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ウナギ「完全養殖」は実現するか!? 悲願達成への長い道のり

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。突然ですが、うなぎ、好きですか?

わたしは「人生最後の食事はなにか?」と問われれば、迷いながらも「うなぎ」と回答するくらい大好物です。(そしてデザートには宮古島産マンゴーを)

近年、養殖うなぎの元であるシラスウナギが減少しており、このままでは食卓から消えることは間違いないだろうと言われています。こんなに身近な魚なのに、実はその生態は謎だらけ。つい最近まで、どこで生まれるかすらわかっていなかったというレベルです。

ウナギは孵化までおそらく1日半、仔魚になるまで半年、合わせて約1年を海水中で過ごし、あとは淡水で生活するそうです。ウナギを図鑑で調べてみると、ほとんどが淡水魚の図鑑に載っていて、海水魚図鑑には載っていないのはこのためだと塚本さんは話します。
 では、ウナギはどこで産卵しているのか。これが最大の謎でした。調べ初めは本州近海でしたが、それが沖縄の南、台湾沖、フィリピン近海とだんだんと推定場所が南下していきました。中でもフィリピンではウナギの変態前であるレプトケファルスが見つかるなど期待が高まりましたが、しかし卵は見つかりません。
 そこでウナギを捕って調べてみると、あることがわかりました。冬だと思われていた産卵時期が、実は夏だったのです。

現在養殖うなぎと言われているものの99%は、天然のシラスウナギを海で捕獲したものを育成しています。この稚魚がどんどん少なくなってきており、産卵〜稚魚〜成体までを人工で行う完全養殖が悲願でした。2010年に水産総合研究センターが人工孵化したウナギを親ウナギに成長させ、さらに次の世代の稚魚を誕生させるという完全養殖に世界で初めて成功したと発表。わたしのようなウナギloverにとっては、これ以上ない朗報でした。

独立行政法人水産総合研究センターは、実験室生まれのウナギのオスとメスに成熟誘導処理を実施することにより、卵および精子を採取し、人工授精したところ3月27日(土)にふ化仔魚を得ることができました。この仔魚はその後も順調に発育し、4月2日には摂餌の開始が確認でき、順調に成長を続けています。このことによりこれまで誰も成し遂げなかった悲願の「ウナギの完全養殖」が実現しました。

しかしながら、飼育の手間や餌のコスト等はまだまだ高く、シラスウナギ1匹あたりのコストは1000円以下では無理であろうと言われています。そのような中、稚魚の生育にも進展が見られました。

商業生産へのハードルとなっているのは、卵からシラスウナギまで育てる間に多くが死ぬことだ。現状では「よくても1割くらい」(山野センター長)しか生き残らない。いかに多くのシラスウナギを育てられるかがカギとなる。

完全養殖のシラスウナギの問題は、天然モノに比べてエサを積極的に食べずひ弱なことだ。水質の管理などに気を使い、人手をかけて育てなければならない。

天然と人工の差はなぜ生まれるのか。「実は天然のシラスウナギの稚魚が何を食べているのかがわかっていない。生態にはまだナゾが多い」と中央水産研究所沿岸・内水面研究センターの黒木洋明副センター長は明かす。

未だに「なにを食べているのかがわかっていない」というのも衝撃です。どれだけ謎が多いのでしょう、うなぎは。ぜひ引き続き研究をがんばっていただいて、安価で美味しいうなぎの供給体制を確立できるよう、心の底から応援しています!!

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タイトル画像提供:みやもとかずみ / PIXTA(ピクスタ)


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