活躍する新入社員の共通要素は「壮大さ」と「愚直さ」?
皆さん、こんにちは。
今回は、4月に入社をしたばかりの「新入社員」の皆さんに向けて書かせていただきます。
新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、多くの企業が1日に入社式を開いた。オンラインを活用する企業も多く、対面で開いた企業の割合は6割と昨年の7割から低下した。入社後の新人研修でもオンラインと対面の併用や仮想現実(VR)を活用するなど工夫をこらす。
日本IBMはネット上の仮想空間に約600人の新入社員のアバター(分身)を表示する形で入社式を開催した。役員にチャットで質問できるようにし、終了後には30人程度を1グループとして、それぞれオンラインで役員と対話した。
就職情報大手の学情が2月時点でまとめた調査によると、回答に応じた545社のうち入社式を対面で開くとした企業は60.9%で前年から9.6ポイント下がった。オンラインと対面の組み合わせは11%で3.7ポイント増え、オンラインのみ開催は6.6%で1.7ポイント減った。学情の歌津智義執行役員は「この1年で採用などを通じてリモート対応が進んだ」とみている。
一方、対面に戻す動きもある。昨年はオンライン開催だったJR東日本は、埼玉県内のイベント会場に約1300人の新入社員を集めた。午前と午後に分けたが「同期との一体感を醸成する」狙いがある。同じくオンライン開催だったすかいらーくホールディングス(HD)も今年は都内のホテルで対面開催し、新入社員82人を迎えた。寄せ書きや集合写真の撮影は中止した。
新入社員研修でもコロナ対応は重要な課題だ。マイナビの調査によると、昨年の新入社員が受けた研修はオンラインのみが34.8%、対面とオンラインの併用型が25.6%だった。今年も多くの企業がオンラインを使うが、少しでも効果を高めようと知恵を絞る。
凸版印刷はVRゴーグルを新入社員に配布して仮想空間上に同社のオフィスビルを再現した。先輩社員がVR空間に「出社」し、新入社員をサポートする。全てオンラインで研修を実施し、ネット上で企業の基礎知識の説明やVRを活用して文化・教養を学んでもらう。
研修を受けるのは新入社員だけではない。三菱商事は新人の指導にあたる上司や指導員向けのeラーニングを導入した。日々のフィードバックのやり方や、社員が活躍できるような環境整備についての動画を準備。コロナ禍の在宅勤務でコミュニケーションの手法が変わっていることで、やりとりが薄くなることに対して危機感がある。
入社式同様、研修でも対面に戻す企業もある。三井物産は現時点では全て対面にする予定だ。「新入社員同士のネットワークを築けるうえ、対面とオンラインでは情報の質と量の取れる度合いが違う」(三井物産広報部)。
■サイバーエージェントの入社セレモニー
サイバーエージェントでは、2021年度新卒社員として、208名が入社してくれました。
4月1日には「入社セレモニー」をオンラインで実施。その時の様子を簡単にご紹介致します。
社長の藤田からのメッセージとして、「若い力とインターネットで、日本の閉塞感を打ち破る」という話がありました。詳しくはこちらもご覧いただければと思います。
ちなみに、過去、藤田からの新入社員へのメッセージとして、個人的に最も印象に残っているのはこの言葉です。
「迷わずヴェトナムへ行け」
※以下、一部引用※
複雑怪奇なビジネスの世界で、トータルで見たときの、
一番シンプルな競争ルールは、経験の質と量。
より多くの経験を集め、価値ある希有な経験を得た
(コレクションした)人が競争優位に立つと考えます。
学業で鍛えてきた頭脳を駆使するのはその後。
①先ずはがむしゃらに経験を積んで
②その経験を基に戦略を立てる。
①と②の順番を間違えると先に進めない。
例として挙げたのが、もし仮に「ベトナムへ2泊3日で行って事業の基盤を築いてこい」と突然会社から言われたら?
①すぐに迷わずベトナムに行き、がむしゃらに動く。
②二回目に、一回目の経験を基にベトナムにおける効率的な仕事のやり方を考える。滞在時間はどれくらい取れたか、キーマンは誰だったか、地域的にはどの辺りが良いか・・etc
ベトナムの話が来た時に、ベトナム語の勉強をはじめたり、
本で調べたり、そもそも何故ベトナムなのか悩んでいると、
何も考えず先にベトナムで経験を積んできた人には絶対にかなわない。
という意味です。
東大出身でも少なくとも3年くらいはがむしゃらに
経験を集めていったほうが良いと思います。
ちょっと話が社会人っぽくなったので、最後は
「迷わずヴェトナムへ行け」
と、締めさせて頂きました。
このブログが書かれた2008年当時、新入社員は84名。
今は毎年200名以上の新入社員が入社していますので、全く会社の規模感は変わってきています。
ただ、どんなに会社の規模が大きくなろうとも、ベンチャースピリットを大事にしている私たちは、今「ベトナムに行け」と言われても、「はい!」と即答する社員が多い気がします。
■活躍する新入社員の共通点
「言うことは壮大。やることは愚直。」という言葉は、サイバーエージェントで活躍する社員に共通する要素です。
大きなことを言うと、周囲から応援されることもありますが、一方で反発を招くこともあります。ビッグマウスと言われ、「そんなことできるわけない」と非難されることもあるでしょう。
ただ、それを覚悟でリスクを背負いながら大きな目標や夢を掲げ、そして、その理想を実現させるために一歩一歩愚直に頑張っていれば、結果的に力がつき、いずれ大きなことを成し遂げられる資質が備わっていきます。
「壮大さと愚直さ」。
どちらも大事で、新入社員の皆さんには是非意識していただきたい言葉です。
■成長環境は、誰かに与えてもらうものではなく、自分で作り出すもの
サイバーエージェントでは、活躍する若手の共通要素をチェックリスト化し、研修などを通して実践に活かせるような場を提供しています。
この10個のチェックリストの中の「意思表明」は、先ほどの『言うことは壮大』と合致しています。
私自身も実はそうなのですが、大きな目標を宣言することが苦手な人もいるかもしれません。
ブログやSNSなどを通じて自分の目標を宣言・発信することで、周囲に応援される環境を自分で構築することの重要性は理解しつつも、それが苦手な人は、まずは小さい単位、たとえば自分の上司や近くの先輩社員に意思表明することから始めてみるといいと思います。
「一生懸命頑張っていれば何も言わなくても誰かがその努力を見てくれる、評価してくれる」というのはある意味正しいですが、会社や組織の単位が大きくなればなるほど、“埋もれ”やすくなり、個人の能力や才能の発見が遅れてしまいがちです。
自分の意思を周囲に伝えることは、その意思を尊重しようと一緒にその夢を応援したり、個人の強みを引き出してくれる人を増やすことにもつながると思います。
もう一つ、「フィードバックサイクル」についてですが、これは若手社員に限らず、ベテラン社員にも必要な習慣です。
定期的に自分の「良いところ」と「課題」を率直にフィードバックしてもらえる人を見つけ、特に「課題」を真摯に受け止める機会をたくさん作ることで、その分成長につなげることができます。
『やることは愚直』という言葉の意味にも近しいですが、自分ができていないところ、改善の余地がある点など、厳しい現実を直視し、修正・ブラッシュアップする機会へとつなげ、愚直に努力し続けることでしか大きな成長は遂げられないと思います。
周囲に指摘してくれる人が全くいない場合は、急いで作る必要があるかもしれません。
年齢や経験を重ねるとどんどん指摘してくれる人は減りますが、若いうちから率直なフィードバックをもらう癖がついていると、「受け止める力」も上がり、ぬるま湯につかって成長が止まりそうになる前に自分自身でアラートを発することができるようになると思います。
結局のところ、成長環境は、誰かに与えてもらうものではなく、自分で作り出すもの、だと言えます。
最後に、引用させていただいた記事にもある通り、今は“オンライン”と“対面”の組み合わせにより、人事担当者が様々な工夫をしながら、新入社員研修を実施している真っ最中だと思います。
こういった工夫は「されていて当たり前」ではありません。
新入社員の皆さんには、研修一つとっても、与えてもらえる環境に甘んじず、自分から学びを得に行く、自分から成長機会を作りに行くという姿勢を大事にしてほしいと思います。その積み重ねが、数年後の大きな差につながるはずです。
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