ECB、「QE打ち切り」より大事なもの

寄稿させて頂きました。先週のECB政策理事会についてメディアのヘッドラインではあまりにも「ECBのQE終了」ばかりが取り上げられ、その延長線上で「日銀だけが取り残される」という一見関係あるのか・ないのか良く分からない論調が目立ちました。

結論から言えば、先週のECB政策理事会の最重要ポイントは年内終了が既定路線となっていたQE(正確にはAPP)ではありません。それは非常に些末な論点であり、市場ではケアされていません。問題はマイナス金利のガイダンス文言である「well past the horizon…」が「少なくとも2019年夏にかけて極力長く」とされたことであり、最大2回の利上げを織り込んでいた年初と比べればギリギリ1回織り込めるかどうかという思惑まで見通しが後退したことです。だからこそユーロがこれだけ売られているわけです。

しかし、来年秋はFedの中立金利到達、ギリシャ・ポルトガルの総選挙など相応に気になる時期になりそうです。翌年になればスペインが、その翌年になればドイツが、その翌年になればフランスが・・・ともたもらしていると「選挙の罠」に絡めとられるのが欧州のこわいところです。

QE終了ばかりに目を奪われずにその先にある展開について論点整理したつもりです。ご笑覧下さいませ。

https://www.businessinsider.jp/post-169728

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