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そもそも、通貨とは何かを考える時期

フェイスブックが通貨を発行する?

 「デジタル通貨」という言葉を本当によく聞くようになった。私たち現代人は、「通貨」といえば、日本人なら日本銀行券を連想する。しかし、今話題になっているデジタル通貨、特に「リブラ」というデジタル通貨(仮想通貨)は、アメリカ・フェイスブックが、発行する通貨である。

 この通貨をめぐって、IMFから報告書が出るなど、大きな話題になっている。それは、「データの安全性やマネーロンダリング、利用者保護などに関する批判や疑念」があるから以上に、今までの通貨が、その国の中央銀行が発行していたのに対して、このような民間企業が発行することも大きいのだろう。

中央銀行の登場前の時代に戻るのか?

 中央銀行とは、多くの国では政府とは一定の距離を置くものの、その国の経済状況に合わせて、金融政策を行っていた。そのことにより、多くの国では、経済状況を安定化することに使われてきたと考えられている。

 しかし、このデジタル通貨は、各国の通貨との交換においては、中央銀行の影響を受けるが、管理主体は民間企業であり、今までのように中央銀行がすべてを管理する状況にはならなくなるだろう。

 ところで、そもそも通貨とは何か。「モノ」と「モノ」や、「モノ」と「サービス」を交換するときの共通単位として、通貨は発行されてきた。そのことから考えると、このデジタル通貨は問題はないだろう。

 しかし、金融政策というスキームから考えると、デジタル通貨はその機能はないだろう。

 ここにきて、私たちは、そもそも「通貨」とは何なのかを、きちんと理解し、議論する時期になったのかもしれない。



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本間 充(アウトブレイン顧問/アビームコンサルティング顧問)

1992年に花王に入社。デジタル・マーケティングをリード。現在は、コンサルタントとして企業のマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学の講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授、事業構想大学院大学 客員教授。著作として「シングル&シンプルマーケティング」

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