今更だけど言うよ。ガンガンテレワークを進めよう!
ヤフー(Zホールディングス)の伊藤羊一です。ほぼ全てテレワークな毎日です。最高です。もう、テレワークなしには生きていけません。
テレワークは、ワークスペースとパソコン、そしてオンライン会議システムがあればざっくり成り立ちます。あとは当然Wi-fiですね。
それで、私が学長を務めているZアカデミアの仕事から、4月から学部長になる予定の武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の仕事へ、物理的に移動したら1時間かかるところ、オンラインなら「移動時間0分」で瞬時に移動することができるわけです。
実際先月には、同じ日に高知県の大学で講演をした直後に、長野県のコワーキングスペースのイベントに登壇しました。その後一瞬、東京のどうしても外せない打ち合わせに入り、それに出た後すぐ、また長野のイベントに戻りました。こういうアクロバティックなスタイルでも、「移動時間0分」、つまりどこでもドア状態で入ることができるわけです。
かつ、それは全て、自宅から徒歩7分くらいの場所にある私の会社ウェイウェイのオフィスから参加できるわけです。この1年、ずっとこのオフィスに篭りっきりでした。通勤に時間も取られません。誰かと会うのも、基本的にはオンラインでしたので、移動時間がゼロなのです。毎日、だいたい2時間くらいは移動に費やしていましたので、営業日で掛け合わせると、1年で500時間くらいは自由に使えるようになりました。
最高ですよね。いや、最高なんです。
もちろん、エッセンシャルワーカーの方や、店舗勤務の方はテレワークが無理だろ、というのはわかります。セキュアスペース勤務の方も、そこに行かないと働けないですよね。本当に難しい方は、難しいのです。しかしそれ以外の、「オフィスで普通に働いている人」は、だいたい、テレワークでできるはず。営業だってできますよね。オフィスに来ることが営業の仕事でもないし。
なぜこれを強烈に進めないことがあるのか、正直、よくわかりません。
で、その部分、人が難しいと感じる部分の理由をしっかりと認識したうえで、やっぱりテレワークは浸透させていった方がよいので、今日私は、テレワークをガンガン進めようぜ!という話をします。今さらですが。私、テレワークが大好きですし、これが日本のオフィスワーカーの生産性を抜本的に改善させると確信しているので、浸透するまで言い続けようと思っています。
2020年はご存じの通り、テレワークが一気に市民権を得た年でした。で、2021年、緊急事態宣言が継続しながらも(3/17時点で、1都3県は継続中)、前回の緊急事態宣言の時よりは、テレワーク推進への意気込みが下がっており、確かに通勤電車やオフィスにおけるクラスター発生のニュースもあまり目立たない(というか、殆ど見ない)中、西村大臣が「テレワーク70%推進」を謳いながらも、現時点では
「テレワークを積極的に推進したい会社以外は、通勤ベースに戻っている」
という状況かな、という印象です。
こちらの記事を見ても、前回の緊急事態宣言の時より、実施率は10ポイントほど低下し、20%程度とのことだそうです。
いったんテレワークを経験された方にアンケートをとると、80%がテレワークを継続したい、ということのようです。それでも実際には、制度としてテレワークがあったとしても、とはいえ出社してよ、と指示されるか、またはなんとなく職場に出ないと気まずい、というプレッシャーの中で通勤している方が多いように感じます。
なぜ進まないか。
上の記事でも、こちらの記事でも、様々な理由が挙げられています。
2つの記事からみられる「テレワークの課題」は、まとめると
1)ペーパーレス、通信、機器対応、ワークフローなどの問題
2)コミュニケーションの問題
3)評価の問題
といったところかなと思います。
実際どうなのか、見ていきましょう。
1)ペーパレス、通信、機器対応、ワークフローなどの問題
これは、単なる、慣れです。
私の経験では、前職のプラスで、2011年頃よりiPadを導入し、ペーパーレスを推進し、ワークフローを徐々に導入していきましたが、結果として、出張中でもweb会議で出席できるし、わざわざオフィスに出社しなくても直行直帰で仕事になるし、導入前後で、圧倒的に業務効率があがりました。
通常は内線電話で対応していて、テレワークになると電話番号がわからなくなる、といったようなことがあると確かに不便だったりしますが、テレワーク向けに対応すればいいだけですし、そんなに手間がかかる話ではありません。
コストは多少かかるところもありますが、いつかは対応しなければならないのでしたら、今やりましょう。
2)コミュニケーションの問題
これは、こちらの記事をご覧ください。
結論を申し上げれば、コミュニケーションの問題は、web会議で1on1ミーティングをしっかりすれば、大抵解決します。そもそも、1on1をしっかりやっていなければ、コミュニケーションの問題は、出社していても発生しているはずです。
もちろん、通りがかりの先輩に質問して教えてもらう、とか、ちょっと調子が悪そうなメンバーに声をかけてみる、といったような「そこにいるからのケア」はテレワークですと漏れがちになりますが、slackの用な日常のコミュニケーションツールと、こまめなweb会議における1on1を行うことでクリアすればよいのです。
3)評価の問題
先の記事によれば
・仕事の成果が適切に評価されるか不安
・仕事振りが適切に評価されるか不安
とのことのようですが、
これは、1on1で話せば済む話です。
テレワークにおいて何が変わるか、というと、日常の仕事をしている姿が見えないだけですよね。しかし、「一生懸命頑張っている様子」が見える、見えないといったところは、評価には一切関係ないですよね。
web会議で1on1をして、こまめに業務の進捗を確認しながら、フィードバックをするだけ。アウトプットを評価するのが人事評価なので、これはテレワークの有無は一切関係ない、と考えています。
こうやって考えると、もっとテレワークができる会社や仕事はたくさんあると確信しています。そして続けたい社員もいる。なのに、なんで進まないか。厳しく申し上げると、結局「単にやりたくない」という要素が大きいのではないでしょうか。
そしてやりたくないのは、「旧来の常識」を変えなければならないから、
「あれはIT系の話だろ。うちの会社はテレワークに馴染まないんだよ」
とネガティブに考え、そのための理由を後付けで考えたりしてるのではないでしょうか。
もちろん私は、テレワークだけがベストである、と一切思っていません。しかし、オフィスで働く多くの会社員にとっては、生産性が段違いにあがるやり方でもあり、卓越した成果を出していくうえではやっぱり、テレワークの推進が不可欠である、と心から思う次第です。
もちろん、仕事はケースバイケース、テレワークが向いている向いていない、というのはある仕事はあります。
しかし、一方で仕事、職種によっては、本当にそうか?と問うてみるのもよいかもしれません。
本当に会社としてテレワークが向いてないのか、
本当にできないのか、
本当にテレワークをすることで効率が下がるのか、
本当に成果に結びつかないのか、
本当に工夫の余地はないのか、
本当に社員はテレワークでなく出社したいと考えているのか、
本当にコミュニケーションの問題は発生するのか、
本当に評価上の問題が発生するのか、
といったところをニュートラルに考えてみてはいかがでしょうか。
その結果として、一番成果が上がる方法をとる。それが出社、ということであればそれがベストなのでしょうし、ひょっとしたらテレワークを改めて導入してみたらいいかもしれません。で、おそらく多くの会社は、ハイブリッドにしてケースバイケースでやっていく、ということになるのではないかと思います。
テレワーク云々に関わらず、私たちは、働く効率を上げてアウトプットの生産性を高めることが可能な方向にガンガン進めていき、成果を出すことに異論はないと思います。
テレワークの推進は、そのひとつの可能性であることを、今更ながらではありますが、認識しなおしてみませんか。圧倒的な成果を出すために。
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