やはり、デジタルトランスフォーメーションを考えるのは、楽しい
車の定義が変わる
CES2023で、「AFEELA(アフィーラ)」という新しい車の発表が行われました。この車の体験をした動画が、以下にあるので、まずは、何も考えずに見てください。
最後の方に、上記のコメントが聞こえてくるはずです。このコメントに違和感のある方、期待感のある方、両者居るでしょう。
古典的な車の定義では、この動画は何も意味がありません。こんなの試乗ではないとおっしゃる方もいるでしょう。なぜかと言えば、搭載しているエンジンのような動力のレポートもなければ、椅子の座り心地や、フロントガラスから見た時に、運転しやすい視覚などのかのコメントが一切ないからです。
一方、この車が、自律走行型のEVであるという車の定義で考えれば、この動画は期待通りのレポートかもしれない。車内の環境や、その他の新しい仕組みの紹介を行っているのですから。
実は、デジタルトランスフォーメーションとは、ずばり「言葉」の定義の変更なのかもしれないと、気づかされてくれているのが、この動画なのです。「車」が、デジタルトランスフォーメーションして、コンピューターに運転をゆだねる「自律運転」そして「移動時間を運転時間でなくする」というトランスフォーメーションにより、「過去」に車の定義と、まったく異なる「車」が生まれているのである。
車のスペックが変わる
車の定義が変われば、車の説明をするスペックの項目も変わります。
この何気ない1段落は、私にとっては驚きの段落です。車のスペックが、「カメラ」「センサー」「演算性能」で語られているからです。旧来の「馬力」「燃費」などでは、この車は語られていないのです。
そして、以前なら「エンジン・メーカー」が重要な項目ですが、ここでは、「チップ」のメーカーが重要な項目に変わっています。
デジタルトランスフォーメーションは「夢」
このように整理すると、デジタルトランスフォーメーションとは、「創造」であり、「夢」を実現することではないでしょうか。「夢」なので、過去の経験に縛られることはありません。
例えば、多くのサラリーマンは、給与を月給でもらっていますが、デジタルトランスフォーメーションすれば、週給も、日給も容易に実現できるはずです。これは「給与」の定義の変更です。
勤務もそうかもしれません。なぜか、「勤務」=「出勤」ですが、「勤務」=「成果」と定義を、本当に明確にすれば、時間計算型の勤務管理でない「勤務」がもっと多くの職場で採用されるかもしれません。
CESのような将来の製品を数多く発表される展示会や、カンファレンスには、このように私たちの夢のヒントがあるのです。そして、それは、デジタルトランスフォーメーションの入り口なのでしょう。