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武漢肺炎の負の影響は計り知れない。人間や経済だけでなく動物たちへの影響も考えたい

新型コロナウイルス騒動で春節休みが延長され、たくさんの中国民はいまだに引きこもり生活をしています。

外出する人が激減したことの社会へのインパクトはとても大きく、経済に関することは日本のメディアもたくさん報道してるようですね。

日本のみなさんにとって身近なところでは、感染者対応はもちろん、日本各地のインバウンドビジネスの苦戦や、マスクの生産だったりがあるかと思います。

当事国の中国での影響はもっと深刻です。今日は日本のメディアにはあまり報道されていなそうな悪い影響について紹介します。

■中国の人気レストラン西贝への負の影響

僕も大好きな中国のレストラン大手「西贝(xibei)」ですが、外出規制でみんながお店に行かないことでの悪影響が如実に出ているとのこと。

西贝外卖业务卖了4个亿,做外卖的餐饮商家怎么引流?_-_知乎

↑大きいモールにはだいたい入ってる、手打ち麺を作ってくれるし接客も良いです。日本にも進出してるのかな?

西贝_-_Twitter検索___Twitter

それが、CEOの発言が先日中国で報じられました。訳しますと

- 400店舗が休業、この一ヶ月で7億から8億元の損失
- 2万人の社員が休んでるけど1ヶ月の給料を払わないといけない、これが1.5億元(国の政策規定のため)
- この状況が続くと持ってるキャッシュではあと3ヶ月もたない

厳しいですね。。全部をチェックしてるわけではないですが、他の大型飲食グループにも同じように悪影響出ているようです。

■中小企業がもっとやばいかも

「西貝」や「海底捞」のような大型チェーン店は従業員が多く店舗も多いので影響が大きい。

営業しないのに従業員の給料を払わないといけないし、すでに仕入れた食材などのコストが大きく1ヶ月でも数億元の損失です。

でも体力があります。特に飲食店の場合、規模が大きいほど交渉能力が強いので、疫病の期間に営業しなければ家賃の免除や削減が可能になります。

不動産の大手「万達」はすでにグループにある商業不動産のテナント1ヶ月間の家賃免除を約束し、その推定免除額は30〜40億元とのこと。

一方で大手より更に厳しいと思われるのは中小企業。彼らの多くは規模の劣る不動産グループからテナントを貸りていて家賃削減などできない。店を閉めても閉めなくても固定費がかかります。

しかも本来は一番収益が上がる春節に合わせて仕入れをしているため損失が大きく、資金調達も簡単ではありません。

僕が住んでる地域でもみんな外出を控えてるため、あまりにも客が食べに行かなくて、ついに店の人が野菜や魚などの食材を路上で販売し始めました。

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政府は「飲食店に限らず中小企業はこれから難しい時期になるだろう」と予想し、上海や蘇州などの地方政府はすでにいくつかの支持政策を出してます。

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↑中央銀行も、肺炎に影響された医療関係や生活物資の生産企業をサポートすべく3000億元の再融資資金を提供。

■飲食店だけではない、農家も大変

交通や物流が感染症予防による営業中止や道路制限で農家へのダメージも予想以上に大きいかも。

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↑湖北省の鶏養殖場が道路封鎖のせいで餌不足になってます。地方政府は鶏の餓死が出ないように調達してくれると約束しましたが、出荷できず、でも毎日餌は必要で、1日に少なくとも2000元の損失が出るそうです。

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↑山東省のイチゴ農家、トラックが入れないのでイチゴの運送ができない。でも日持ちしないのでしょうがなくヤギに食べさせたり、廃棄してるらしいです。悲しい...食べたいぞ!

■予想外?動物被害も多数

今回の感染症拡大予防による規制は人間だけではなく動物への影響も大きいです。

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↑武漢動物園は、雑魚を食事にする鳥類の餌供給が中断されたことでWeiboでSOSを出しました。

訳すと「物資がやばいです。。動物たちには1日ドジョウ15キロ、小さい川魚20キロ、シシャモまたはキグチ15キロが必要で、現在は残り2、3日分しかない」と発信。

幸い、アリババ系のO2Oスーパー「盒马」(イメージキャラクターはカバ)が見つけてくれて支援を決断、武漢での物資運送ルートも確保され、無事に動物園の餌不足の解消に動きました。

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↑盒马アカウントの発信内容、カバがマスクしてて可愛い

2月2日にタンチョウにドジョウ100キロを提供、2月3日にペリカンへ小さいフナ250キロも提供。良かったです!

今回の騒動で観光業界は当然厳しいのですが、観光地の動物への影響もあります。観光客が来ないので、観光客の餌をあてにしている動物も食事がなくなります。

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↑雲南省の百合鴎と貴州省の猿たち。あまりにも観光客がいないから今は給食で生きてます。百合鴎の動画が面白くてyoutubeにあげましたので良かったら見てください。

■残念ながら助けてもらえなかったペットも(泣)

武漢は緊急封鎖だったので、短い旅や出張で武漢を離れて戻れなくなる人がたくさんいます。この人たちの中にはペットを置いて来てしまって、面倒を見てくれる人も見つからないケースが少なくありません。

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↑武漢動物保護協会によると、すでに家で死んでしまったペットが多々います。なんてことだ。。

動物保護協会は「飼い主が解錠の費用さえ負担すれば、ボランティアが水や餌をあげたり、トイレの掃除をしてあげたりすることができる」と宣言しました。

でも解錠業者の不足と協会の人手が足りません。6日間で300軒をこなしたけど、まだ400軒以上が救助待ちだそうです。

...6日間も経ったら餌無くなるよね、最初に回ったところにまた行かないといけないよ、なかなか大変です。

もっと残念なこともありました(泣)

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↑猫の飼い主の検査結果が陽性だったのでそのまま強制隔離されました。そして感染防止のため、マンションの管理員がその家に行って消毒をしようとしたんですが、猫にもウイルスが付着してるじゃないかと思い、彼らの判断で猫を埋め殺しました。

WTF。。このあまりにも理不尽な対応は中国ネット民の間で議論になっています。

外出規制の悪影響、これからあらゆる業界でどんどん顕在化してくると思います。難しそうで大きい話はメディアの方に任せて、ちょっとマニアで気になる内容をまたnoteに書こうと思います。

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