あれから1年...トランプ大統領を生み出した恐るべきSNS活用
多くの人を震撼させたあの日から1年。ロシア政府の関与など含めFacebook, Twitter, Googleなどの企業法務責任者が議会公聴会に呼ばれる事態になる中で、今まで知らされてなかったソーシャルメディアの活用が明るみになり、多くの驚くべき事が検証されています。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/110700754
11月1日に開催された米上院情報委員会の公聴会では、ロシアによる情報操作の一端が明らかになった。「テキサスの心」という広告の場合、ネット上でテキサスのイスラム化を阻止するための集会を企画、FB上で告知した。一方、親イスラムの「米国イスラム教徒連合」は「イスラムの知恵を守ろう」と称する広告で同日同時刻に同じイスラム教センターに集まるよう呼びかけた。
そして当日、双方の呼びかけに応じて参加した人々がにらみ合う事態になったが、どちらの広告もサンクトペテルブルグに本拠を置く組織が作ったものだった。「参加者は誰一人、彼らを見なかった。サンクトペテルブルグから煽っていたのであれば、ヒューストンのイベントには出席するのは難しいだろう」。委員長のリチャード・バーは皮肉を込める。
記事の中で紹介されている米国ドキュメンタリー番組60ミニッツの番組動画を見てみると、トランプ選挙キャンペーンでデジタル・ディレクターを努めた人物がラップトップを操作しながら具体的にどのようにマイクロターゲット広告を行ったか、冷静に回答している様子が伝えられています。 特にFacebook従業員が週に何日かキャンペーンオフィスに滞在し、効果的なFacebookの活用法を指南したことなども延べられています(Facebookから民主党にも申し出はしたが断られたとのこと)。このデジタル・ディレクターは2020年の再選を目指し既に活動を始めているそうですが、それまでに規制強化含め、どのような取り組みがなされるかが問われることと思います。
https://www.cbsnews.com/news/facebook-embeds-russia-and-the-trump-campaigns-secret-weapon/
先週のエコノミストの表紙には『ソーシャルメディアは民主主義の脅威か』と題し、長尺の記事で詳細な分析が行われています。記事によるとソーシャルメディアの利用が広がることで生まれた『アテンション・エコノミー』の時代において、注目をいかに集めるかがポイントで、最も効果的なコンテンツは「ユーモア」、或いは「アウトレージ(outrage:激怒・憤慨)」だそうです。 対岸の火事ではなく、国内でも様々な「利活用」が既に、そして今後に渡って広がっていくことと思われますが今後の動向も注目していく必要がありそうです。