見出し画像

自己効力感と優れたブランド体験について

ただし、彼女にとって結果は付随的なもの。一番大事なのは、やり続けているから「今日もやった! えらい!」と自分を褒めること。竹脇まりなさんが人気な理由も、ダンスのあとに「お疲れさまでした! よく頑張りました!」と褒めてくれるのがうれしいから。自分にできることを続けて、自己効力感や自己肯定感を増すことにつながっているという。

日経電子版:予測不能な時代を快適に ソロ活に達成感・やりがい ミレニアルスタイル

顧客の「自己効力感を高めるブランド体験づくり」が最近のテーマです。

自己効力感とは

自己効力感とは、「自分ならできる」「自分ならきっとうまくいく」という認知状態のことです。

自己効力感の提唱者のバンデューラは下記のように定義をしています。

特定の状況で必要な行動を遂行する能力に対する個人の信念

心理学者のバンデューラによる定義

優れたブランド体験は、
・小さな成功体験が積み重なって自信がもてる!
・このブランドとであれば目標を達成できる!
といった心理状態をつくることが上手だと感じています。

ちなみに、自己効力感のキーワードは、昨今検索ボリュームも高まっています。

Googleトレンドより

自己効力感について図解して整理してみます。

効力予期と結果予期の両方が高いと、行動を起こす可能性が高まる

ブランド体験において、下記2つの心理状態をつくることが重要だと整理することができます。

1. 結果を生み出すために必要な行動を自分が遂行できるという確信がある
2. 特定の行動がどのような結果をもたらすかについての予測や期待がある

顧客が自己効力感を高めることができる状態

行動を促すためには、自己効力感を高める、結果期待を調整するの2つが重要

情報を一方的に伝えるのではなく、顧客の自己効力感を高める、結果期待を調整する発想をもつことができると、結果的にブランドの購買・利用する状態につながるのではないでしょうか。

自己効力感を高める情報源

バンデューラは、自己効力感は以下4つの主要な情報源から形成されると提唱しています。

  1. 直接的達成経験: 個人的な成功体験

  2. 代理経験: 他者の成功を観察すること

  3. 言語的説得: 他者からの励ましや支持

  4. 生理的・情動的状態: 身体的・感情的な反応の解釈

自分が尊敬するブランド、任天堂のゲーム体験で整理してみます。
任天堂は、自己効力感を高めるための体験・情報設計がされているから、多くの人に愛されるゲームになっていると考えることができます。

マーケティングの実務においても、この4要素をブランド体験に組み込みながら、「自分ならできる」「自分なら使いこなせる」といった気持ちを醸成することが非常に重要だと考えています。

自己効力感を高める体験をつくれているか?

ブランド体験を考えるときに向き合いたいことを整理します。

・ブランド体験を通じて、顧客の自己効力感を高めることができる要素は何か?
・難しすぎる、複雑すぎるといった要因で、自己効力感を下げてしまっている要因は何か?

自己効力感とブランド体験

理想のブランド体験をつくる参考にしていただけたら嬉しいです。

最後に、このテーマで読んでいる本のご紹介をしておきます。
心理学、福祉などの領域で使われる書籍からマーケティングのヒントをもらえることは多いと思っています。

ここから先は

0字

マーケティングトレースのnoteメンバーシップコミュニティです。 マーケティング思考を深めたい、少…

スタンダードプラン

¥1,500 / 月