転職は大手かスタートアップか迷われることも多いでしょう。

私はシンガポールに約8年住んでおり、外資系企業勤務など様々なキャリアの方を見てきました。

そうしたところ感じることは、新卒、第二新卒などで大手を選んで転職を重ねている方の方が収入が高くなる傾向があると感じます。それはデータでもハッキリと現れています。

国税庁の民間給与実態統計調査によると、資本金10億円以上（大企業）と資本金2000万円未満（中小・零細企業）の年収を比べると、大企業の平均年収611万円に対し、中小・零細企業の平均年収は376万円とその差は歴然です。

ただし、スタートアップで会社が上場をして、株式による利益を得ている人もいるために一概には言い切れません。また、好きなことを追求したい場合は年収だけで決めることはできないでしょう。しかし、そのような前提条件を理解した上でメリット・デメリットを検討すべきでしょう。

・新卒生の就職先として大手企業とスタートアップ、どちらをすすめますか？その理由はなんですか？

新卒や第二新卒のメリットとしては選択肢が広く、様々な企業に挑戦できるというメリットが挙げられます。40代以後になるとそれまでのキャリアが見られるために転職はより専門的になります。様々な選択肢から選べる新卒では条件のよい企業を選んでそこからキャリアを作っていくことが考えられるかと思います。反対にスタートアップへの転職はもう少し後でも可能です。

また、不動産を購入する際に借りることができる住宅ローンやアパートローンも大手企業だと条件がよくなる傾向があります。ローンを借りた後にスタートアップに転職をしたり、独立・起業をするなどのライフプランを考えることもありだと感じます。

・大手企業とスタートアップにおける「挑戦」とは、それぞれどんなものだと思いますか？

大手企業の場合、仕事が細分化され、専門性を求められることが多いです。また、海外も含めて異動や出張も多くなります。

スタートアップの場合は様々な仕事を一人が行い、皆が社長や経営者のような感覚で動くことができることが多いです。また、上場や売却のゴールを持っている場合は強いモチベーションを社内で共有できるなどもあるでしょう。お金には変えることができない経験を買うことができる場合もあります。

・大手企業とスタートアップ、キャリアパスを考えた場合、どのように転職していくのが有効だと思いますか？

ある程度大手企業で経験、職歴、スキル、人脈、貯蓄などを得てからスタートアップに転職をしたり、独立・起業ができると理想的だとは思います。それまで培ったものを新しい会社に持っていき、貢献をすることもできます。

しかし、一度しかない人生なのであくまでも自分で選択をして人生に責任を持つことが肝要です。

#日経COMEMO  #就職は大手かスタートアップか