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ワーキングマザーのメンタリング経験と3つの気づき

「このままで、良いのかな?」
これは子供を保育園に送る際、私の頭に時折浮かぶ言葉です。

私は現在、2人の子供を育てながら、スタートアップ/VC業界で働くワーキングマザーです。産後復帰後も、育児と仕事の両方で、今の自分ができること精一杯を日々やり切っているという自負はあります。

しかし、出産前と比べて新しい情報を学ぶことや、仕事で興味があるイベントや交流会に参加できる時間はほぼゼロに近くなりました。そして子育てでの経験値はあがっていく一方で、ビジネスという観点からは自身の視野も人とのつながりも弱くなってきたなと思う瞬間が多くありました。

そんな中、私は幸運にも、Tokyo Women in VCが運営する「女性VCメンタリングプログラム(β版)」に参加する機会を得ました。

このnoteは、一人のワーキングマザーがメンタリングを通じて得たことをお伝えするものです。パーソナルな情報もあるので、詳しい内容は伏せながら当日の記録を書き留めているので抽象度が高く分かりづらく感じる所もあると思います。しかしこれを一つの事例に自身のキャリアについてモヤモヤしている私と同じようなワーキングマザーへ何かヒントをお届けできれば嬉しいです。

メンタリング当日の写真、子供が鼻水を出していたので呼び出しが無いことを願いながら会場に向かいました。

なぜメンタリング?コーチングとは何が違うのか?

私は産後から継続的に、コーチングのセッションをオンラインで受けていました。産後のホルモンバランスの崩れや、24時間乳児優先にの生活に、自分自身が何をしたいか分からなくなる時間が多かったため、思考を整理する伴走者としてコーチとの時間を継続的に持つようにしました。私にとってのコーチは考えや感情を引き出してくれる存在ではありますが、業界の新しい情報や視座を与えたり、アドバイスをしてくれる存在ではありませんでした。

一方で、メンタリングは、受け手が積極的に助言や視点を求めても良い時間です。「視座の低さ」「発想力の衰え」を感じていた私には、業界の大先輩の経験や知識をお借りして自分の中に入れる情報や考え方を底上げしたいと願っていました。

※「メンタリング」についての詳細は、日経の記事を抜粋しご紹介します。

メンタリングは1980年代に米国で発展した人材育成手法とされる。一般に直接の上司以外で経験や知識の豊かな年長者がメンターになる。継続的に相談の機会をつくり、助言を受けた人が仕事上の課題やキャリア形成上の悩みを解決できるように後押しする。指揮命令系統ではないため、信頼関係が大事だ。国内でも多くの企業が新入社員や女性社員を対象にメンター制度を導入している。複数のメンターが1人を支援する例もある。

日経産業新聞「根付くかメンター文化」より

メンタリングに向けての準備

メンタリングの日、当日までに、私は3つのことを準備しました。まず、メンターの方のコラムや記事を一通り目を通し頭に入れる事。次にどのようなお話を聞きたいか自分の考えを整理すること。メンターの方はお忙しい方なので、初めてお会いした際、1分以内に自身のことを理解してもらえる自己紹介資料を作成することです。子供の予防接種を受ける時の病院の待ち時間や、移動時間を活用し、最大限の準備をしました。

1分以内に自身のことを理解してもらえる自己紹介資料(イメージ)

メンタリングから得られた3つのこと

メンタリングの時間をいただいた場所、天井が広くて気持ち良い空間でした。

当日は私一人にこれだけの時間を割いていただいて良いのかと思うほど、とても有意義な時間をもらいました。私個人のメモには書ききれない程のメモが残っています。本noteでは特に心に残った3つのことを書き残しておきます。

1)視野を広げる時間になったこと

今のスタートアップ、VC業界にとって大切なことを、私の仕事との共通点を意識しながら高い視点で聞くことができました。また私自身のキャリア上の可能性を妄想いただけたことに、大きな勇気をもらうことができました。私にないものはたくさんある。でも他の人にない、自分だけの強みがあると思えることで、育児と仕事の両立に疲弊しそうになったときも、しっかり休んでまた、前を向いて歩んでいく力になると思えました。

2)自分と同じ年齢だった時のエピソードで喝が入ったこと

次に私の心に残ったのは、メンターの方が今の私と同じ年齢だった時のエピソードでした。私と同じ年齢の時に、その方は「(ご本人の言葉をお借りすると)普通のサラリーマン」だった。そこからのキャリアチェンジや、知らないということが武器になること、つらい時こそそれが成長の糧になることなどは、私の年齢や悩みとも紐づくものだったこともあり、メンターの方のキャリアを身近に感じることができました。そして、私も今から出来ることがたくさんあるはずという希望と気力を生み出してくれました。

3)ヒーローの視点が増えたこと

メンタリングの準備時間も含めて、私が得られた最も大きなことは「ヒーローの視点」を増やすことができたということです。これは投資哲学で有名なロバートキヨサキのベストセラー書籍にも書かれている内容ですが、素敵だなと思う人達の思考を後追いすることで、その考え方を学ぶことが出来るというものです。

取引におけるヒーロー像をもち、その人たちの思考を後追いする。彼らがどんな風に投資対象を選んでいるか、どのように交渉して取引をまとめているか。ヒーローになりきることで彼らの底知れない才能脳一部を手にすることができる

※ロバート キヨサキ「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 」

私は、事前準備の期間も含め、メンターのコラムやインタビュー記事を何度も読み返し、時に音読し、その方の考えに触れる時間を持っていました。

そのような時間の積み重ねにより、私はメンターの方の思考を後追いできるスタートラインにいると感じています。この力が定着するかどうかは、これからの意識付けや努力が必要な点ですが、このチャンスを手放さず、思考の習慣に入れていきたいと考えています。

メンタリングの機会をより豊かにしていくために

ホテルのエントランスにあった作品、帰りにお辞儀したい気持ちになりました

私は自身が悩んだタイミングで、これ以上無い豪華なメンターの方とのメンタリングの時間を得ることができ、本当に恵まれていると感じています。このような贅沢な時間を頂き、その結果として「勉強になりました」という言葉で終わらせず、今後の行動や思考プロセスに活かしていきたいと思います。

その一つのアクションとして私自身も小さく行動したいと考えこのnoteの公開を決めました。人は72時間以内に学んだことをやらないと忘れてしまう言葉を思い出し、超特急でPCに向かい文字を打ち込み、公開しようとしています(します!)

拙い文章かもしれませんが、私の経験談を共有することで、モヤモヤしている女性たちの背中を押すことに繋がったり、今後のメンタリング参加者にとってより価値のある時間を作るためのヒントを届けられたら嬉しいです。

そして、そのような経験値やノウハウがどんどんコミュニティやエコシステムに反映されることを願っています。

希望を持った女性の存在やその発信が増えていくことで日本のスタートアップ、VC業界の多様性がより豊かになると信じています。そして私自身がその一人として、これからの仕事、子育てでを通じて、より豊かな時間を作れるよう、肩の力を抜いて今できることを、一つづつ丁寧にやっていきます。

最後に、改めてこの機会を企画・運営してくれたTokyo Women in VCのメンバー、メンターの方には心から感謝したいと思います。

Special Thanks to メンター人の皆様 / Tokyo Women in VC メンバー(※)
・Sophie Meralliさん
・古川 詩野さん
・鈴木 絵里子さん
・松本 美鈴さん


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