見出し画像

「目に見えない」大勢の井之頭五郎が「GoToSolo外食」で飲食店を救うのだ

昨日の夜の「GoTo停止」の話題で今日は持ち切りですが、トラベルだけではなく、飲食の方の時短要請も深刻な打撃となっています。 

特に、酒を提供するパブや居酒屋などは、「夜の街」などといわれたせいもあり、一時前年比90%減まで落ち込みました。ようやく復活の兆しが見えてきて、これから忘年会シーズンという時期にこれでは、彼らの絶望は計り知れません。

しかし、冷静に考えてみてほしいのですが、自粛すべきは、外食ではなく会食です。一人で行って黙って食うソロ客は何の問題もないのでは?と思います。これは、コロナで飲食店の時短要請が出た春先からずっと言い続けていることですが…。

GoToSolo外食なら、感染防止もしながら、経済を回すことは決して矛盾しない。家計調査という世帯単位の消費動向では可視化されない独身の外食市場規模の大きさに注目したほうがいいと思います。外食産業を今まで支えてきたのも独身だし、この現状を救うのも独身たちです。

そういう記事を東洋経済に寄稿しました。ソロと家族、消費している外食費の比較は圧倒的にソロの方が多いのです。是非ご一読下さい。


何人かの人から、同じことをダウンタウンの松本さんが言っていた、と教えられました。どうやら、11月22日のワイドナショーで発言があったようです。

基本的には、これと同意見です。

それどころか、今後はソロ飯こそが「日常」化するだろうと、僕は考えています。しかも、それは日本だけではなく、欧米にも波及します。

そういう記事をすでに2020年3月にこちらで書いています。

この記事にも書いていますが、2019年頃から欧米でもソロ飯文化に対する関心が高まりつつありました。事実、ソロ飯需要もあがっていたからです。

この流れは以前からもありましたが、大きく転機となったのは、2020年1月にBBCが放送した「日本のソロカルチャー」に関する番組と記事だったろうと思います。

こちらの記事では、僕も取材を受けています。

個人的に驚いたのは、とはいえ英国はカップル文化の国だし、「ソロ飯」なんて受け入れられないだろうと思っていたのですが、意外にそうでもなく、ツイッターのコメントではイギリスに限らず、欧州の人たちから「俺もソロでご飯食べたい」という声がたくさんあがりました。

誰かと一緒にご飯を食べたい人もいれば、一人でゆったり食べたい人もいる。それは、人種や国籍や宗教も超越する個人の嗜好性の問題なのだと思います。

では、なぜBBCが僕に取材をしてきたかといえば、2015年の「結婚しない男たち」→2017年「超ソロ社会」→2019年「ソロエコノミーの襲来」と一貫して、僕が「ソロ活」経済とソロ文化をテーマとした書籍や記事を発信し続けてきたからです。日本における「ソロ活というソロカルチャー」は今や世界が注目する行動になりつつあります。

アフリカなどの新興国を除けば、世界的な少子化と高齢化は進みます。ソロ社会化というと未婚にばかり目が行きますが、高齢化の行きつく先は配偶者との死別による「高齢ソロ化」です。ソロ社会化は、若い人だけの問題ではないのです。

いずれにしても、言いたいことは、旅館やホテルでも飲食店でも、いまだに「おひとり様」などと揶揄されて、感謝どころか軽んじられてきたソロ客ですが、彼らの大部分が家族より高い料金を余儀なくされても文句もいわず、家族以上にひとりひとりが飲食店の売上に貢献してきたのだという紛れもない事実です。

外食市場において、家族は少数派です。少なくとも外食においては、「家族」中心の昭和の消費構造など、もはやどこにもないのだ、と、いい加減皆が「昭和の幻想」から目を覚ましてほしいと思います。

もうひとつ。家計調査というのは国の基幹調ですが、徐々にその意味がなくなってきています。あれは、あくまで世帯単位の為、二人以上の家族と単身の消費動向はわかるが、実は未婚の6割を占める親元未婚の動向は可視化されない。合計1300万人もいる親元未婚者だって、いつも自宅飯をしているわけではない。彼らも当然外食産業に寄与してる。子ども部屋おじさんとか揶揄される筋合いなど断じてないのです。

目立ちはしないけど、日本には大勢の井之頭五郎たちがいて、ひそかに、しかし、しっかりと外食産業を支えているのです。

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。