「真似る」ことから「学ぶ」が始まる
マッチングアプリ業者や婚活サービス業者は広告料を払っている広告主だったりするので、メディアは絶対に否定的なことを言わない。メディアによっては、「マッチングアプリのネガな部分を記述した記事は掲載できません」とか表現規制的なことを言い出す出版社系メディアもある。そんなところとはお付き合いしないのでいいのだが、大新聞までもが「PR」表示なしに、マッチングアプリが少子化の救世主だとかいうトンでも記事まで書き始めたら、もう終わりだと思う。
冷静に現状を分析すれば、マッチングアプリ経由での結婚が増えたといったって、全体の結婚数はだだ下がり中なんだし、割合が増えても実数はたいして増えていない。しかも、増えた分も「アプリがこの世になくても結婚できた層がたまたまアプリを使って結婚した」だけであって、婚姻数の純増にはまったく寄与していないといっていいだろう。
特に、高校時代まで誰とも付き合ったことがないような恋愛弱者の7割はアプリなど手を出すだけ時間と金の無駄なのでやめておこう。
そもそも何か勘違いしていると思うのだが、アプリというのは1対1の勝負である。今まで1対1のお付き合いもしたことがないのに、いきなりアプリだからそれができるという保証はない。
金も顔も自信も経験もないような人間が1対1の勝負で、しかも単に「街のナンパのデジタル版」でしかないマチアプでうまくいくはずがない。下手に手を出しても余計に自信と自己肯定感を削るだけて何もいい事ない。
悪いことは言わない。恋愛弱者は1対1のマッチングアプリなんか使うより、まずは団体戦の中で経験値を高めた方がいい。1対1で勝てるのは恋愛強者だけなんだから。
団体戦、つまり合コンの復活である。
そういう意味では、コロナ禍の制限があけて、対面での飲み会などが復活したことは喜ばしい。
そして団体戦が何よりよいのは、マッチングしなくてもそこそこその会を楽しめるということ。
終わった後「あ~楽しかったな」という経験こそが大事で、その積み重ねが無意識に自己肯定感につながる。そうなると一緒に連れてきた友達のサポートすること自体も楽しいものとなるし、お返しに次は友達がサポートしてくれるようになる。そういう態度や関係性は相手からも好印象になる。モテようとしなくても勝手にモテるようになる。
大事なのは、合コンに行くメンバーには必ず恋愛強者を入れておくこと。
「え?モテる男入れたら、そいつに全部持っていかれるじゃないか」という思考そのものが非モテの発想。
恋愛強者のその場での会話術や立ち居振る舞いというのを勉強し、真似るための経験なのである。自分が付き合う相手を見つけるための会などということは忘れて、徹底的に強者の行動を観察するための会である。
多分、モテる男というのは、テレビに出ているお笑い芸人並みに、頭の回転が速く、会話の返しが絶妙で、鉄板の笑わせネタもあるはず。できれば、複数の強者を用意して、それぞれのやり方の違いを見るといい。
本気で観察すれば、「ほほう」と感心するような行動、言動をとっているはずだ。簡単なのは、相手の女性の話に対する相槌の打ち方のバリエーションを学ぶといい。決してワンパターンではなく、同じ言葉でも表情や手の動きを変えたりしているものだ。
自分が話すことばかり気にしがちだが、それと同等以上に相手に気持ちよく話させる力も重要。
特に、オタク計の人は自分の喋りたいことだけに夢中で、そのあたりの余裕がない。
そういうのを学習して、実際に練習するためだけの会も経験して…、なんてことを繰り返しているうちに、絶妙に会を回せる名司会者ぶりが身に付くかもしれない。
いつしか、会を楽しく運営すること自体に生きがいを感じて、相手を見つけることなどどうでもよくなるかもしれない。
でも、それでいいんです。出会い云々より、そうして自分が楽しくしあわせになることの方が先。
恋愛したら、結婚したらしあわせになれるんじゃなく、しあわせな奴が恋愛や結婚をしていくのだから。
こういうことを書くと「そもそも俺には合コンに一緒に行く友達がいないんです」というのが出てくるのだが、いないのなら婚活パーティーでもなんでも行って、そこで見本となる恋愛強者を見つければいいと思う。別に友達になる必要もなく、その場で強者らしい人を見つけたら、その近くに行って、それとなく観察すればいい。一緒に会話に参加できるなら尚いい。
そして大事なのは、徹底的に真似ること。面白い話は自分のネタになるくらいまで他人に話して慣れること。
大谷翔平だって手にマメがたえないくらいバットを振っているんだから、恋愛弱者ならいわんやをや。
「学ぶ」の語源は、「まねぶ」であり、「真似ぶ」と同じ語源であるともいわれます。つまり、「学ぶ」とは「真似る」ことから始まるのです。