっていますか?見ていないですよね。そのデータでは交際相手の中に「異性の友人」が含まれているんですよ。


異性の友人?


友人?

友人とは彼女でしょうか?


もちろん、交際の定義はいろいろあるでしょうが、恋愛を語るうえでの交際とは、彼氏・彼女という立場になった段階を指すものではないのでしょうか。告白してOKされたり、互いに相手を友達以上の大切な人と認め合うことこそ、交際なのではないでしょうか。

したがって、女性に告白した際に「友達でいましょうね」と返されたら、それは大方のケースでフラれたということです。百歩譲って「異性の友人も交際相手である」という説に同意するとしても、それはせいぜい10代、それも中学生くらいまでの話ではないかと思います。そもそも、いつまでも「異性の友人」のままで、ちっとも「異性の恋人」に発展しないなら、それこそまさに“草食系”ではないかと思います。

「いや…しかし、80年代はバブル全盛期で、テレビドラマでも月9ではトレンディドラマが大流行して、若者は恋を謳歌していたはずだ。彼女じゃなくても、性体験は豊富だったはずだ」

まだ食い下がりますか。往生際が悪いですね。

では、性体験のグラフも見ていただきましょう。

© 荒川和久

どうですか?

こちらも30年前から18-34歳の童貞率はほぼ30~40%で変化ありません。2015年に42%になったと大騒ぎしていますが、決して過去最高ではなく、1987年の43%に負けています。


時代背景や環境、テクノロジーの進歩により、時代によって意識や行動が変化することは当然のことです。しかし、だからといっていつまでも世代論が通用すると考えること自体、時代の変化に適応できていない証拠じゃありませんか?

世代論が通用したのは、みな同じような年代で就職し、みな同じような年代で結婚し、みな同じような年代で子育てを経験し、みな同じような収入だった高度経済成長期という標準化社会までです。

男の生涯未婚が3割、単身世帯が4割、独身者が人口の5割に達するという時代の変化の中で、個々人それぞれ生活形態が多様化し、個人によっての所得格差もひろがる中で、いつまでも昭和のロジックが通用するはずがないのです。

世代論なんていう歴史の遺物に固執して、「イマドキの若者はこうだよね」と無理やりカテゴライズしようとすると、大事なことを見落としてしまいます。


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