2016年度以降上昇が止まっていたエンゲル係数再上昇の可能性
日本のエンゲル係数を見ると、2013年度までは二人以上世帯ベースで23%前後で横ばっていましたが、2014~2015年度にかけて急上昇しました(総務省「家計調査」)。
その最大の要因は原油価格の下落です。
というのも、2014年前半までに100ドル/バレル以上あった原油先物価格が急落したことで、家計支出における価格弾性値の低いエネルギー支出額が大きく低下したことから家計支出自体もその分下がり、結果として家計支出に占める食料費支出の割合が高まり、エンゲル係数も26%前後まで上昇しました。
しかし、2016年度以降は原油価格が上昇に転じたため、これが逆に家計におけるエネルギー支出の増加により、食料品価格の上昇に伴うエンゲル係数の上昇を抑え込んできたことで、エンゲル係数は26%前後で横ばってきました。
しかし、足元では原油価格の上昇が一服する一方で、今夏の天変地異により食料品価格の急上昇が避けられないでしょうから、エンゲル係数の再上昇は避けられないでしょう。
こうした影響が、来年10月に控える消費税率引き上げ判断やその反動減緩和のための財政政策にどのように影響するかが注目されます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35146510Y8A900C1EA2000/
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