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先が見えないから進まない人、見えなくても進む人

 企業では投資の際にROIを計算し、「先が見えない時は進むな」と説きます。

 ところが、幸せに関する最新研究は、先が見えない時に進む人こそが幸せであることを明らかにしました。そして、先が見えない時に進む人は、生産性も創造性も高く、成功し、心身が健康で長寿なのです。

 考えてみると、古今の有名な教えや物語には「先が見えなくとも進め」と説くものが圧倒的に多いです。

 上杉鷹山は「為せばなる、為さねばならぬ何事も、ならぬは人の為さぬなりけり」と説きました。先が見えない時には進めといっています。
 宮澤賢治は、「雨ニモマケズ風ニモマケズ」と綴り、困難にも立ち向かって進むことの重要性を説きました。
 セーラームーンは「どんなピンチのときも絶対あきらめない」(乙女のポリシー)とピンチに正面から向き合い、立ち向かって進むことの重要性を説きました。
 スラムダンクでも安西先生は「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という印象的な台詞をいいます。ピンチにも負けず、道を見つけ前に進むことを重要性を説きました。
 そして昭和のみんなの応援歌「365歩のマーチ」では、「幸せは歩いてこない、だから歩いて行くんだよ」と待たずに進むことを強力に推します。

 実は、これらを受け入れた我々の中には、幸せの最新研究などを待たずに、その本質が分かっていたのだと思います。
 ROIや説明責任を求めるのは、科学的な知見を無視しています。そして、変化を甘くみています。予測不能な変化の中では、うまくいくことが確実になってから動くというポリシーは、何もしないといっているようなものです。一見真っ当な大人の対応のようにみて、実は変化の中では大変甘い判断なのです。
 先が見えないからこそ、進みましょう。


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